「え?ユキヤがゲストに来るって、新城さんとこの?それじゃぁオレも見に行ってみようかなぁ~」 石垣空港を降り、ホテルへと向かうタクシーのおじーが言った。島のスーパースター、ユキヤも走った石垣島アースライド2012の模様をレポート。

10/26(土)大会前日

アースライド恒例!前日夜はウェルカムパーティーでみんな仲良く乾杯!アースライド恒例!前日夜はウェルカムパーティーでみんな仲良く乾杯! 飛行機のドアを出て石垣空港に降り立つと、強い日差しと熱気、そして少しベタッとした潮風が一気に押し寄せてきて、思わず頭がクラッとなった。10月末とはいえこの頃は東京も暖かい陽気が続き、気温差もあまり感じないかと思っていたのだが、そんなことは無かった。

中山石垣市長もアースライドジャージ姿で登場!中山石垣市長もアースライドジャージ姿で登場! いかにも南国っぽい暖かい(というか暑い!)風を浴びると、「南国に来た!」と一気に旅気分が高まってくる。ボーディングブリッジが無い現在の石垣空港は、駐機場からターミナルまではバスで移動する。だから飛行機を出た途端にそんな気分を味わえるのだけれど、来年の3月に開港予定の新空港はブリッジが設けられるそう。ちょっぴり寂しい気がしなくも無い。

自分の自転車を受け取って空港からホテルまではタクシーで。贅沢に!と怒られそうな感じだけれど、石垣のタクシーは初乗りが430円と安い。さとうきび畑を横目に見つつ、裸足で運転するおじーと一緒にゲスト参加する新城選手の話で盛り上がった。

さてレポーターを務める私は、昨年に引き続いて2年連続2回目の石垣島アースライド参加。昨年大会は前夜から続いた台風のような強風が吹きつけ、大雨こそ降らなかったものの苦労した覚えがある大会だ。せっかくの南国なんだから、今年こそ青い海を写真に収めようと思っていた。

仲田かおりさんの素晴らしい歌声にうっとり仲田かおりさんの素晴らしい歌声にうっとり 請福酒造のアースライドスペシャルラベル請福酒造のアースライドスペシャルラベル


市長も入れて皆でチーズ!楽しい雰囲気が伝わってくる市長も入れて皆でチーズ!楽しい雰囲気が伝わってくる 最後はみんな一緒にカチャーシー!楽しい宴もこれにてお開き最後はみんな一緒にカチャーシー!楽しい宴もこれにてお開き


18時からはアースライド恒例のウェルカムパーティーが開催。その前には大会ナビゲーターの白戸太朗さんによるロングライド講習会が開かれたそう。飛行機の時間的にカバーできなかったが、きっとタメに話が聞けたことだろう。

コンビニで見つけたおもしろアイテムを買い込んで補給食に。左の紫芋ケーキはオススメ。ライド中のさんぴん茶はイガイガしてNGコンビニで見つけたおもしろアイテムを買い込んで補給食に。左の紫芋ケーキはオススメ。ライド中のさんぴん茶はイガイガしてNG 乾杯の前から既にお酒が入ったパーティーにはアースライドジャージ姿の中山石垣市長も駆けつけ、SUNTOやSEV製品、請福酒造の泡盛など豪華賞品があたる抽選会や地元歌手の仲田かおりさんの素晴らしい歌で大盛り上がり。

かれこれ私は4回目のアースライド取材だが、なんだかこう、アットホームで本当に楽しめるアースライドならではの雰囲気が心地良い。常連リピーターが多いのもうなずける。私自身も、大会を通して仲良くなった人たちとの再会がいつも楽しみだ。

美味しい料理にお酒に歌に...。楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、パーティーもお開きとなった。





10/27(日)大会当日

大会当日の天気は、曇り時どき雨からの晴れ予報。何とか晴れているタイミングで海を撮れるように願いながら、まだ薄暗い大会会場へ。台湾や香港、韓国からも合わせて30名ほどエントリーがあり、会場で飛び交う言葉も国際色豊かで今までとはちょっと違う雰囲気。アースライドの魅力は国内のみならず、海外にも届いていたようだ。

島のスーパースター・ユキヤが登場。地元の人もたくさん駆けつけ、注目度の高さが伺えた島のスーパースター・ユキヤが登場。地元の人もたくさん駆けつけ、注目度の高さが伺えた ナビゲーターを務める白戸太朗さんによる挨拶で大会がスタートナビゲーターを務める白戸太朗さんによる挨拶で大会がスタート


第1回アースライドが始まったのがこの石垣島。さらに今年は開催5回目を数える節目の大会だ。オープニングセレモニーではスペシャルゲストの新城幸也選手や中山市長の挨拶に続き、白戸さんの掛け声で大会がスタートした。ちなみにもう一人の大会ゲスト、安田大サーカス団長は前日までのライブでスタートに間に合わず、この時点でまだ飛行機の中という...。

白戸さんと新城選手を先頭に、石垣島アースライド2012がスタート白戸さんと新城選手を先頭に、石垣島アースライド2012がスタート

オレンジ色の朝日を背中に受けつつ、ヤシの木とさとうきび畑が続く南国らしい光景の中をゆっくりと走り始める。スタート地点には新城選手をひと目見ようと多くの地元の方々が駆けつけ、地元のスーパースターであることを感じさせる。

コースは島の西側を北上し、川平湾を経由しながら最北端の平久保崎を目指す。平久保崎まで往復すれば最長距離の120kmコースだが、折り返しのコースとなっているため気分次第でどこで折り返してもOK。そんなユルさもアースライドの参加しやすいところ。

美しい水面の名蔵湾をバックに平坦路を走っていく美しい水面の名蔵湾をバックに平坦路を走っていく 中山石垣市長も走る!中山石垣市長も走る!


ご当地ゆるキャラの「ゴーヤ君」がお見送り。手作り感満点だ!ご当地ゆるキャラの「ゴーヤ君」がお見送り。手作り感満点だ! 新城選手はサインに記念撮影に引っ張りだこ。大会中ずっとファンサービスに徹してくれた新城選手はサインに記念撮影に引っ張りだこ。大会中ずっとファンサービスに徹してくれた


新城選手と白戸さんが引っ張る先頭グループは、快調なペースを維持しつつ、グループ内ででおしゃべりをたのしみながら名蔵湾沿いの平坦路を駆け抜けていく。ファンサービスの良さで人気の新城選手の笑顔が皆の心を明るくしてくれた。

心地良い潮風を受けつつ進んでいくと、前方に緑色の物体を発見。昨年も見た覚えのある「ゴーヤ君」の登場である。やたら手の込んだコスプレだと思っていたら、「ゆるキャラグランプリ2012」にもエントリー中のれっきとしたご当地キャラなんだそう...。

川平湾を横目に駆け抜けていく川平湾を横目に駆け抜けていく

そんなこんなありつつ、エイドステーションを経由しながら国の名勝にも指定されている川平湾へ。珊瑚礁の美しい川平湾は今年の大会から初めてコースに組み込まれた部分だ。薄曇りで思うような景色とはならなかったけれど、ずっと広がるエメラルドグリーンの海はいかにもリゾートライドといった雰囲気満点!

細やかなアップダウンを越えた先、米原ビーチエイドでは手作りのじゅーしー(沖縄の炊き込みご飯)やさーたーあんだぎーのおもてなしが用意されていて、その美味しさはついつい食べ過ぎてしまうほど。20km進んだ船越漁港でも名物の牛汁や油味噌のおにぎりが振舞われたり...。アースライドでは本当に全てのエイドステーションが楽しみだ。

エイドステーションに準備されていたサーターアンダギー。揚げたてでとても美味しかったエイドステーションに準備されていたサーターアンダギー。揚げたてでとても美味しかった 滋味深い味わいの名物料理、牛汁。塩っぱさが身体に嬉しい滋味深い味わいの名物料理、牛汁。塩っぱさが身体に嬉しい


新城選手、白戸さん、たまたま石垣島に居合わせた中島選手とパチリ新城選手、白戸さん、たまたま石垣島に居合わせた中島選手とパチリ 豪華メンバーで平久保崎を目指して走っていく豪華メンバーで平久保崎を目指して走っていく


お腹いっぱいで重くなった腰をよっこらしょと上げて、再び新城選手、白戸さん、そしてたまたま石垣島にステイしていた愛三工業レーシングチームの中島康晴選手と共に最北端の平久保崎を目指し走り出す。

石垣島沿岸部をいく道は、長い上りこそ無いものの短いアップダウンの連続だ。実は石垣島アースライドのコースは距離120kmで2000mオーバーの獲得標高を稼ぎ出すほどで結構"脚に来る"。でも120kmにわたって信号は一つも無いうえ、急勾配も無いので初心者さんだって頑張ればきっと完走できる。もちろんトレーニングとして走っても申し分無いコースで、レーサーでも十分満足できるはず。ただ単にユルくない奥深さが石垣島アースライドには存在する。

島の最北端、平久保崎に到着。周りをほぼ1周海に囲まれた素晴らしいロケーションだ島の最北端、平久保崎に到着。周りをほぼ1周海に囲まれた素晴らしいロケーションだ

黒牛が放牧されていたり、石垣島本来のダイナミックな景観の中をハイペースで飛ばし、やがて東シナ海に突き出す島の最北端・平久保崎に到着。突端の展望台からはほぼ360°爽快な眺めが広がっていて感動を覚えるほど。

プロだからこそ成せる技!石垣は車が走っていなくて自転車天国だプロだからこそ成せる技!石垣は車が走っていなくて自転車天国だ さて、記念撮影を済ませたらUターンしもと来た道を戻っていく。ついさっき走っていた道なのに、方向が違えば全く別の風景が見えてくるから不思議だ。石垣島を含めた八重山諸島は、人や自然も沖縄本島とは少し違う、より外国っぽい雰囲気があると思う。

ハイペースを刻むユキヤトレインは、追い風を受けながら高速でアップダウンをこなしていく。だんだんと速度が上がっていったため途中であえなく離脱してしまったが、私はじめそのグループに同行した方は間近で見るトッププロの走りに感心しきり。走りながらアドバイスを受けることもできたり、新城選手の地元紹介を聞いたりとスペシャル感たっぷりだ。この頃には天気もすっかりと回復して、南国らしい太陽が目に眩しい。

ユキヤのおばあちゃんちエイドに準備されていた垂れ幕と記念撮影ユキヤのおばあちゃんちエイドに準備されていた垂れ幕と記念撮影 即席サイン会には大行列ができた。隣は新城選手のお母さん即席サイン会には大行列ができた。隣は新城選手のお母さん


なんともユルい雰囲気が魅力。これぞアースライドですなんともユルい雰囲気が魅力。これぞアースライドです 笑顔が素敵な新城選手のお母さんとおばあさん笑顔が素敵な新城選手のお母さんとおばあさん


2回目の米原ビーチでふたたび美味しいさーたーあんだぎーの補給を受けて、ここからは新城選手のおばあちゃんの家に設けられたエイドステーションへ。こちらは今まで新城家の親戚一同が集まって補給を出してくれていた非公式エイドだったのだが、今年からは正式エイドステーションとして取り入れられた。手作りのシークヮーサージュースやさーたーあんだぎーなどが振舞われるが、なんといっても皆の心を癒してくれるのは、新城家皆の笑顔と明るい雰囲気。新城選手の即席サイン会も開かれるなど、今年も大盛況を博していた。

楽しい雰囲気にすっかりと大休止をしていると、ここで「鬼の追走をしてきた」という安田大サーカス団長もやっとのことで合流。皆の見送りを受けて走り始める。

「このね、油みそはドラゴンフルーツと一緒に食べると美味しいんやで。これが島の食べ方で...」「このね、油みそはドラゴンフルーツと一緒に食べると美味しいんやで。これが島の食べ方で...」 「やっぱ美味しないわ...」 「...」「やっぱ美味しないわ...」 「...」


アップダウン区間をクリアして、最後の「名蔵アンパル」エイドへと到着。その場で切ってくれるパパイヤやパイナップルの甘酸っぱさが身体に嬉しくて、ついつい手が進んでしまう。「ドラゴンフルーツとかパパイヤにはシークヮーサーを絞ると美味しいんですよ」と地元ならではの食べ方を紹介してくれるたのは新城選手。

ここからゴールまではおよそ10kmを残すのみ...と思っていたのだが、新城選手と白戸さん、そして団長によるアタック合戦が勃発して集団のペースが活性化。時速45km/hほどの高速ペースで平坦路を飛ばし、名残惜しむ暇もなくあっと言う間にゴールへ。最後は一般参加の方も加わりつつ、新城選手がスプリントで抜け出して終了に。

120kmを走りきって迎えたゴール!「最後はペースが速くて大変でした」と団長120kmを走りきって迎えたゴール!「最後はペースが速くて大変でした」と団長 最後のレースごっこは本当に疲れました...。最後のレースごっこは本当に疲れました...。

沖縄ソングを聴きながらゴールでのんびり。アースライドは本当に素晴らしい魅力がある沖縄ソングを聴きながらゴールでのんびり。アースライドは本当に素晴らしい魅力がある

一人ひとりが「お帰りなさい」の言葉をもらいながらゴールゲートをくぐり、石垣島アースライド2012も全ての行程が終了。初めて合った人とでも、ゴール後には仲良くなってしまう、そんな人の繋がりを感じられるアースライドらしい素敵な充実感。そんな雰囲気に包まれながら芝生の上で食べる沖縄そばは最高の味だった。下のムービーを見て頂ければ、きっとそんな雰囲気が伝わってくるでしょう。


レポートは翌日に行われたオプショナルライド、「西表島アースライド」に続きます。

フォトギャラリー(Google Picasaウェブアルバム)


text&photo:So.Isobe