ガリシアからアストゥリアスの山岳地帯へと分け入るブエルタ・ア・エスパーニャ後半戦。3連続頂上ゴールでマイヨロホ候補は完全に絞り込まれるだろう。そして最終決戦地は、2010年と同様、マドリード近郊の超級山岳ボラ・デル・ムンド。最大勾配23%の激坂で総合争いは決する。

8月30日(木) 第12ステージ
ビラガルシア・デ・アロウサ〜ミラドール・デ・エサロ 190.5km(頂上ゴール) →コースマップ


第12ステージ・コースプロフィール第12ステージ・コースプロフィール image: Unipublic選手たちは、リアス式海岸の語源となったガリシア州の海岸線を堪能する。ブエルタ初登場のビラガルシア・デ・アロウサを経ち、海沿いの平坦路をグネグネと進んでいく。しかし、ゴールまでずっとずっと平地が続くと思いきや、ラスト1.9km地点で様子が一変。「平坦ステージ」にカテゴライズされながら、なんとも尖ったゴールが用意された。

「展望台」という名前の通り、ゴール地点ミラドール・デ・エサロは丘の上。入り組んだ湾を眺めるこの標高270mの丘を、わずか1.9kmで登りきる。平均勾配は13.1%で、最大勾配が29%に達するというまさに「激坂」の先にゴールはある。爆発力を備えたクライマーがステージ優勝、ならびに総合タイム差を懸けて飛び出すはずだ。


8月31日(金) 第13ステージ
サンティアゴ・デ・コンポステーラ〜フェロル 172.8km →コースマップ


第13ステージ・コースプロフィール第13ステージ・コースプロフィール image: Unipublicキリスト教の三大巡礼地の一つであり、世界遺産に指定された巡礼路の終着地であり、ガリシア州の州都であり、その旧市街が世界遺産に指定されているサンティアゴ・デ・コンポステーラを、ブエルタは27年ぶりにスタートする。翌日から始まる難関頂上シリーズを前に、ここまで山岳を乗り切っていたスプリンターたちに再び主役の座が渡る。

海沿いの街フェロルに至る173kmの行程は概ねフラット。美しいビーチを有するフェロルの街で、本格的な大集団ゴールスプリントが見られるはず。4日間続いたガリシア州の海岸シリーズはこの日で完結。いよいよ第14ステージからブエルタは内陸の山岳地帯へと入っていく。


9月1日(土) 第14ステージ
パラス・デ・レイ〜プエルト・デ・アンカレス 149.2km(頂上ゴール) →コースマップ


第14ステージ・コースプロフィール第14ステージ・コースプロフィール image: Unipublic2回目の休息日に向かって、マイヨロホ争いは加熱する。第14ステージから始まる怒濤の3連続頂上ゴールで、総合争いの構図がガラリと書き変えられる可能性もある。

150kmに満たないショートコースに詰め込まれたカテゴリー山岳は5つ。スタートからゴールまで登りと下りしかないようなコースレイアウトであり、特に終盤の2連続1級山岳に注目が集まる。ゴール24km手前の1級山岳フォルゲイラス・デ・アイガス峠でセレクションがかかり、最後は標高1470m、登坂距離9.5km、平均勾配8.1%の1級山岳アンカレス峠を駆け上がる。特にゴールの手前3kmほどは、勾配がコンスタントに10%を超える。総合順位の変動必至だ。


9月2日(日) 第15ステージ
ラ・ロブラ〜ラゴス・デ・コバドンガ 186.5km(頂上ゴール) →コースマップ


第15ステージ・コースプロフィール第15ステージ・コースプロフィール image: Unipublicアストゥリアス州に脚を踏み入れるブエルタ。いよいよ超級山岳ラゴス・デ・コバドンガの頂上ゴールが姿を現す。1983年の初登場以来、実に17回もゴールを迎えてきた山岳はどんなドラマを生み出すのだろうか。

翌日のゴール地点であるパハレス峠をレース序盤に逆から登り、72km地点で3級山岳サントエミリアーノ、そして146km地点で1級山岳ミラドール・デル・フィト(登坂距離6.8km・平均勾配8.3%)をクリア。その後、登坂距離が13.5kmにおよぶ長い長い超級山岳ラゴス・デ・コバドンガの登坂が始まる。標高1120mに至る登りの平均勾配は7%で、数値的に大きな驚きはない。しかし頂上手前に下り区間が2カ所あるため、体感的にはずっと10%近い勾配が続く。この時点で総合優勝候補は数名に絞られているはずだ。


9月3日(月) 第16ステージ
ヒホン〜バルグランデ・パハレス/クイトゥ・ネグル 183.5km(頂上ゴール) →コースマップ


第16ステージ・コースプロフィール第16ステージ・コースプロフィール image: Unipublic2回目の休息日前に、今大会最難関クラスの山岳ステージが登場する。海沿いの街ヒホンから、標高1850mのスキーリゾートまでの183.5km。中盤に連続する1級山岳サンロレンソ峠とコベルトリア峠は、いずれも平均勾配が8%半ばという厳しさ。この2つの登りで自然と集団は小さくなるだろう。

そして最後はパハレス峠を駆け上がる。登坂距離19.4kmで平均勾配6.9%。このパハレス峠はこれまで何度もブエルタに登場しているが、今回のゴール地点は、頂上から更に2.8km登った先のクイトゥ・ネグル。その延長された部分は、常に勾配が15%を超えるような驚きの厳しさで、未舗装だったため舗装工事が進行中だという。タフな一日の最後に、最大勾配25%の激坂バトルが待っている。


9月4日(火) 休息日


9月5日(水) 第17ステージ
サンタンデール〜フエンテ・デ 187.3km(頂上ゴール) →コースマップ


第17ステージ・コースプロフィール第17ステージ・コースプロフィール image: Unipublic休息日明けの第17ステージはカンタブリア州の州都サンタンデールをスタートする。前半は海岸線と内陸を行ったり来たり。中盤の補給ポイントを境にして内陸部へと入り、3つのカテゴリー山岳に挑む。

3級山岳と2級山岳を越えた先に待つのは、2級山岳フエンテ・デの頂上ゴールだ。むき出しの白い岩山を望む名勝地フエンテ・デに至る登りは、登坂距離17.3km。しかし平均勾配は3.9%であり、前々日までの頂上ゴールと比べると格段に難易度は低い。トップ選手は頂上までアウターを踏み抜くだろう。よほど総合争いが本格化しない限り、序盤に飛び出した選手たちが逃げ切る可能性は高い。


9月6日(木) 第18ステージ
アグイラル・デ・カンポ〜バリャドリド 204.5km →コースマップ


第18ステージ・コースプロフィール第18ステージ・コースプロフィール image: Unipublic今大会唯一の200km超ステージ。アストゥリアスやカンタブリアの山岳地帯を離れ、ブエルタはマドリードに向けて南下を始める。カスティーリャ・イ・レオン州の平野に敷かれたコースはほぼフラット。カテゴリー山岳は一つも登場しない。

この日の選手たちの敵は風だ。強風が吹くことで知られるカスティーリャ・イ・レオン州だけに、集団分裂のトラブルには注意が必要。故ワウテル・ウェイラント(ベルギー)が勝利した2008年以来の登場となるバリャドリドにやってくるのは、スプリンターチーム率いる大集団か、それとも総合系のチームが率いる小集団か。体重の軽いクライマーたちには試練の一日になるかもしれない。


9月7日(金) 第19ステージ
ペニャフィエル〜ラ・ラストリーリャ 178.4km →コースマップ


第19ステージ・コースプロフィール第19ステージ・コースプロフィール image: Unipublic前日に引き続きカテゴリー山岳ゼロの平坦ステージ。標高800m以上の平原を南に下っていく。最終頂上決戦を翌日に控えた総合上位陣は、ひたすら体力温存に努める。この日の勝負の行方は、スプリンターチームが逃げを容認するか否かにかかっている。逃げ切りのチャンスは決して小さくない。

というのも、平坦ステージでありながら、ゴール前のコースレイアウトがスプリンター向きではない。スペイン最長の立派な水道橋(世界遺産)で有名なセゴビアの街を抜けると、ラスト2kmから登坂が始まる。そこからゴールに向かって勾配4〜5%の登りが続くのだ。集団スプリントに持ち込まれた場合は、スピードの強弱に対応出来る軽量スプリンターやパンチャーが勝利を狙う。


9月8日(土) 第20ステージ
ラ・ファイサネラ〜ボラ・デル・ムンド 170.7km(頂上ゴール) →コースマップ


第20ステージ・コースプロフィール第20ステージ・コースプロフィール image: Unipublic2012年大会のマイヨロホは、超級山岳ボラ・デル・ムンドで決する。しかも大会最高地点である標高2247mに至る道のりは山あり谷あり。前半から標高1800mクラスのカテゴリー1級、2級、1級、1級の山岳が立て続けに登場する。最後は登坂距離11.4km・平均勾配8.6%の登りが、雲上のゴールへと導いてくれる。

2010年大会の最終日前日にも登場し、ニーバリとモスケラの壮絶なバトルに沸いたボラ・デル・ムンド。ナバセラーダ峠の頂上から更に3.3km登った先にゴールが待っている。その延長部3.3kmの平均勾配は12%オーバーで、最大勾配は23%。このセメント路面の激坂で、3週間にわたって繰り広げられた総合争いに終止符が打たれる。


9月9日(日) 第21ステージ
セルセディリャ〜マドリード 115km →コースマップ


第21ステージ・コースプロフィール第21ステージ・コースプロフィール image: Unipublicブエルタ最終日は今年も首都マドリードへの凱旋ステージ。ツール・ド・フランスのパリ・シャンゼリゼと同様、ブエルタも開催国首都の目抜き通りにゴールする。山岳地帯のセルセディリャをスタートした一行は、緩やかな下り基調の幹線道路を走り、マドリード中心部の周回コースに向かう。

選手たちは5.7kmの周回コースを10周。2つの90度コーナーと3つの180度ターンを含む平坦コースは例年同様だ。最後まで生き残ったスプリンターたちによる華々しいバトルで第67回ブエルタは締めくくられる。


text:Kei Tsuji
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