130年以上の歴史を誇り、サイクリングやサッカーなど数多く競技でアスリートの信頼を集めるフランスのスポーツアパレルブランドLe Coq Sportif(ルコックスポルティフ)。7月の初旬に行われた2014シーズンの春夏モデルの発表会が開催された。

入り口に設けられたツール・ド・フランス第100回大会を記念したディスプレイ入り口に設けられたツール・ド・フランス第100回大会を記念したディスプレイ
発表会が行われた場所はルコックスポルティフの製品開発・販売を行う大手スポーツメーカーであるデサントの東京オフィスが居を構えるJR山手線の目白駅の近く。過去には目白駅のホームにツール・ド・フランスの大きな風景写真が大きく展示されていたことをご存じの方も居るだろう。

今回は発表会はサイクリングウェアに限らず、フットボールウェアやトレーニングウェアの新作発表も同時に開催。そんな中、会場の入り口ではツール・ド・フランス第100回大会を記念したディスプレイが来場者を待ち構えていた。そして、入口から最も近い場所のサイクリングウェアのブースあり、ルコックスポルティフのサイクリングに対する本気度や情熱が垣間見えた。

ツール第100回大会を記念した特別なマイヨジョーヌとブラックジャージツール第100回大会を記念した特別なマイヨジョーヌとブラックジャージ ルコックスポルティフが提供するツール4賞ジャージルコックスポルティフが提供するツール4賞ジャージ

ツールや4賞ジャージをモチーフとしたTシャツたちツールや4賞ジャージをモチーフとしたTシャツたち 会場直後から多くの来場者で賑わう会場直後から多くの来場者で賑わう


開場時間とほぼ同時に会場に入ったものの、場内はすでに多くの関係者がおり、サイクリングウェアのブースもすでに賑わいを見せていた。新作モデルのコンセプトや最新技術の説明に耳を傾けたり、実際に生地を触ったり試着するなど、多くの来場者の方がルコックの2014年モデルに注目している様であった。

サイクリングウェアのブースは入口に近い最も目立つ場所にサイクリングウェアのブースは入口に近い最も目立つ場所に
レーサージャージやレーサーパンツなどの本格的なシーンから、街乗りなどのカジュアルなシーンまで幅広いライディングスタイルに対応するルコックスポルティフのサイクリングウェア。いずれのウエアもツール・ド・フランスで培った技術やノウハウが多く盛り込まれている。


レースや本格的なトレーニングに対応するパフォーマンスライン

パフォーマンスラインはルコックスポルティフが2014年にリリースするサイクリングウェアのハイエンドモデル。同社が持つ研究所でサイクリングの運動特性を徹底的に研究・解析した上で開発が行われている。気温が30度を超える様な真夏の過酷な天候のもとで行われる厳しいレースや本格的なトレーニングに対応するアイテムの目的はいずれもライダーを快適にサポートすることだ。

サイクリング他のスポーツと異なる点としてルコックが注目したのは、走行中にライダーにあたる風の量だ。2014年モデルのジャージでは風を積極的に取り込むことで得られる気化熱冷却を利用しクーリング効果を生み出し、検証結果では最大で3℃涼しく感じる事が出来るそうだ。また、縫い目をなくすことにより快適な着心地を実現するシームレス製法や、生地を切りっ放しにしながらも解れなどの可能性を最小限に留めたジャージの袖口部分など、惜しみなく最新技術を投入している。

ルコックのノウハウや最新技術が盛り込まれたパフォーマンスラインルコックのノウハウや最新技術が盛り込まれたパフォーマンスライン シームレス(無縫製)製法を採用し着心地高めたシームレス(無縫製)製法を採用し着心地高めた


最大で3℃涼しく感じられるメッシュ生地を採用最大で3℃涼しく感じられるメッシュ生地を採用 ルコックスポルティフの開発担当者である井上大平さんルコックスポルティフの開発担当者である井上大平さん


これらはいずれもツール・ド・フランスにおけるマイヨジョーヌをはじめとした4賞ジャージのサプライヤーとしての経験やノウハウがつぎ込まれたものであろう。また、2014年モデルでは他のスポーツカテゴリーと統一感を演出するためにチェッカー柄を多く取り入れており、レーシーな雰囲気に仕上がっている。パフォーマンスラインではいずれのアイテムもばたつきが少ないタイトフィットを採用している。


レースからロングライドまで 幅広くライディングスタイルに対応するベーシックライン

ベーシックラインは上位グレードのパフォーマンスラインに採用される、冷却を促すメッシュ生地など取り入れながら、トレーニングや長距離・長時間のサイクリングなど幅広いライディングスタイルにマッチするアイテムをラインナップする。ジャージは豊富にカラーを揃えていることが特徴で、トリコロールやチェッカー柄を取り入れながらもポップなカラーを採用し、レーシーな雰囲気とデザイン性を両立している。

レーシーな雰囲気とデザイン性を両立したベーシックラインレーシーな雰囲気とデザイン性を両立したベーシックライン 伝統のデザインを守り続けるキャップなどの小物類が充実伝統のデザインを守り続けるキャップなどの小物類が充実


カラーバリエーションも豊富カラーバリエーションも豊富 レディースウェアもしっかりとラインナップレディースウェアもしっかりとラインナップ


国内のショップの意見を取り入れながら製品の開発を行っていることがベーシックラインの特徴だ。エントリーライダーに人気の高いパンツにはシンプルなグラフィックに、黒とネイビーと言ったカラーを組み合わせた汎用性の高いアイテムを中心にラインナップ。形状もビブタイプのものから、膝下丈のニッカータイプ、パンツタイプのものまで豊富に用意される。また、ウィンドウブレーカーなどのアイテムも引き続きラインナップされ、特殊な素材を用いた赤白青のトリコロールカラーのリフレクターを背中に配した一着など、随所にこだわりやルーツがフランスにあることをうち出されている。


サイクリングから普段使いにも 自転車を身近に感じられるカジュアルライン

カジュアルラインはサイクリングやポタリングで街中でも違和感なく使用できるシンプルなアイテムをラインナップ。どこかクラシックなジャージを思わせるルックスにTシャツの延長上で着用できるゆったりとした着心地ジャージを5種類用意。いずれもシンプルなグラフィックながらサイクリングにゆかりのある国をイメージさせるようなストライプやバックポケットなど、自転車好きの雰囲気が漂うアイテムになっている。

ゆったりとした着心地のカジュアルラインゆったりとした着心地のカジュアルライン カジュアルラインやライフスタイルウェアのブースカジュアルラインやライフスタイルウェアのブース


チュニックスタイルのウェアなど女性用カジュアルラインも充実チュニックスタイルのウェアなど女性用カジュアルラインも充実 様々なウェアやバイクに合わせやすいシンプルなグラフィック様々なウェアやバイクに合わせやすいシンプルなグラフィック


ビブショーツやレーサーパンツに違和感のあるサイクリスト人気の5分丈や7分丈のメッセンジャースタイルのパンツは今年も継続されシンプルな紺やカーキの他にもさわやかな水玉模様などもラインナップ。いずれもゆったりとした着心地のルーズフィットを採用。ジャージとパンツ共に普段着としても使用可能なデザインに仕上がっており、自転車を常に身近に感じたいサイクリストにおススメだ。


ルコックの壮大な歴史を感じるライフスタイルウェア

ライフスタイルラウェアには、ツール・ド・フランスやイタリアのビンテージロードバイクイベントをモチーフとしたグラフィックに彩られたアイテムが新たに登場。ポロシャツやTシャツからバックパックスニーカーまで自転車を身近に感じられるラインナップが揃う。

ツールやエロイカをモチーフとしたライフスタイルウェアツールやエロイカをモチーフとしたライフスタイルウェア
これらのアイテムはアートディレクター兼デザイナーの足立豊樹氏のヘリテイジ×モダンアートを取り入れたテキスタイルグラフィックブランド「nowartt」とのコラボレーションによるもの。普段使いからチョットしたサイクリングまで幅広く使用できるデザインに仕上がっている。

「本格的なサイクリングウェアのようにバックポケットが必ず付いてなきゃいけないという訳ではなく、普段から着ている洋服に自転車のアクセントとして効かせた仕上がりになっています。もちろん自転車に乗りやすい様に工夫している部分もあり、少し細身のシルエットを採用したアイテムもあります。」と語ってくれたのはデザイナーの伊藤良太さん。

サイクリングをいつも身近に感じられるデザインがコンセプトサイクリングをいつも身近に感じられるデザインがコンセプト ルコックのマスコットである鶏も来場?ルコックのマスコットである鶏も来場?


サイクリングウェアとして使用できそうなアイテムも多く展示サイクリングウェアとして使用できそうなアイテムも多く展示 ルコックスポルティフのチーフデザイナー、伊藤良太さんルコックスポルティフのチーフデザイナー、伊藤良太さん


また、スプロケットなどの歯車や道路標識モチーフとしたパーカーやシャツ、1970年代のツールで使用されたジャージをモチーフとして胸元にストライプやチェッカー柄を用いたクラシックな仕上がりのTシャツなど、シンプルながらほのかに自転車の香りが香りがするアイテムも多くラインナップされていた。

基本的にはベーシックで汎用性の高いデザインだが、各所に配されたフレンチブランドであることを示すトリコロールやサイクリングへの情熱を表したグラフィック、最新技術の投入など、2014年のルコックはビギナーから上級者まであらゆるサイクリストにフィットするアイテムを揃えている。スポーツファッションウェアの大御所、ルコックの自転車に対する本気度合からは目が離せない。


text&photo:Yuya.Yamamoto


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