1月22日(火)に開催されたツール・ド・サンルイス2013第2ステージ。最後は上り勾配での集団スプリントとなり、昨日2位に入っていたサーシャ・モードロ(バルディーニ・CSFイノックス)がマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)を破り優勝。リーダージャージを手に入れた。

リーダージャージを着たマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)リーダージャージを着たマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ) (c)CorVos木陰でスタートを待つカイエタノ・サルミエント(コロンビア、キャノンデール・プロサイクリング)やジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)木陰でスタートを待つカイエタノ・サルミエント(コロンビア、キャノンデール・プロサイクリング)やジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ) (c)CorVos


郊外の丘陵地帯を走るメイン集団郊外の丘陵地帯を走るメイン集団 (c)CorVosアルゼンチンで開催されているツール・ド・サンルイス(UCI2.1)。1月22日(火)に開催された第2ステージは、サリダ・ティリサラオから南下し、テラザス・デル・ポルテズエロへと至る171.4kmだ。

コースは終始細かいアップダウンが連続する丘陵地帯を走り、途中55.3km地点には3球山岳アルト・パソ・グランデが登場する。およそ残り40km地点からは下り基調で、最後は微妙に上り勾配のつけられたストレートで勝負が決する。この日も前日に引き続き、スプリンター達のバトルが繰り広げられるものと予想されていた。

サーシャ・モードロ(バルディーニ・CSFイノックス)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)らが横一線でスプリントを開始サーシャ・モードロ(バルディーニ・CSFイノックス)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)らが横一線でスプリントを開始 (c)CorVosこの日も序盤に逃げを決めたのは、昨年大会で総合ポイント賞を獲得したエマヌエル・ゲバラ(サンルイス・ソモストドス)らアルゼンチン人選手を中心とした5名。快晴の下、ローテーションを回しながら徐々に集団との距離を開いていく。

カヴェンディッシュ擁するオメガファーマ・クイックステップ勢が中心となってペースコントロールする集団が先頭5名に許したタイム差はおよそ5分弱。ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール・プロサイクリング)のアシストを務める増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)も集団牽引に加わり、ジワリと先頭との距離を詰めに掛かる。

マーク・カヴェンディッシュらを破ったサーシャ・モードロ(イタリア、バルディーニ・CSFイノックス)マーク・カヴェンディッシュらを破ったサーシャ・モードロ(イタリア、バルディーニ・CSFイノックス) (c)CorVos一人、また一人と人数を減らしながらも粘りを見せる先頭グループは、残り25kmで1分55秒、残り18kmで1分半とタイム差を推移させる。しかしスプリンターチームが猛烈な勢いで追い上げる集団の勢いには敵わず、ついにラスト4km地点で吸収された。

表彰台に立つサーシャ・モードロ(イタリア、バルディーニ・CSFイノックス)表彰台に立つサーシャ・モードロ(イタリア、バルディーニ・CSFイノックス) (c)CorVosここから集団をリードしたのはオメガファーマ・クイックステップと、ペーター・サガンを勝利に導きたいキャノンデール・プロサイクリングの2チーム。残り2kmでオメガファーマ・クイックステップがカヴを先頭に引き上げると、そのままの体勢で、緩い上り勾配のラスト300mに突入していく。

そしてカヴェンディッシュやモードロ、リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)らが横一線でスプリントを開始すると、一番左側から勢い良く抜け出したのはモードロ。「トライしたけれど、今日はモードロの方が僕より一枚上だった」と語るカヴから先行すると、25歳のイタリアンスプリンターが力強いガッツポーズを繰り出した。

リーダージャージを獲得したサーシャ・モードロ(イタリア、バルディーニ・CSFイノックス)リーダージャージを獲得したサーシャ・モードロ(イタリア、バルディーニ・CSFイノックス) (c)CorVosモードロは、「フラットなラスト300mから、ゴールに向かうに連れて徐々に3~4%の勾配が付いているレイアウトだった。カヴェンディッシュの前でゴールラインを超えることができたたよ。僕にとって2013年シーズンの最初の勝利で、家族のような(仲の良い)チームに初勝利をもたらすことができた」と喜びを語った。この日の勝利でリーダージャージも手に入れている。

また、この日アシストとして集団牽引に加わった増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)は、昨日にひき続いてトップと同タイムの101位でゴール。ゴール後にチームメイトのセバスティアン・アエド(アルゼンチン)がTV番組に出演した際、「増田の働きが素晴らしかったよ。ずっと側にいてサポートしてくれた」と語っている。

翌第3ステージは、コース途中に3級と1級山岳が1つずつと、1級山岳の頂上ゴールが設定される厳しい山岳コース。これまで影を潜めていたクライマーたちの争いに期待がかかる。


ツール・ド・サンルイス2013第2ステージ結果
1位 サーシャ・モードロ(バルディーニ・CSFイノックス)3h50′08″
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)
5位 ペーター・サガン(キャノンデール・プロサイクリング)
6位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・メリダ)
7位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・セレイタリア)
8位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
9位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
10位 スコット・スワイツ(チームネットアップ・エンデューラ)
101位 増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)

個人総合成績
1位 サーシャ・モードロ(バルディーニ・CSFイノックス) 7h38′12″
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 ペーター・サガン(キャノンデール・プロサイクリング)
6位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
7位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
8位 ジェイコブ・ケノー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
9位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)
10位 エンツォ・ジョシュ・モヤーノ(アルゼンチン、カハルーラル)
110位 増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)

山岳賞
フラヴィオ・デルーナ(メキシコ、ASC・デュクラプラハ)

ポイント賞
ワルター・ペレス(アルゼンチン、ブエノスアイレス・プロヴァンシア)

新人賞
ルーカス・ガダイ(アルゼンチン、ブエノスアイレス・プロヴァンシア)

チーム総合成績
キャノンデール・プロサイクリング


text:So.Isobe
photo:Cor.Vos

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