ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)が2016年シーズンを最後に現役を引退すると発表した。リオデジャネイロオリンピックには出場せず、クラシックレースとツール・ド・フランスに集中する。



登り基調のスプリントで勝利したファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)登り基調のスプリントで勝利したファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング) photo:Tim de Waele


トップタイムで優勝したファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)トップタイムで優勝したファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング) photo:Tim de Waeleガゼッタ紙が伝えたところによると、SRF(スイス放送協会)のアワードセレモニーに出席したカンチェラーラが来シーズンをもって現役を引退することを明らかにした。「2016年は自分にとって最後のシーズンになる。それが正しいタイミングだと判断した。ロードレースは人生の一部ではあるけど、人生の全てではないんだ」とカンチェラーラは語っている。

マイヨジョーヌのファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)が顔を歪めるマイヨジョーヌのファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)が顔を歪める photo:Tim de Waele2001年にマペイでプロ入りし、現在34歳(1981年3月18日生まれ)のカンチェラーラ。マペイ、ファッサボルトロ、チームCSC、レオパード・トレック、レディオシャックを経て現在トレックファクトリーレーシングに所属する「スパルタクス」はこれまで輝かしい成績を残してきた。

TTスペシャリストとしてロード世界選手権タイムトライアルで4勝(2006年、2007年、2009年、2010年)し、2008年北京オリンピックタイムトライアルで金メダルを獲得。さらにクラシックスペシャリストとしてロンド・ファン・フラーンデレン3勝(2010年、2013年、2014年)、パリ〜ルーベ3勝(2006年、2010年、2013年)、ミラノ〜サンレモ1勝(2008年)、そしてツール・ド・フランスではステージ通算8勝を飾っている。

2015年、3月27日のE3ハレルベークで腰椎横突起骨折を負い、クラシックシーズンを棒に振ったカンチェラーラ。ツール・ド・フランス第2ステージでマイヨジョーヌを獲得したが、翌日の第3ステージでハイスピード落車に巻き込まれ、脊椎骨の骨折によって第4ステージDNS。ブエルタ・ア・エスパーニャにも出場したものの、胃腸のトラブルによって第3ステージでリタイアに終わっている。今シーズンの勝利はツアー・オブ・オマーン第2ステージのスプリント勝利と、ティレーノ〜アドリアティコ最終ステージ個人TTの2勝にとどまった。

2016年にプロ16シーズン目を迎えるカンチェラーラは、リオオリンピックに出場しないことを明らかにしている。キャリア最後のシーズンを春のクラシックレースとツール・ド・フランスに捧げる考えだ。

text:Kei Tsuji
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