自身5度目のシクロクロス世界王者を目指すマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がインタビューに答え、不調の原因である背中の怪我や、ロードシーズンについて語った。



トレーニング合宿中のメディアデーのインタビューに答えたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

僅か2レースに留まった昨年のシクロクロスシーズンから、今季はここまで12戦(うち4勝)とレースを重ねるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)。2月5日に迫ったシクロクロス世界選手権を前に、スペインで行われたトレーニング合宿中のインタビューに応じた。

「(背中の怪我の原因は)僕も知りたいぐらいだ。東京五輪から背中の治療に取り組んでいるのだが、上下する調子にとてもイライラしている。昨年とは違いバイクに乗っても痛みを感じないのは大きな改善点。しかしいまオフロードを全力で走ることができない」とファンデルプールは、2021年の東京五輪MTBでの落車以来抱えている背中の怪我について語った。

2021年東京五輪での怪我が長引いているマチュー・ファンデルプール(オランダ) photo:So Isobe

今季のシクロクロスではライバルであるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)と一進一退の攻防を繰り広げていたファンデルプールだったが、1月5日のX2Oバドカマートロフェー第5戦で背中の痛みが再発。続く8日のUCIシクロクロスワールドカップ第12戦でも力を発揮できず、2戦連続でファンアールトに敗れた。

「キャリア最大の腹立たしい怪我だ。なぜなら原因がハッキリしないから。休養と筋力トレーニングしかいまのところ治療方法がない。大人しく乗っている分には問題ないのだが、僕は1時間(シクロクロスのレース時間)全力を出し続けたいんだ」と、ファンデルプールはフラストレーションを口にした。

目下の目標を「シクロクロスシーズン唯一のターゲットである世界選手権」と語るファンデルプール。続くロードシーズンの予定を「2年前と類似した予定を立てている。最大の目標は(ツール最終日の)パリにたどり着くこと。そこまでに区間1勝はしたいね」と言い、春のクラシック後は高地トレーニングを挟み、前哨戦であるツール・ド・スイスから昨年大会は途中棄権に終わったツール・ド・フランスに臨む。

怪我もあり、ライバルのファンアールトに負け越しているマチュー・ファンデルプール(オランダ) photo:CorVos

また、最後に無罪判決が下された昨年9月の傷害事件について聞かれると「あの場で何が起きたのか、僕には分かっている。なぜなら僕はあの場にいたのだからね」と、直接的な言及を避けた。

text:Sotaro.Arakawa

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