南米アルゼンチンでツール・ド・サンルイスが開幕。第1ステージはスプリントに持ち込まれ、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が新チームでのデビューウィンを飾った。増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)はトップと同タイムの145位。

平坦路を逃げ続ける先頭グループ平坦路を逃げ続ける先頭グループ (c)Tour de Sun luis1月21日(月)から1月27日(日)まで、南米アルゼンチンで一週間に渡るステージレース、ツール・ド・サンルイス(UCI2.1)が開幕した。ツアー・ダウンアンダーと開催時期を重ね、本格シーズンイン前の調整レースとしての位置づけを高める大会だ。

丘陵地帯を駆け抜ける大集団丘陵地帯を駆け抜ける大集団 (c)Tour de Sun luisカテゴリーはUCI2.1だが、今年はプロツアーが11チーム、プロコンチネンタルチームが8チーム出場するなど、出場選手はトップレースに全く見劣りしないほど。

集団牽引役を務める増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)集団牽引役を務める増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング) (c)Tour de Sun luisアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)やヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)らは2年連続の出場。またホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)やマーク・カヴェンディッシュ、フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)など多くの強豪選手がシーズンインを行い、増田成幸もキャノンデール・プロサイクリングのメンバーとして出場を果たした。

集団前方で展開するマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)集団前方で展開するマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ) (c)Tour de Sun luisオープニングとなる第1ステージは、サンルイスからヴィラ・メルセデスへと至る164kmだ。55km地点には3級山岳が1箇所設定された後はゴールまで緩やかに下るコースプロフィールで、難易度は低め。ゴール地点では大集団スプリントになるものと予想された。

ロングスプリントを決めたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)ロングスプリントを決めたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ) (c)CorVos序盤逃げを成功させたのは、地元アルゼンチン選手を中心とした7名。大集団に対して最大で8分ほどの差を付けたものの、スプリンターチームのコントロールによってタイム差は徐々に縮小していく。その中でフラヴィオ・デルーナ(メキシコ、ASC・デュクラプラハ)が今大会最初の山岳賞を決定させた。

残り7km地点で全ての逃げを飲み込んだ集団は、アレッサンドロ・ペタッキでの勝利を狙うランプレ・メリダや、カヴェンディッシュをエースに据えるオメガファーマ・クイックステップ勢が中心となってペースを徐々に早めていくと、そのまま各チームが入り乱れる形で最後のストレートへと突入した。

集団後方で落車が発生するなど、混沌とする集団内で、最後までアシストを残すことに成功したのはランプレ・メリダ。しかしペタッキを発射するタイミングの隙をつき、早いタイミングで加速したカヴェンディッシュが一気に先頭に立つ。

ひときわ低い姿勢で加速していくカヴェンディッシュは、ペタッキやサーシャ・モードロ(バルディーニ・CSFイノックス)の追随を最後まで許すこと無く、およそ1車身ほどの差を付けて圧勝。"マン島超特急"がオメガファーマ・クイックステップでの鮮烈なデビューウィンを飾った。

「今日チームは僕のために素晴らしい働きをしてくれた。終始集団前方でコントロールし、チーム力は一番高かったんだ。僕のために100%の力を尽くしてくれるチームがあることがとても嬉しい。彼らのことを誇りに思っているよ」と喜びを語るカヴェンディッシュ。

また、増田成幸はキャノンデール・プロサイクリングとしてのデビュー戦をトップと同タイムの145位でフィニッシュ。チームメイトのペーター・サガン(スロバキア)がスプリントに絡み、5位に入っている。


カヴェンディッシュのコメントはオメガファーマ・クイックステップ公式サイトより。




ツール・ド・サンルイス2013第1ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)3h48′04″
2位 サーシャ・モードロ(バルディーニ・CSFイノックス)
3位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ペーター・サガン(キャノンデール・プロサイクリング)
6位 ラファエル・アンドリアート(ブラジル、ヴィーニファンティーニ・セレイタリア)
7位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
8位 トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)
9位 ケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)
10位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)
145位 増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)

個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)3h48′04″
2位 サーシャ・モドロ(バルディーニ・ヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
3位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ペーター・サガン(キャノンデール・プロサイクリング)
6位 ラファアエル・アンドリアート(ブラジル、ヴィーニファンティーニ・セレイタリア)
7位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
8位 トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)
9位 ケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)
10位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)
145位 増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)

山岳賞
フラヴィオ・デルーナ(メキシコ、ASC・デュクラプラハ)

スプリント賞
ワルター・ペレス(アルゼンチン、ブエノスアイレス・プロヴァンシア)

新人賞
ルーカス・ガダイ(アルゼンチン、ブエノスアイレス・プロヴァンシア)

チーム総合成績
キャノンデール・プロサイクリング


text:So.Isobe
photo:Cor.Vos