「沿道の観客の声援が力になった」。大観衆の声援を力に変えたポガチャルが、残り2kmからの一撃で勝利。区間3位に入り、マイヨブランに袖を通したセクサスや、「脚は望んでいたレベルにあった」と語ったヴィンゲゴーらの言葉を紹介する。



ステージ優勝&マイヨジョーヌ&マイヨアポワ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)

今大会4勝目を獲得したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

レース直後インタビュー

今日は沿道に詰めかけてくれた観客に感謝したい。登りと頂上での盛り上がりは、忘れられない体験となった。これまでこんな経験をしたことはない。観客が選手たちをリスペクトしてくれていると感じたし、素晴らしいショーを見せることができた。

イサーク(デルトロ)の状態が万全ではなかったので、残り2kmまでは誰かがアタックするか様子を見ていた。まずデカトロンCMA CGMが、その後はヨナス(ヴィンゲゴー)が先頭でペースを作り、集団は徐々に絞り込まれていった。僕自身の調子は良かったので、残り2kmから仕掛けた。試走をしていて、この登りはよく知っていたからね。沿道の観客も頂上まで僕の背中を押してくれた。チャンスが訪れたので、それをものにしただけだ。

このステージは最初から狙っており、コースも熟知していた。景色も美しく、自転車で走るには素晴らしい場所だ。ここには良い思い出もある。そして今日、チームとしてさらに良い思い出を作ることができた。

明日はさらに難易度の高いステージだ。詳しくは話したくないが、僕らにとっても厳しいレースになる。それでも準備はできており、いくつもの戦略を用意している。

精鋭グループからアタックするタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

表彰式後記者会見

今日は今大会でも特に厳しいステージの1つだった。僕らのチーム力を生かせば有利にレースを進められると考え、レースを厳しくしてチャンスをつかみにいった。だが、逃げ集団がさらにレースを厳しくした。最終山岳では多くのライバルが好調そうに見えた。テレビでどう映っていたかは分からないが、僕から見ても激しい戦いだった。だからこそ、好調な脚を無駄にしないためにアタックした。

沿道には多くの観客が詰めかけ、その雰囲気はクレイジーだった。マルクシュタインでの今日のレースは、選手としてのキャリアの中でも忘れられない1日となった。

2023年大会では、ヨナスにタイムトライアルで2分を失い、その翌日にはさらに8分を失った。だからこそ、レースは1日でひっくり返り得るんだ。

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)

ヨナスが先頭を牽いていた時、手元のサイクルコンピュータには凄い数値が表示されていた。ただ、昨年大会と比べると、彼の走りには何かが足りないのだと思う。アルプデュエズのような長い登りになれば、さらに強さを増すんじゃないかな。僕を振り落とすことだってあり得る。いまの彼は確かに強いが、ほんの数%、何かが足りていないのだろう。だから彼への警戒を緩めることはできないし、明日は彼に適した登りが待っている。

昨日と一昨日は調子がいまひとつだった。特に一昨日の登りでリドル・トレックが高速牽引を始めた時、僕は調子が良くなかったので「なんてことをしてくれるんだ」と思った。昨日は少し回復した。そういう日も乗り切らなければならない。今朝、ウルシュカ(ジガート)と電話で話し、今日への意欲がさらに高まった。

これで明日のステージにも自信を持って臨める。その翌日の休息日を挟み、さらに翌日は個人タイムトライアルだ。そこではワンデーレースのように、すべての力を出し切りたい。エヴィアンでの試走には時間をかけて取り組んできたからね。そして最終決戦のアルプデュエズは、タンクにどれだけ残っているか次第だ。

─最終山岳で笑ったように見えたが。

苦しい時ほど口角が上がるものだよ(笑)。

ステージ3位&総合4位&マイヨブラン ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)

マイヨブラン争いを繰り広げたポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)とフアン・アユソ(スペイン、リドル・トレック) photo:A.S.O.

躍進したポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) photo:A.S.O.


信じられないよ。このツール・ド・フランスは途方もなく厳しい。今日も例外ではなかったが、僕はこういうレースが好きなんだ。この結果をつかむために懸命にトレーニングしてきたし、チーム全体も大きな努力を重ねてきた。今日も皆が素晴らしい仕事をして、この2週間、毎日そうしてくれたように、僕を守ってくれた。マイヨブランを着て、表彰台争いに加わっていることを心から嬉しく思う。

ステージ4位&総合2位 ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

今日の走りには満足している。明らかに悪い日ではなかったし、自分について多くのことを学べた。脚は望んでいたレベルにあり、チームとしても良い走りができた。

ステージ5位&総合3位:レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

追走するレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が関係車両に行手を塞がれる photo:CorVos

最後の登りでは自分のペースで走ることができた。少し速すぎたけれど、自分のペースを維持できたので大きなタイムロスを被ることは無かったよ。僕が『リポ(ヴィッツ)』に追いついた時、その場にいた全員でできる限り前を追いかけようと呼びかけたんだ。それがうまくいったと思う。ラスト1km、いや1.5kmは力強く走れた気がする。とはいえ、運営車両に少しペースを落とさせられたのは事実。明日も全力を尽くしてライバルにタイムを奪われずに済めば、火曜日(の個人タイムトライアル)でできるだけタイムを取り戻し、ステージ優勝を目指せると思う。

ステージ7位&総合6位:フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

アユソと一緒にフィニッシュを目指すフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

チームとしては良いパフォーマンスだった。残念ながらセクサスについていくだけの脚はなかったけど、最終的にはダメージを最小限に抑えることができたのでレース内容には誇りを持てる。それから僕の名前を叫んでくれた多くのドイツ人ファンにも感謝したい。明日の厳しい一日を無事に乗り越えて、最終週のレース展開を見極めていきたい。

山岳ランキング2位に浮上したヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)

山岳ランキング2位に浮上したヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

「先頭集団で良い一日を過ごすことができた。一日中調子が良く、自分の努力と山岳賞ジャージ争いに加われたことを嬉しく思う。僕が参加した小さな逃げ集団はよくやってくれたけれど、メイン集団がわずか3分差で追いかけてきていたのでステージ優勝を争うのは難しい状況だった。ベストを尽くしたので結果には満足しているよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O., CorVos
Amazon.co.jp

旅するツール・ド・フランス

太田出版
Amazonプライス:¥2,420

ツール・ド・フランス2025 スペシャルBOX(Blu-ray2枚組)

株式会社 ジェイ・スポーツ
Amazonプライス:¥9,043
参考価格:¥11,000