7月15日~17日に国内最大級MTBパークの富士見パノラマリゾートで行われる第24回全日本マウンテンバイク選手権大会。来年のオリンピックを見据えたXCO、世代交代が進むDHIと各クラスで、MTBレースでの日本ナショナルジャージをかけ争われる。

アジア選手権で優勝した山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)と2位の平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)に注目アジア選手権で優勝した山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)と2位の平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)に注目 photo:Japan Mountain Bike Association国内ナショナルチャンピンを決める全日本選手権は、全ての選手にとって最もステータスのある大会。他のレースとは場の雰囲気からしてすべてが違うと言える。ここで獲得できる白い日本チャンピオンジャージは選手としての憧れだ。

全日本マウンテンバイク選手権大会はXCOとDHIと二つの種目が開催される。今回は全日本4Xがプログラムから外されて期間が短縮されている。

八幡浜で2連覇を果たした山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)八幡浜で2連覇を果たした山本和弘(キャノンデールレーシングチーム) photo:Akihiro.NAKAO連覇の続くXCO、世代交代のDHI

XCOは3連覇の山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)と片山梨絵(SPECIALIZED)が7連覇と勝ち星を積んでいる。山本幸平はMTBワールドカップを主戦場としているだけあって、先日のアジア選での優勝でオリンピック枠を獲得したりと他の選手とは全く違うレベルといっていい。全日本直前までワールドカップ遠征をして帰国となり、カナダ・モンサンタンで30位、アメリカ・ウィンダムで31位に入っている。同じ富士見のコースのJシリーズ第2戦で優勝しており、普通に走れば勝てるはず。

直前のニセコで優勝した小野寺健(TEAM SPECIALIZED)直前のニセコで優勝した小野寺健(TEAM SPECIALIZED) photo:Akihiro NAKAO他の選手達はどうだろうか。同じく海外遠征を続ける平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)と前半を海外遠征をした山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)が最右翼。平野はモンサンタンで62位(-2Laps)でウィンダムで69位(-1Lap)と調子はよくないものの、富士見はホームコースと言える場所なので力を発揮できる。山本和弘は第1戦八幡浜を優勝、第3戦ニセコでは怒濤の追い上げで表彰台と今年最も強くなった選手だ。兄弟での全日本表彰台が見れるかもしれない。

ジュニアカテゴリーでは頭ひとつ抜きん出ている沢田時(HARO/ENDLESS/ProRide)ジュニアカテゴリーでは頭ひとつ抜きん出ている沢田時(HARO/ENDLESS/ProRide) photo:Akihiro.NAKAO国内で走る選手は斉藤亮(チーム コラテック)が、着実にレベルアップをしているものの念願のJ1優勝に届かない悔しさを晴らせるか。今年スペシャライズドに移籍してニセコで復活優勝した小野寺健(TEAM SPECIALIZED)、争える走りを得て表彰台に上がれる選手となった門田基志(TEAM GIANT)、今季はまだ歯車が噛み合わない辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)、サラリーマンレーサーで上位に入る大江良憲(TEAM轍屋)、昨年は粘る走りで3位を獲得した松本駿(TREK)、昨年2勝と活躍した武井亨介(チーム・フォルツァ!)と、今年のXCOエリート男子は各選手の意気込みがぶつかる名レースが見られるはず。

他にU23とジュニアが開催され、エリートで活躍するジュニアの沢田時(HARO/ENDLESS/ProRide)がレースを制することができるか。U23は今季完走すらままならない合田啓祐(TEAM SPECIALIZED)は落とせないレースとなる。

復調の勝利を狙う女王 片山梨絵(SPECIALIZED)復調の勝利を狙う女王 片山梨絵(SPECIALIZED) photo:Akihiro.NAKAO女子の片山は全日本ロードで2位と国内最高レベルの女子選手の一人であるものの、モンサンタンで46位(-2Laps)、体調不良によりウィンダムを欠場し帰国して回復を図っている。単独でロンドン五輪を目指す片山を応援しよう。また、矢沢みつみも出走する。

今季富士見で優勝した井本はじめ(Team Transition Racing/小川輪業/NINJYA TV)desc今季富士見で優勝した井本はじめ(Team Transition Racing/小川輪業/NINJYA TV)desc DHIはJシリーズ一戦で次に全日本とレースが少ない状況で、多数の選手がモンサンタンとウィンダムへと遠征している。今季からエリートで富士見で大差で優勝した井本はじめ(Team Transition Racing/小川輪業/NINJYA TV)はモンサンタンは予選通過で決勝70位としたものの、ウィンダムは怪我で欠場。同じくエリートとなった清水一輝(AKI FACTORY TEAM)、井手川直樹(Devinci/SUNSPI.com)九島賛汰(KHS/重力技研)、永田隼也(A&F/ROCKY MOUNTAIN)らは2戦とも予選不通過で、ジュニアの九島勇気(KHS/重力技研)はモンサンタンのみ予選通過で決勝73位と選手達は日本と海外の差を痛感したようだ。日本で調整をしている青木卓也(TEAM GIANT)とともに、今後世界を目指す選手としてチャンピオンを争う。

女子は11連覇とワールドカッパーの末政美緒(FUNFANCY/INTENSE)は、モンサンタンで試走中に転倒して左肩を打撲、レースを棄権して国内で療養している。連覇のかかる全日本前での大怪我のため心配なところだ。

コースの観戦ポイント
XCOはスタート・ゴールのある中央ゲレンデでの観戦がメインとなる。ゲレンデを前に見て左手のシングルトラックからダウンヒルDコースと下り、右手のゲレンデ登りが一番選手を追い易く応援し易い。他に駐車場へと降りる区間やロックセクションとコースの見どころを探すのも楽しい。コースを横断する場合はマーシャルがいるところを基本に、選手との接触には十分注意して欲しい。

DHIはDビッグドロップ、Eコンパネジャンプのポイントあたりはシニアエリートクラスのライダー迫力のある走りが見れる。観戦場所へはゴンドラは使用せず下から徒歩で上がるのがお勧めで、山歩きに適した靴がいい。

またメインゲレンデ・ゴールエリアでの観戦も、MCを聞きながらタイムが分かるのでレースの勝者をいち早く知る事ができる。開催場所の富士見パノラマは中央道諏訪南I.Cから約7分と、関東や中部・関西からとアクセスしやすい場所となっている。


全日本マウンテンバイク選手権大会日程
7月15日(金) 14:45 〜 15:30
 DH:エリートダウンヒルタイムドセッション
7月16日(土) 11:00 DH:女子予選
        11:30  DH:男子シニアエリート予選
        12:30 DH:男子マスター
       13:20 DH:男子ジュニア
       14:00 DH:女子ファイナル  
       14:20 男子シニアエリートファイナル

7月17日(日) 9:00 XC:男子ジュニア 
       9:05 XC:男子マスター
       10:45 XC:男子U23
       10:50 XC:女子
       13:00 XC:男子シニアエリート

また、内嶋亮プロデュースの4Xシリーズ戦「4X national ultimate games」の第2戦が17日にXCOと同時開催され、MTBレースの全てが楽しめる内容になっている。


大会案内 ブリッジ・エンタープライズ
http://www.besports.co.jp/

富士見パノラマリゾート
http://www.fujimipanorama.com/summer/index.php


text&photo:Akihiro.NAKAO

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