11月8日、国際自転車競技連合(UCI)は、ツール・ド・フランス覇者アルベルト・コンタドール(スペイン)に禁止薬物のクレンブテロール使用疑惑が出ている問題について、スペイン自転車競技連盟に対して、処分を検討する審議に入るように要請したことを発表した。

ツール・ド・フランスで3度目の総合優勝を遂げたアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)がスペシャルバイクとともにツール・ド・フランスで3度目の総合優勝を遂げたアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)がスペシャルバイクとともに photo:Makoto Ayano今回のUCIによるこの要求は、WADA(世界アンチドーピング機関)によって定められた規定によるものだ。
コンタドールが2010年ツール・ド・フランスでのドーピング検査で陽性になったことが公になったのが9月末のこと。しかしコンタドール側はドーピングを否定。UCI側も検出された禁止薬物クレンブテロールがごく微量だったことで、WADAと協力しながら検査を継続していた。

10月14日には「クレンブテロールに汚染された肉を食べたことが原因」とするコンタドール側の言い分をWADAが却下していた。
UCIとWADAはツール・ド・フランス期間中に摂取したコンタドールの血液と尿サンプルの全てを、新しく開発された検査方法も導入しながら再検査していた。
そして今回、UCIは「コンタドールは未だに推定無罪の益を得ている状態」だとして、コンタドールへの処分を含む審議を開始するようにスペイン車連に要請するに至った。

審議は一ヶ月以内に終了し、年内には結論が出る模様だ。もしスペイン車連がコンタドールを処分する決定を下せば、当然ツール・ド・フランスの優勝が剥奪されることになる。

コンタドール自身は潔白を主張する姿勢に変わりがなく、もし処分されるようなら自転車競技から引退する意向があることを示唆している。



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