イネオス・グレナディアーズは10月12日、今年MTBで3冠を達成し、5日前のグラベル世界選手権で4つ目のアルカンシエルを獲得したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)の加入を発表。チーム初の女子選手としてパリ五輪を目指す。



今年8月のMTB世界選手権で3冠を達成したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)今年8月のMTB世界選手権で3冠を達成したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス) photo:UCI
「イネオス・グレナディアーズに加入することができ、夢が叶った気持ちがする。オフロードチームに加わることができ、また幅広い分野の自転車選手やアスリートのいるイネオスファミリーの一員になれてワクワクしている」とポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)は加入発表の動画で語った。

フェランプレヴォは世界でただ一人ロード、シクロクロス、MTBクロスカントリーの3種目で世界一に輝いた30歳。今年8月にフランス・レジェで開催されたMTB世界選手権ではショートトラック(XCC)とクロスカントリー(XCO)、さらにクロスカントリーマラソン(XCM)と3冠を達成。10月8日に初開催されたグラベル世界選手権では初代王者に輝き、今年4枚目のアルカンシエル獲得という偉業を達成した。

BMCを離れ、イネオス初の女子自転車選手、そしてオフロード部門選手として2年契約を結んだフェランプレヴォ。その理由を「パリで開催される2024年は大きな理由の1つ。母国の観客の前で最も強い姿を見せるということが、この2年間の目標。五輪の金メダルが私の戦歴で唯一欠けているものであり、いま私が最も欲しいもの」と説明する。

グラベル世界選手権で今年4つ目の金メダルを獲得したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)	グラベル世界選手権で今年4つ目の金メダルを獲得したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス) photo:CorVos
イネオスには東京五輪MTBクロスカントリーの金メダリストで、今年1月のシクロクロス世界選手権で優勝したトーマス・ピドコック(イギリス)が所属しており、ロードレースに留まらずオフロードでもプレゼンス向上を図っていく。チーム代表のロッド・エリングワース氏は「ポリーヌというワールドクラスの選手との契約は、グレナディアーズとして幅広い分野で活躍するアスリートを増やしていく上で大きなブースト(後押し)となる」とコメントしている。

フェランプレヴォはこの後の予定について「いまだ調子はとても良く、11月から始まるシクロクロスではナミュール(フランス)で開催されるヨーロッパ選手権勝利を目指す。その後はしばらく休息し、ベストなコンディションで世界選手権に向かう予定」と語った。もしシクロクロスでも世界王座を獲得すれば、自身5枚目の同時アルカンシエルとなる。


text:Sotaro.Arakawa