ミノウラから新作のスマートトレーナー「LSF-9300」が登場。前後固定型の全く新しいスタイルと、独自のフローティングシステムによって左右の可動域を確保し、ペダリングに追従して揺れることでより自然な走行感を再現した最新の国産ローラー台だ。



ミノウラ SmartTurbo 神楽 LSF-9300ミノウラ SmartTurbo 神楽 LSF-9300 photo:Yuto.Murata
ズイフトを始めとするバーチャルライドの盛り上がりを受け、昨今大きな注目を集めるようになったスマートトレーナー。国内メーカーのミノウラも昨年満を持してダイレクトドライブ式の「LSD-9200」をリリースしたが、そこからわずか1年半を経て次なる新作「LSF-9300」が発表された。

ミノウラのスマートトレーナーといえば「SmartTurbo 神楽」というシリーズ名で展開されており、タイヤドライブのLST-9200、ダイレクトドライブのLSD-9200、そして今回加わったLSF-9300という3機種がラインアップ。価格帯で見ても今回のLSF-9300はより高機能なフラッグシップという位置づけとなる。

本体とレッグの接続部に搭載されたスプリングがフローティングシステムのキモだ本体とレッグの接続部に搭載されたスプリングがフローティングシステムのキモだ
ペダリングに合わせて本体が左右に沈み込むことで自然な揺れを再現しているペダリングに合わせて本体が左右に沈み込むことで自然な揺れを再現している 後輪を外して直接トレーナー台にセットするダイレクトドライブ式を採用後輪を外して直接トレーナー台にセットするダイレクトドライブ式を採用

発表に先んじてメディア向けの製品お披露目会も開かれ、ミノウラの箕浦副社長や開発を担当した立岩さん、ミノウラアンバサダーでトライアスリートのMIHOさんらが製品解説やデモンストレーションを行った。ミノウラと共同で開発を行ったフカヤの牧さんは「国産ブランドならではのユーザーフレンドリーな仕様や充実のサポート体制は海外ブランド品に負けない部分」と意気込む。

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フカヤ専売品となるLSF-9300は、より実走に近いライドフィーリングを追求して開発された製品だ。既存のLSD-9200とフォーク固定タイプのハイブリッドローラー「FG」シリーズを組み合わせた見た目をしており、前後輪とも外してトレーナー台にセットするというユニークなデザインに仕上がっている。

前後輪とも外してセットする新しい形のスマートローラーだ前後輪とも外してセットする新しい形のスマートローラーだ
今作はトレーナー台本体が左右に振れるフローティングシステムが最大の特徴。本体を支えるレッグとの接続部分にスプリングが2個搭載されており、左右に最大5.6度傾く可動域を確保。ペダリングに合わせてスプリングが沈み込むことで自然な揺れが生まれ、実走感のあるライドフィールを実現している。

左右への動きがなく完全に固定されてしまうといかにもローラーを回している感覚が強くなってしまうが、これならより没入感の高いバーチャルライドが楽しめるはず。加えて、従来のトレーナーではペダリングによってフレームへねじれるようなストレスがかかっていたが、左右への逃しがあることでバイク破損のリスクも大きく軽減されているという。

中央のスライダーはバイクのホイールベースに合わせて無段階で調節可能中央のスライダーはバイクのホイールベースに合わせて無段階で調節可能 シマノフリーが標準装備されるが、オプションでスラムXDRフリーも用意されるシマノフリーが標準装備されるが、オプションでスラムXDRフリーも用意される

発表会にてデモンストレーションを行ったトライアスリートのMIHOさん発表会にてデモンストレーションを行ったトライアスリートのMIHOさん
左右への揺れを考慮し、フロント部分はハイブリッドローラーと同じ三脚タイプとすることで安定性を確保。バイクのホイールベースに合わせてセンターレールをスライドさせることで、無段階に長さを調整することができる。フロントフォーク固定部分に内蔵されたエラストマーも、フローティングシステムの一部として自然なライドフィールに一役買っている。

また、バイクが浮いた状態となるフローティングシステムは振動や騒音の軽減にも寄与しており、日本の住宅環境にもバッチリ対応した静粛性も兼ね備える。接地面にもエラストマー素材を配置しているため、近隣に伝わるようなノイズもカットしてくれるだろう。重量は25.6kgとやや重く、持ち運んだり一回一回セットするような使い方ではなく、据え置き機としてトレーニングを楽しむよう想定されているが、収納時にはコンパクトに折り畳むことも可能だ。

ディスクブレーキ&スルーアクスルにも対応し様々なタイプの自転車でトレーニングを楽しめるディスクブレーキ&スルーアクスルにも対応し様々なタイプの自転車でトレーニングを楽しめる
本体後方には持ち運ぶ際のハンドルも装備されている本体後方には持ち運ぶ際のハンドルも装備されている 接地面が広く安定感のあるレッグ。エラストマーによって床に伝わる振動や騒音をカットしている接地面が広く安定感のあるレッグ。エラストマーによって床に伝わる振動や騒音をカットしている

フロントはホイールをはめるようにフォーク台座にセットするフロントはホイールをはめるようにフォーク台座にセットする
肝心のスマートトレーナーとしてのスペックはLSD-9200と同等の性能が与えられており、各種無線通信に対応していることはもちろん、バーチャルライド内でのコース斜度に合わせて負荷が変わる自動負荷調整機能も備わる。最大2200ワットの抵抗、最大25%の斜度再現などハードなトレーニングにも十分に対応するスペックだ。

バーチャルライドにおける慣性も緻密にシミュレーションされているほか、10kgにもなるフライホイールが自然な走行感を再現。9mmクイックレリーズ、12/15mmスルーアクスルに対応しているため、ロードバイクやシクロクロス、MTB、TTバイクなど様々な種類の自転車で使用することが可能だ(フロント用のBOOSTアダプターは別売り)。

収納時はコンパクトに折り畳むことも可能。重さはあるためレース会場などに持ち運ぶことは想定していない収納時はコンパクトに折り畳むことも可能。重さはあるためレース会場などに持ち運ぶことは想定していない
標準のフリーボディはシマノ対応品、オプションでスラムXDRフリーも用意される。なおスプロケットは付属しない。より質の高いライドクオリティーを実現した最新のLSF-9300は155,000円(税抜)にて販売される。製品入荷は10月上旬予定だ。



ミノウラ SmartTurbo 神楽 LSF-9300
重量:25.6kg
サイズ:展開時 全長1450~1760mm、幅710mm、高さ480mm
    収納時 全長620mm、幅610mm、高さ625mm
対応エンド幅:フロント 9mmQR、12×100mm
       リア 130/135クイックレリーズ、12×142/148mm
通信規格:Dual ANT+ / Bluetooth Smart / FTMS support
計測出力データ:スピード、パワー
最大出力:2200ワット
再現斜度:25%
パワー計測度:+/-3%の誤差
対応デバイス:iOS / Android / Mac / PC
価格:155,000円(税抜)


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