1月に始まったロードレースシーズンは7月のツール・ド・フランスで最高潮を迎える。シーズンが最も盛り上がりを見せる6月から7月までを振り返ります。



6月

シストロンの街をスタートするプロトンシストロンの街をスタートするプロトン photo:Tim de Waele

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014最終表彰台クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014最終表彰台 photo:Tim de Waele6月に入ると徐々にツール・ド・フランスの足音が近づいてくる。マイヨジョーヌを狙う選手たちはツールに向けた最終調整としてクリテリウム・ドゥ・ドーフィネツール・ド・スイスに分かれて出場。いずれもハイレベルな総合争いが繰り広げられた。

独走でフィニッシュにやってきたルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)独走でフィニッシュにやってきたルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) photo:Tim de Waeleフランスのドーフィネで開幕2連勝という鮮烈なスタートを切ったのは前年度のツール覇者クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)。順調な仕上がりを見せたフルームだったが、第6ステージで落車して負傷してしまう。すると翌日の超級山岳フィニッシュでフルームは失速し、総合首位はアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)にスイッチ。コンタドールがそのまま総合優勝に輝くと思われたが、最終ステージで劇的な逆転が決まる。起死回生のエスケープを成功させた総合3位のアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)が総合優勝に輝いた。

第6ステージで優勝を飾った内間康平(日本ナショナルチーム)第6ステージで優勝を飾った内間康平(日本ナショナルチーム) photo:Sonoko.Tanaka/tour de shingkarak2014ツール・ド・スイスではルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)が「アルカンシェルの呪い」を感じさせない走りを披露した。初日の個人TT第7ステージ個人TTで勝利したトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が大会制覇に向けて順調に駒を進め、超級山岳ヴェルビエ山頂フィニッシュでも首位をキープ。しかし最終ザースフェー山頂フィニッシュで世界チャンピオンのコスタがアタックを成功させる。最終日にライバルたちを振り切ったコスタがステージ優勝と逆転総合優勝をつかみ取った。コスタのスイス制覇は3年連続。

カザフスタンのアスタナで開催されたアジア選手権では、開催国カザフスタンがロードと個人TTで合計10種目中7冠という圧倒的な成績をマーク。宮澤崇史(ヴィーニファンティーニNIPPOデローザ)が男子エリートロードレースで4位、萩原麻由子(ウィグル・ホンダ)が女子エリートロードレースで11位という結果に。

インドネシアのツール・ド・シンカラでは内間康平(ブリヂストンアンカー)が第1ステージを制してリーダージャージを獲得。内間は第6ステージで再び独走勝利を収めるなど活躍を見せた。



7月

2級山岳ホルムモスを登るプロトン2級山岳ホルムモスを登るプロトン photo:Kei Tsuji

1級山岳パラキ峠でメイン集団のペースを上げる新城幸也(ユーロップカー)1級山岳パラキ峠でメイン集団のペースを上げる新城幸也(ユーロップカー) photo:Tim de Waeleイギリス・ヨークシャーで開幕したツール・ド・フランスは序盤から波乱ずくめ。華々しく開幕を迎えてすぐ、初日に地元のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が落車リタイア。マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)がイギリスステージから連勝し、最終シャンゼリゼを含むスプリント4勝という安定感を見せた。

マイヨジョーヌを着るヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が独走でフィニッシュマイヨジョーヌを着るヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が独走でフィニッシュ photo:Tim de Waele総合争いで序盤からリードしたのは第2ステージで早速マイヨジョーヌを手にしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)だった。その一方でパヴェを含む第5ステージでまずフルームが落車リタイアし、本格的な山岳決戦を待たずして第10ステージでコンタドールが落車リタイアする。

クリストフらを下したマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)クリストフらを下したマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:Tim de Waele新鋭アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)がスプリント2勝、トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が個人TTを含むステージ2勝、そしてラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)が山岳ステージで2勝を飾ってマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を獲得する中、安定した走りでニーバリが総合首位に君臨し続けた。

ニーバリは第2ステージに続いてヴォージュ山塊の激坂に至る第10ステージアルプス初日シャムルースの第13ステージ超級山岳オタカムの第18ステージで勝利。合計ステージ4勝で他を寄せ付けず、16年ぶりにイタリア人としてツール総合優勝を果たした。

開催国フランスも健闘し、ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)が総合2位、ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)が総合3位に入って総合表彰台の脇を固める結果に。AG2Rラモンディアールがチーム総合成績トップに輝いている。

3年連続5回目の出場となった新城幸也(ユーロップカー)はアシストとしてチームに貢献しながら、自身最高の総合65位で完走した。




text:Kei Tsuji
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