ロイサーがフォレリングとの直接対決を制し、スイス女子初日を飾る

6月12日に初日を迎えたツール・ド・スイス・ウィメンは、総合優勝経験のある2名による一騎打ちスプリントで決着。マーレン・ロイサー（スイス、モビスター）がフォレリングを退け、母国レースで白星発進した。

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男子のツール・ド・スイス開幕を3日後に控えた6月12日、一足早くツール・ド・スイス・ウィメンが開幕した。今年で6回目を迎える本大会は、ワールドツアー19戦目という4日間のステージレース。本格的な山岳ステージや山頂フィニッシュはないものの、毎年豪華メンバーが集結し白熱バトルを繰り広げる。

今年は終盤に平均勾配9％の山岳が設定された最終日を除き、丘陵ステージが大半を占める。ロレーナ・ウィーベス（オランダ、SDワークス・プロタイム）をはじめとした強豪スプリンターは先日閉幕したツアー・オブ・ブリテン・ウィメンを選んだため、元世界王者であるエリーザ・バルサモ（イタリア、リドル・トレック）に注目が集まった。また総合争いでは連覇狙うデミ・フォレリング（オランダ、FDJスエズ）と、2年前の覇者マーレン・ロイサー（スイス、モビスター）による、元チームメイト同士の戦いが期待された。

初日はコース前半に2つの山岳（2級、1級）が設定された丘陵ステージだ。それ以降は平坦路がフィニッシュなものの、1級山岳は登坂距離8kmに平均勾配8.4%と過酷。レースがスタートすると最初の2級山岳から集団のペースについていけない選手が現れ、続く1級山岳ではモビスターがテンポを作った。

そのため集団の人数が早くも絞られ、頂上を通過する頃に、先頭はフォレリングやロイサー、カタジナ・ニエウィアドマ（ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト）など総合優勝候補の6名になる。下りに入るとフィニッシュまで64kmを残した地点から早くもロイサーが仕掛け、そこにフォレリングが反応。2名がレース先頭でローテーションを回した。

スイスの腕時計メーカーであるティソがスポンサーし、スプリントポイントではなくボーナスタイムのみが与えられる「ティソ・スプリント」では、争うことなくフォレリングが先頭通過。ボーナスタイム3秒を獲得すると、続く2つ目はロイサーが先頭通過してイーブンに戻す。その後、過去にタイムトライアルのヨーロッパ選手権を3連覇しているロイサーと、TTも得意なフォレリングは後続に2分以上の差をつけ、残り1km地点を通過した。

そして最終ストレートに入ると、先にフォレリングがスプリントを開始。しかし勝ったのは、この動きを冷静に見て、フィニッシュ手前で追い抜いたロイサーだった。

昨年までSDワークス・プロタイムでチームメイトだったフォレリングをマッチスプリントで下したロイサー。今年5月に行われたブエルタ・ア・ブルゴス・フェミナスでは区間2勝を挙げ、総合優勝。その勢いを母国最大のステージレースに繋げた。

追走集団の先頭はニエウィアドマが取り、区間3位に入る。しかし1分42秒遅れだったため、総合優勝は大会初日にして、ロイサーとフォレリングに絞られた形となった。