ZIPP(ジップ)が454 NSW、858 NSWに続く、45mmハイトのノコギリ型のリム採用ホイール「353 NSW」を発表。昨年刷新された303 Firecrest Discと同じ幅広フックレスリムと反応性を高めた新型ハブを投入した、ペア1200g台のハイパフォーマンスホイールだ。



エアロと軽さを両立させたジップの超ハイパフォーマンスモデル、353 NSW Tubeless Disc-Brakeエアロと軽さを両立させたジップの超ハイパフォーマンスモデル、353 NSW Tubeless Disc-Brake (c)インターマックス
ジップが誇るホイールラインナップの頂点に君臨するのがNSWシリーズ。リムハイト53mm~58mmの「454 NSW」、そしてリムハイト77mm~82mmの「858 NSW」は、ザトウクジラの胸ビレの形状から着想を得たというノコギリ型リムのエアロホイールとしてロードとトライアスロンのトップ選手から支持されてきた。

リムハイト40mm台のオールラウンドホイールとしては通常デザインのリムを持つ「303シリーズ」が担ってきたが、この度ジップはノコギリ型リムを持つ45mmハイトの「353 NSW」をラインナップに加えることを発表。エアロと軽さを追い求めるレーサーに対する超プレミアムモデルであり、ジップ新機軸のフックレスリムと、従来のNSWシリーズにのみ奢られてきたハブを改良した新型ハブを投入したことが最大の特徴だ。

454NSW、858NSWと同じノコギリ形状を採用した45mmハイトリム454NSW、858NSWと同じノコギリ形状を採用した45mmハイトリム (c)インターマックス
ジップ 353 NSW Tubeless Disc-Brake(リア)ジップ 353 NSW Tubeless Disc-Brake(リア) (c)インターマックスジップ 353 NSW Tubeless Disc-Brake(フロント)ジップ 353 NSW Tubeless Disc-Brake(フロント) (c)インターマックス


優れた空力効率と横風に対する安定性を両立した45mmリムは、昨年モデルチェンジを果たした303 Firecrest Tubeless Disc、そしてエントリー価格帯の303 Sに投入されたフックレスチューブレスを受け継いでいる。チューブレス化によるパワー伝達向上と転がり抵抗削減はもちろん、フックレスによる空力低減のほか、ジップによればフックありと比べて構造的にシンプルであるため樹脂がカーボン素材に効率的に浸透することで、軽量化と強度向上にも貢献しているという。

チューブレスリムの内幅は303 Firecrest Tubeless Discと同じ25mm(303 Sは23mm)と超ワイド仕様であり、幅広タイヤ(28c〜55c)を低圧にして乗ることが前提だ(新世代ジップホイールののインプレッションはこちらから。空気圧への言及もあります)。ホイール重量はフロントが580g、リアが675g(12mmスルー/XDRボディ、テープやバルブを含まない)、ペア重量1255gは同社チューブレスモデルとして最軽量であり、見た目のボリュームを裏切る身軽さを身につけている。

従来の36ポイントから54ポイントに噛み合わせ箇所を増やしたCognition V2ハブ従来の36ポイントから54ポイントに噛み合わせ箇所を増やしたCognition V2ハブ (c)インターマックス従来ジップは2枚のクラッチを噛み合わせることで駆動時には優れた反応性を実現する一方、空走時には磁力で2枚のクラッチを非接触状態にして抵抗を抑える独自のフリー機構「Axial Clutch」を投入した「Cognitionハブ」をNSWシリーズに採用してきたが、353 NSWではこれを「Cognition V2ハブ」にアップデート。「Axial Clutch V2」機構によって1周あたり54ポイント(従来は36ポイント)の噛み合わせと低フリクション、そして耐久性の向上を実現しているという。

353 NSWはジップのスーパーディープリムホイールの代名詞として君臨してきたノコギリリムを受け継ぎ、ロードレースはもちろん高速ヒルクライムやエンデュランスライド、そしてグラベルをも範疇に収めるオールラウンダー。価格も前後ペア58万2010円(税込)と超一級品だが、インパクトあるリムをあらゆる場面で使えるようになった意味は大きいと言えるだろう。なお当然ながら、353 NSWはチューブレス/ディスクブレーキ専用のみとなる。

ジップ 353 NSW Tubeless Disc-Brakeジップ 353 NSW Tubeless Disc-Brake (c)インターマックス
ジップ 353 NSW Tubeless Disc-Brakeジップ 353 NSW Tubeless Disc-Brake (c)インターマックス
国内販売を行うインターマックスによれば、先着7ペアが5月上旬~中旬に入荷予定。それ以降の入荷は7月を予定しているとのことで、いち早く手に入れたいユーザーはすぐ取り扱いショップに足を運ぶべきだろう。リアハブはシマノボディと新世代スラム用のXDRボディの2種類で、カンパニョーロ用ボディは別売となる。生涯補償が付くのも高級ホイールを選ぶ大きな後押しになりそうだ。



ジップ 353 NSW Tubeless Disc-Brake
重量:フロント580g/リア675g(12mmスルー/XDRボディ、テープやバルブを含まない)
ハブ:Cognition V2
・12mmアクスル用エンドキャップ付属、
・センターロックインターフェース、ロックリング付属
対応ボディ:シマノ、スラムXDR(カンパニョーロ用ボディは別売り)
税込価格:フロント262,460円/リア:319,550円

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