今年9月のロード世界選手権前日にホテルで騒いでいた少女2人を突き飛ばしたとして有罪判決が下されたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の控訴審が行われ、同選手に対し1年間の条件付き釈放命令(無罪ではあるものの実質的な執行猶予)が言い渡された。



世界選手権に出走したものの、僅か30kmで棄権したマチュー・ファンデルプール(オランダ)世界選手権に出走したものの、僅か30kmで棄権したマチュー・ファンデルプール(オランダ) photo:CorVos
事件が起こったのはロード世界選手権が開催されたオーストラリアのホテル。男子エリートロードレースに出場予定だったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)は、その前日の9月24日に繰り返しホテルのドアをノックした2人の少女を突き飛ばしたのだという。それにより少女2人は怪我を負い、ファンデルプールは駆けつけた警察に連行された。

その後釈放されたファンデルプールは世界選手権に出場したものの途中棄権し、その2日後にサザーランド地方裁判所に出廷。暴行罪で有罪判決を受け、オーストラリアへの3年間の入国禁止処分と罰金1,500オーストラリアドル(約14万円)が下された。

しかしファンデルプールと担当弁護士であるマイケル・ボウ氏はこの判決を不服とし控訴。そしてオーストラリア公共放送局ABCによると、この度シドニー・ダウニングセンター地方裁判所は有罪判決を覆し、1年間の条件付きの釈放が言い渡された。

ファンデルプールに下された1年間の条件付きの釈放(Conditional release order)とは、無罪であるものの指定された期間にいかなる犯罪も犯してはならず、同期間内は裁判所による出廷命令に応じなければならないというもの。

ボウ氏は今回の判決に対し「これ以上は望めない、とても素晴らしい結果となった。性格の良い人間が前科を背負うなんて誰も望まないこと」と喜びを語っており、「私からすれば、そもそも有罪判決が下されるべきではなかった」とコメントしている。

text:Sotaro.Arakawa

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