ツール・ド・フランスでポガチャルによる総合連覇を達成したUAEチームエミレーツXRGが、8月23日に開幕するブエルタ・ア・エスパーニャの出場メンバーをいち早く発表。フアン・アユソ(スペイン)と共にツールで肋骨を骨折したジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が出場し、ダブルエース体制を築く。



今年のジロ第17ステージでステージ優勝を挙げたフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

シーズン最後のグランツール、イタリア北西部トリノで開幕する第80回ブエルタ・ア・エスパーニャ。この大舞台に向け、UAEチームエミレーツXRGが他チームに先駆けて出場メンバーを発表した。若き2名のエースの脇をベテランが固める布陣は以下の8名だ。

ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)
フアン・アユソ(スペイン)
イヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル)
ドメン・ノヴァク(スロベニア)
ミッケル・ビョーグ(デンマーク)
ジェイ・ヴァイン(オーストラリア)
マルク・ソレル(スペイン)
フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア)


その中心となるのは、2022年に総合3位、翌年に総合4位とこれまで輝かしい成績を収めたアユソ。今季は総合エースとしてジロ・デ・イタリアに出場し、第7ステージで区間優勝を飾ったものの、落車による負傷と蜂に刺されるアクシデントが重なり、途中棄権を喫した。22歳という若さでチームの総合エースを託されたアユソが狙うのは、達成すれば2014年のアルベルト・コンタドール以来となるスペイン人による総合優勝だ。

ツールで肋骨を骨折したジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

そんな若きエースと共に総合優勝を狙うのがアルメイダだ。イツリア・バスクカントリーからツール・ド・ロマンディ、そしてツール・ド・スイスと、今季はワールドツアーで3大会連続の総合優勝に輝くなど、キャリアハイの活躍を見せている。しかし、続くツールでは第7ステージでの落車で肋骨を骨折し、無念のリタイアとなった。

そのアルメイダはブエルタ出場に際し、「今季の自分の調子を考えると、エースとしてブエルタを走れるのは特別な気持ちがする。ツールの落車から順調に回復しており、トレーニングでの感触も上向き。ここから数週間、さらに調子を上げて、ベストに近いコンディションでブエルタ開幕を迎えたい」とコメントしている。

山岳賞を獲得したジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) photo:Unipublic

ダブルエースを山岳で支えるのは、ツールからの連戦となるソレルや昨年マイヨモンターニャ(山岳賞)を獲得したヴァイン、グロスシャートナーなど経験豊富な実力者たち。また第5ステージで行われる20kmのチームタイムトライアルでは、TTスペシャリストであるビョーグやオリヴェイラの活躍に期待がかかる。そこに通算8度目のグランツール出場となる30歳ノヴァクも加わり、盤石のベテラン勢が若手のアユソとアルメイダをアシストする。

なお、今季ジロで21歳にして総合2位と大躍進し、出場が期待されたイサーク・デルトロ(メキシコ)は不出場となった。しかし、その後出場したツアー・オブ・オーストリア(UCI2.1)では区間3勝を挙げて総合優勝を飾り、直後のスペインのワンデーレースでも勝利を収めている。8月2日に行われるクラシカ・サンセバスティアン(UCIワールドツアー)にはアユソらと共に出場予定だ。


text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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