第18回シクロクロス全日本選手権を制したチャンピオンたちのバイクをクローズアップで紹介する。エリート男子優勝の竹之内悠(チームユーラシア)、エリート女子の宮内佐季子(CLUBviento)、U23の沢田時(ブリヂストンアンカー)の3人・3台だ。

トーヨー TY CYCLO CROSS limited
竹之内悠(チームユーラシア)


竹之内悠(チームユーラシア)が駆るトーヨー TY CYCLO CROSS limited竹之内悠(チームユーラシア)が駆るトーヨー TY CYCLO CROSS limited (c)Makoto.AYANO

竹之内悠(チームユーラシア)が駆るのは、今年も「トーヨーフレーム」のクロモリバイク TY CYCLO CROSS limited だ。昨年に引き続き、このバイクも全日本連覇を成し遂げた。

大阪が誇る世界の東洋フレームが誇るフレームブランド「TOYO」。Cro-Moスチールを用い、Tig溶接されたフレームは、KAISEIのTOYOオリジナルクロモリパイプを使用し、ダウンチューブにはデッドストックのコロンバスのウルトラFOCOのハーフメガ形状のチューブを使用する。
ステムやピラーにもTOYO FRAMEの刻印が入るオリジナル品を使用している。

「東洋」のヘッドバッヂがオリエンタルな雰囲気を醸し出す「東洋」のヘッドバッヂがオリエンタルな雰囲気を醸し出す (c)Makoto.AYANO東洋フレームの石垣鉄也氏のサインが入る東洋フレームの石垣鉄也氏のサインが入る (c)Makoto.AYANO


そして今季竹之内のバイクに新投入されるのがGOKISOのカーボンディープホイール。50ミリのリムハイトをもつそのホイールはUCI登録済み。超高精度の精密ハブを用いたそのホイールは、竹之内をして「レース中にハブの性能の違いを体感できた。レースを見ていた方なら、脚を止めている、力を抜いて回している区間が他選手より多かったのに気付いたでしょう」と語っている。

GOKISOのカーボンディープホイールに採用される超高精密度のハブGOKISOのカーボンディープホイールに採用される超高精密度のハブ (c)Makoto.AYANOカーボンディープリムにはジェット機のエンジンのファンの羽を模したマークが入るカーボンディープリムにはジェット機のエンジンのファンの羽を模したマークが入る (c)Makoto.AYANO


カーボンディープリムにはジェット機のエンジンのファンの羽を模したマークが入る。レースの現場にGOKISOのスタッフも2人がサポートとして入り、竹之内の走りをサポートしていた。
写真で紹介するのはデュガストのセンタースリックタイヤがセットされているが、滑る路面のためレースではブロックパターンのものを使用した。レース中のバイク交換は無かった。

ステムやピラーはTOYO FRAMEの刻印が入るオリジナル品ステムやピラーはTOYO FRAMEの刻印が入るオリジナル品 (c)Makoto.AYANOシマノのCXチェーンリングを採用シマノのCXチェーンリングを採用 (c)Makoto.AYANO


メカはデュラエースDi2をサテライトスイッチをセットで使用するところも昨シーズンから継続。チェーンホイールにはシマノのCXチェーンリングを採用している。

アーサー X Control PRO
宮内佐季子(CLUBviento)


宮内佐季子(CLUBviento)のアーサー X Control PRO宮内佐季子(CLUBviento)のアーサー X Control PRO (c)Makoto.AYANO

念願の初優勝を飾りCX女王の座を射止めた宮内佐季子(CLUBviento)が駆るのはチェコのバイクブランド、AUTHOR(アーサー)のX Control PROだ。シクロクロス大国チェコが誇るAUTHORのシクロクロス・ジオメトリーを実現したトリプルバテットアルミモデルだ。アーサーにはカーボンモデルもあるが、宮内はあえてこの廉価版とも言えるモデルをチョイスしている。

ブレーキには前のみTRPのミニVブレーキを使用ブレーキには前のみTRPのミニVブレーキを使用 (c)Makoto.AYANOホイールにはFFWDのF4Rカーボンホイールを採用ホイールにはFFWDのF4Rカーボンホイールを採用 (c)Makoto.AYANOフレックスシートステー搭載で振動吸収性を確保するフレックスシートステー搭載で振動吸収性を確保する (c)Makoto.AYANO


アルミモデルながらカーボンフォーク装備とフレックスシートステー搭載で振動吸収性も確保しているため、日本各地のCXレースで非常にポピュラーになっているモデルだ。

ブレーキには前のみTRPのミニVブレーキを使用し、制動力を稼いでいる。リアはシマノのCXブレーキだ。ハンドルには東京サンエスのブランド、OneByESUのJカーボン・モンローハンドルを使用している。
ポジションに悩んでいた宮内。一時期ゼロ突き出しのステムを使用していたことが話題を呼んだが、今は60mmのステムを使用。その代わりセットバック量ゼロのトムソン・マスターピースシートピラーでサドルを前に出している。
ホイールにはFFWDのF4Rカーボンホイールを採用。セットされるタイヤはチャレンジのGRIFO33とスタンダードだ。

OneByESUのJカーボン・モンローハンドルを使用OneByESUのJカーボン・モンローハンドルを使用 (c)Makoto.AYANOタイヤはチャレンジのGRIFO33タイヤはチャレンジのGRIFO33 (c)Makoto.AYANO


コンポには105グレードを使用するなど、コストパフォーマンス重視でバイクをセットアップしていることが伺えるが、日本チャンプとなったからにはぜひナショナルチャンプカラーに彩られた新マシンで再登場することに期待したい。

アンカーCX6
U23 沢田時(ブリヂストンアンカー)


沢田時(ブリヂストンアンカー)のアンカーCX6 沢田時(ブリヂストンアンカー)のアンカーCX6 (c)Makoto.AYANO

U23カテゴリーの選手ながら、エリート男子でトップ争いを演じて5位となった沢田時 (ブリヂストンアンカー)。この大器が駆るのは今季アンカーが新リリースしたCX6だ。
シーズン当初より使ってきたレーシンググレイを代車に、この全日本のためにセットアップしたレーシングレッドをメインマシンとする。

溶接痕も美しいアルミフレーム Cyclocrossの文字が入る溶接痕も美しいアルミフレーム Cyclocrossの文字が入る (c)Makoto.AYANO担ぎやすいようにトップチューブ下・右側に潰しが入っている担ぎやすいようにトップチューブ下・右側に潰しが入っている (c)Makoto.AYANO


6061アルミを用いたフレームは加速性重視の設計で、シートステイのベンド加工により振動吸収性を確保。フォークはコラムまでカーボンのフルカーボンフォークがセットされ、担ぎやすいようにトップチューブに潰しが入っている。泥詰まりを確保するワイドタイヤクリアランスやケーブル上回しなどのスペックも備える。
完成車価格18万円のモデルだけに、ツーリングにも使える廉価版というイメージがあるが、中身はなかなかのピュアレーシング仕様だ。

46Tの歯とデュラエースクランクのアーム部の段差を埋める小物はシマノのサポート選手用特別カスタムパーツ46Tの歯とデュラエースクランクのアーム部の段差を埋める小物はシマノのサポート選手用特別カスタムパーツ (c)Makoto.AYANOハンドル&ステムにPROのVibeカーボンを採用ハンドル&ステムにPROのVibeカーボンを採用 (c)Makoto.AYANO


コンポはアルテグラDi2仕様。チェーンホイールの46Tとデュラエースクランクのアーム部の段差を埋める小物はシマノのサポート選手用特別カスタムパーツだ。
ハンドル&ステムにPROのVibeカーボンを採用。ホイールはCXのスタンダードとも言えるデュラエースC35にチャレンジのGRIFO33タイヤをセットする。

シマノのCXブレーキにデュラエースC35カーボンホイールの組み合わせシマノのCXブレーキにデュラエースC35カーボンホイールの組み合わせ (c)Makoto.AYANOデュラエースC35にチャレンジのGRIFO33タイヤをセットデュラエースC35にチャレンジのGRIFO33タイヤをセット (c)Makoto.AYANO



photo&text:Makoto.AYANO