モビスターは10月19日、プロ通算50勝まであと1勝と迫るフェルナンド・ガビリア(コロンビア)の獲得を発表。「自分とチームにとって新しい挑戦となる」とガビリアは語った。またモビスターはルーベン・ゲレイロ(ポルトガル)の加入も明らかにしている。



今年2月のツアー・オブ・オマーン第6ステージを制したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)今年2月のツアー・オブ・オマーン第6ステージを制したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
「僕自身はもちろん、チームにとっても新しい挑戦になる。モビスターという名門に加入することになったが、ここは山岳にフォーカスしたチーム。そんな彼らがスプリンターである僕を信頼してくれた事実はモチベーションに繋がる」と、フェルナンド・ガビリア(コロンビア)はプレスリリースでそう意気込みを語った。

ガビリアは2015年にエティックス・クイックステップでプロデビューを果たした28歳。直後から勝利を量産し、2017年のジロ・デ・イタリアでは区間4勝に加えマリアチクラミーノ(ポイント賞)を獲得した。しかしUAEチームエミレーツに移籍した2019年以降は成績が低迷。特にここ2年は度重なるコロナ感染の影響もあり、僅か3勝と不調に陥っている。

2018年ツール・ド・フランスでは初日を勝利しマイヨジョーヌを着たフェルナンド・ガビリア(コロンビア、当時クイックステップフロアーズ)2018年ツール・ド・フランスでは初日を勝利しマイヨジョーヌを着たフェルナンド・ガビリア(コロンビア、当時クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji
プロデビュー以来初めてとなるスペイン語圏のチームに、1年契約で移籍することになったガビリア。チームにはスプリンタータイプのイバン・ガルシア(スペイン)やマックス・カンター(ドイツ)がいるものの、フラットレースではガビリアが中心となりそうだ。

「僕はこの歴史と名声あるチームを代表する存在になりたい。2023年の最大の目標はチームに溶け込みベストを尽くすこと。チームメイトに会うのが楽しみだし、より強いチームになる最善の方法を模索し、可能な限り多くのレースで勝利したい」とガビリアは、来シーズンに向けた目標でプレスリリースを締めくくった。

モビスターは同時に、さらなるクライマーを補強

2020年ジロ・デ・イタリアで山岳賞を獲得したルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、当時EFプロサイクリング)2020年ジロ・デ・イタリアで山岳賞を獲得したルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、当時EFプロサイクリング) photo:CorVos
またモビスターはその前日、EFエデュケーション・イージーポストとの契約期間中であったルーベン・ゲレイロ(ポルトガル)の獲得を発表した。トレック・セガフレードやカチューシャ・アルペシンを経て、EF移籍初年度の2020年ジロ・デ・イタリアで山岳賞を獲得したゲレイロ。今シーズンは6月のモンヴァントゥー・チャレンジで勝利し、ラ・フレーシュ・ワロンヌでは7位に入るなど数々のレースで上位入賞を果たすクライマーだ。

ゲレイロは「モビスターは小さい頃から憧れていたチーム。だからジャージを身に纏った自分を見るまで、この事実を信じられないだろう。ここで自分の選手としての質を確かめたい。いままでは自分の最大限を発揮できていなかったので、この数年間が選手として最高の年になるはずだ」と意気込みを語る。

契約期間は2025年までの3年間。目標はジロ、ブエルタ・ア・エスパーニャのいずれかで総合順位を争うことだと話している。

text:Sotaro.Arakawa