世界を震撼させたコンタドールのドーピング陽性について、UCI(世界自転車競技連合)はプレスリリースを出し、その検出量が微量だったことに対して慎重になる姿勢をみせている。

アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:Makoto Ayanoアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)のドーピング陽性のニュースが出てすぐに、UCIはプレスリリースを出した。その内容はさらに調査を継続するというもので、今の段階では処分を決定しないというものだった。

ドイツ・ケルンのWADA登録ドーピング研究所が出した検査結果は、コンタドールの尿サンプル1ミリリットル中に50ピコグラム(=0,00000000005グラム)という微量の禁止薬物クレンブテロールが検出されたというものだった。Aサンプルと、予備のBサンプルともに陽性だったという。

この検査結果によってUCIはすぐにコンタドールを資格停止処分にしたが、コンタドールはすでに自身のレースシーズンを終えている。

コンタドールの尿サンプルから検出されたクレンブテロールの量は、WADA(世界アンチドーピング機関)の規定に比べて検出量が400分の1と微量のため、UCIはさらなる科学的な解明が必要だとして、WADAの協力を得ながらさらに厳正に調査を続けるという。

この継続調査にはさらに時間がかかるとして、UCIはコンタドールの処分については調査によって解明されるまではコメントを控えるとしている。ツール・ド・フランス勝利のタイトルが剥奪されるかどうかは、さらなる調査を経て判断が下されることになるだろう。

クレンブテロールによるドーピング陽性は、今年4月のリー・フユ(中国、元レディオシャック)の例がある。フユは身に覚えがないとして潔白を主張したが認められず、2年間の出場停止処分を受けている。





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