各国がナショナル選手権ウィークに突入するなか、TTオランダ選手権が行われた。男子はジロのTTも制したダーン・ホーレ(リドル・トレック)が連覇。女子はミーシャ・ブレーデウォルツ(SDワークス・プロタイム)が初戴冠している。



2位:ディラン・ファンバーレ(ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

全日本選手権の個人タイムトライアルが行われる5日前の6月24日、自転車大国オランダでTTナショナル選手権が行われた。ツール・ド・フランスを控えた選手たちなどは不出場だが、それでも強豪国らしくワールドチームに所属する豪華メンバーの競演となった。

舞台となったのはオランダ北部に位置するシュルハイステルヴェーン。先に行われた男子エリートは31.4kmの平坦路で争われ、ダーン・ホーレ(リドル・トレック)がディラン・ファンバーレ(ヴィスマ・リースアバイク)を20秒上回るタイムで優勝した。

優勝:ダーン・ホーレ(リドル・トレック) photo:CorVos

タイムトライアルオランダ選手権男子エリート表彰台:2位ディラン・ファンバーレ(ヴィスマ・リースアバイク)、1位ダーン・ホーレ(リドル・トレック)、3位アクセル・ヴァンデルテューク(メテック・ソーラーワットp/bマンテル) photo:CorVos

平均スピードが52km/hにも迫る好タイムを叩き出したホーレは、2022年にプロデビューした26歳。3度目の出場となった先日のジロ・デ・イタリアでは、第10ステージの個人タイムトライアルで総合勢を退けて初の区間優勝。その勢いのまま、198cmの長身を武器にタイトル獲得に繋げた。

3位に入ったのは、オランダのコンチネンタルチーム「メテック・ソーラーワットp/bマンテル」に所属するアクセル・ヴァンデルテューク。今年は国内レースで勝利を重ねており、来年の移籍先が注目される24歳だ。

女子はブレーデウォルツは初優勝

同じ31.4kmで争われた女子エリートは、3連覇を狙うリーアンヌ・マルクス(リドル・トレック)に注目が集まった。しかしそのマルクスを9秒上回り、初優勝したのはミーシャ・ブレーデウォルツ(SDワークス・プロタイム)だった。

女子エリートを制したミーシャ・ブレーデウォルツ(SDワークス・プロタイム) photo:CorVos

40分23秒で駆け抜けたブレーデウォルツは、今年アムステルゴールドレース・レディースエディションを制した25歳。イツリア・ウィメン(UCIワールドツアー)では区間2勝するなど、キャリアハイとなる好成績を維持しており、SDワークスの次期エース候補として期待されている。

3位はリーケ・ノーイェン(ヴィスマ・リースアバイク)で、リドル・トレックはトップ5にマルクスとシリン・ファンアンローイ、エレン・ファンダイクの3名を送り込む強さを見せた。

男女エリートのロードレースは6月28日に行われる。

*「ホーレの初優勝」と記載しましたが、正しくは「2024年に続く連覇」でした。訂正してお詫びいたします。
タイムトライアルオランダ選手権結果
男子エリート
1位 ダーン・ホーレ(リドル・トレック) 36:20
2位 ディラン・ファンバーレ(ヴィスマ・リースアバイク) +0:20
3位 アクセル・ヴァンデルテューク(メテック・ソーラーワットp/bマンテル) +0:25
女子エリート
1位 ミーシャ・ブレーデウォルツ(SDワークス・プロタイム) 40:23
2位 リーアンヌ・マルクス(リドル・トレック) +0:09
3位 リーケ・ノーイェン(ヴィスマ・リースアバイク) +0:34
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos