12.5kmの個人タイムトライアルで締めくくられたツール・ド・ポローニュ。今年2月の大腿骨骨折から復帰したシュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング)が最終ステージを制し、チームメイトのマルコ・ブレンナー(ドイツ)が逆転で総合優勝に輝いた。



ステージ8位:イーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

全7日間のツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)に最終日がやってきた。行なわれるのは昨年に引き続き、ポーランド南部ヴィエリチカを舞台とした12.5kmの個人タイムトライアル。スタート直後に約1.5kmの上りを越えた後は、平坦路がフィニッシュまで続くシンプルなレイアウトだ。

まずはイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)がその後の基準タイムとなる14分39秒でフィニッシュ。しかし、それを同じイギリス出身で、今年育成チームから昇格したカラム・ソーンリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が9秒更新。身長190cmの23歳は、昨年イギリスU23TT王者に輝き、シビウ・ツアー(UCI2.1)の個人TTとイル・ロンバルディアのU23レースでも勝利している。勢いに乗る若手がホットシートに座った。

ステージ優勝:シュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング) photo:CorVos

ステージ2位:フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

そのタイムにはマグナス・シェフィールド(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス)も4秒及ばず、いよいよ優勝候補筆頭のシュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング)がスタートを切る。上り区間こそ苦しんだものの、頂上からフィニッシュまで快走を披露。ソーンリーのタイムを4秒更新する14分25秒でフィニッシュし、堂々のトップタイムを叩き出した。

平均時速52km/hに迫るこのタイムには、イバン・ロメオ(スペイン、モビスター)は5秒遅れ、フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は4秒遅れで届かない。また総合上位勢もキュングのタイムには及ばず、大会最終日のステージ優勝者が決まった。

ステージ7位:マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング) photo:Tour de Pologne

復活勝利を喜ぶシュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング) photo:Tour de Pologne

今年2月下旬のオムロープ・ヘット・ニュースブラッドで落車し、左大腿骨を骨折する大怪我を負ったキュング。6月下旬の国内選手権でレース復帰を果たし、そこから1カ月以上を経て迎えた今大会で見事勝利を手にした。「苦しいリハビリ中に、もう一度トップレベルに戻ってこられるか疑ったこともあった。本当にどん底まで落ちて、そこから戻ってきて勝つことができたなんて信じられない」と喜びを語っている。

そして総合首位のクリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ)が区間49位、総合2位のルイ・バレ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)は34位だった一方、総合4位のマルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング)が11秒遅れの区間7位と好走。この結果、最終日で逆転の総合優勝を決めた。

ブレンナーはチームDSM(現ピクニック・ポストNL)で2021年にプロデビューし、今年チューダープロサイクリングで3年目のシーズンを送っている23歳。「総合優勝できてとても嬉しい。この成果を実感するまでには数日かかると思う。これはチームが可能にしてくれた勝利だ」と、2024年にドイツ王者にも輝いたブレンナーは喜びを語った。

逆転の総合優勝を手に入れたマルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング) photo:Tour de Pologne
ツール・ド・ポローニュ2026第7ステージ
1位 シュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング) 14:25
2位 フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:04
3位 カラム・ソーンリー(イギリス、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
4位 イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) +0:05
5位 マグナス・シェフィールド(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス) +0:08
6位 アルトゥール・クルッカース(ルクセンブルク、チューダープロサイクリング) +0:10
7位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング) +0:11
8位 イーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ) +0:13
9位 アルテム・シュミット(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス) +0:14
10位 シュールト・バックス(オランダ、ピナレロQ36.5プロサイクリング) +0:16
個人総合成績
1位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング) 24:33:49
2位 フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:10
3位 イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) +0:16
4位 ルイ・バレ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) +0:19
5位 バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:20
6位 ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) +0:22
7位 クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ) +0:25
8位 マッテオ・ソブレロ(イタリア、リドル・トレック) +0:28
9位 アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ) +0:30
10位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:34
その他の特別賞
ポイント賞 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング)
山岳賞 ワルテル・カルツォーニ(イタリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)
チーム総合成績 ヴィスマ・リースアバイク
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour de Pologne, CorVos