今年のシクロクロス世界選手権はワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)とマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)の両名が不出場に。ファンアールトは「春のクラシックに及ぼす影響が懸念されるため」と辞退の理由を話している。



ホームレースで勝利し、声援に応えるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)ホームレースで勝利し、声援に応えるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
X2Oバドカマートロフェー第5戦で勝利した直後のインタビューで、シクロクロス世界選手権への不参加を表明したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)。その数時間前にはマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)も辞退を表明していたため、これまで6年間シクロクロス世界チャンピオンを分け合ってきた2人がアルカンシエル争いの舞台から姿を消すことになった。

ファンアールトの不参加理由は、世界選手権出場による春のクラシックシーズンへの影響を避けるため。「これはもともと意図していたものだが、このタイミングで決断に至った。CXシーズンが3週間長引くことでメンタル面が削られ、世界選手権のための練習もしなければいけなくなる。そしてアメリカ開催だけに時差ボケも1週間は尾を引いてしまう。世界選手権を避け、僕の目標としている春のクラシックシーズンに向けた準備期間に時間を充てる」と、ファンアールトはチームリリース、そしてインタビューの中で話している。

昨年の世界選手権:パンクで2位に泣いたワウト・ファンアールト(ベルギー)昨年の世界選手権:パンクで2位に泣いたワウト・ファンアールト(ベルギー) photo:Nobuhiko Tanabe
この判断によって、ファンアールトの今季シクロクロスレースは今週末に開催されるベルギー国内選手権が最後になる。「世界選手権をスキップするのは難しい選択だったが、僕の目標は春のクラシックだ。ただしシクロクロスは僕の原点かつ大好きな競技。それがこの数週間、非常に大きなエネルギーをシクロクロス参戦に注いだ理由だ」と加えている。

ファンアールトが不参加を選んでもなお、ベルギーナショナルチームはトーン・アールツ(バロワーズ・トレック・ライオンズ)やマイケル・ファントーレンハウト、そしてエリ・イゼルビット、ローレンス・スウェーク(共にパウェルスサウゼン・ビンゴール)など分厚い層を誇る。対するオランダナショナルチームは欧州王者のラース・ファンデルハール(バロワーズ・トレック・ライオンズ)やコルネ・ファンケッセル(トルマンス・サーカスCXチーム)を主軸に据えるものと思われる。

また、ファンアールトに次いでX2Oトロフェーで2位に入ったトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は今週末のイギリスナショナル選手権を回避し、チームのトレーニングキャンプに合流してから世界選手権を目指すスケジュールを組んでいる。

text:So Isobe

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