スプリントでファンデルプールを退け、プロ通算100勝目を飾ったタデイ・ポガチャルは「アドレナリンが出る楽しいレース」と振り返った。3位のヴィンゲゴーや不調を正直に語ったログリッチなど、選手たちのコメントでツール第4ステージを振り返ります。



ステージ優勝&マイヨアポワ(山岳賞) タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)

スプリントを制し、プロ通算100勝目を掴んだタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

最終山岳でアタックしたが、ヨナス(ヴィンゲゴー)を振り切ることはできなかった。そして集団はまた1つに戻った。アタックが巻き起こるなかでも、ジョアン(アルメイダ)が最終盤のリードアウトまで見せてくれた働きは素晴らしかった。チームによる働きを誇りに思う。彼らは信じられないほど素晴らしかった。言葉がないほど見事な勝利だったよ。

ツールで勝つだけですごいことなのに、このアルカンシエルを着て得る勝利は格別。しかもそれがプロ通算100勝目なんて。

勝利と共に、再びマイヨアポワ(山岳賞)も着用したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

多くの優秀な選手たちが争う最終盤は、少なからずナーバスになり、また限界近くまで踏み込まなければならない。それに最後まで何が起こるかわからない。今日のようなレースではアドレナリンが出て、純粋なレースを楽しむことができた、とても楽しいレースだったよ。

ステージ2位&マイヨジョーヌ マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)

区間2勝目とはならなかったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:A.S.O.

とても厳しい戦いで、勝利を逃して落ち込んでいると同時に、レース先頭でクライマーに囲まれながら勝利を争うことができて誇りに思う。勝利を狙いにいったのだが、脚が限界に達してしまった。そしてタデイ(ポガチャル)が強さを示した。

(脚が限界だったのは)登りやレース展開など、様々な要因が重なった結果だ。最終山岳でタデイがアタックした瞬間は、脚が燃えるようだった。それでも追走集団に食らいつき、先頭に追いついたものの、最後(のスプリントで)は脚に力が残っていなかった。スプリントした瞬間、「これは勝つのが難しいな」と悟ったよ。

明日の個人タイムトライアルでもマイヨジョーヌを守ることができればいいが、現実的ではないだろう。でも4年前と同じく、マイヨジョーヌを着てTTを走ることができる。とても楽しみだよ。

ステージ3位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

アタックしたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)に唯一ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が食らいつく photo:CorVos

今日は残酷なほど厳しい終盤の展開となった。連続する短い登りによって、徐々に苦しめられていった。ポガチャルがランプ・サン・ヒレールで加速した瞬間、彼についていくことができた。一時的にポガチャルとの差が開いたが、彼もハイペースを保つことに苦労しているようだった。だからすぐ回復し、その差を埋めることができた。

この結果には満足しているよ。チームメイトによるアシストは素晴らしく、スプリントでファンデルプールを上回れなかったのが唯一の心残りだ。でも3位は喜ばしい結果。明日の個人TTでは力を尽くして臨みたい。

この日も先頭集団から遅れ、タイムを失ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

出走サインをするプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:A.S.O.

正直、ツールに出場するだけでかなり大変な状況だった。厳しいスタートだよ。もし絶好調であれば、登りであっても片足でいけたかもしれないが(笑)、ここ数日は本当に苦しんでいる。

タイム差なんて気にしていないし、僕は常に勝利を狙っている。毎日力を尽くし、それがどういう結果に繋がるか見てみよう。でも皆の走りを見ていると、正直(自分の勝利は)あまり期待できないかな。彼らは本当に速くて強いからね。大事なのは全てを出し切ること。その結果、パリまでたどり着けたら素晴らしい。長いことたどり着けていないからね(笑)。

敢闘賞に選ばれたレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)

最後まで1人、粘りを見せたレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:A.S.O.

もちろん勝利を目指して飛び出した。逃げ切り勝利が可能だと思っていたからね。でもプロトンが許してくれなかったので、マイヨアポワ(山岳賞)のポイントを狙いに行った。脚の調子は良いが、今日はプロトンが強かった。次もチャンスがあれば逃げから勝利を狙いに行く。ツールでの表彰台は初めてなので、敢闘賞は嬉しいよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.

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