6月24,25日の週末にかけて多くの国でナショナル選手権が開催され、各国のロード&個人TTチャンピオンを決める争いが繰り広げられた。日曜の欧州はベルギー、フランス、オランダなど広い範囲で激しい雨が降り、レースをより厳しくした。

勝者たちは1年間、ロードとタイムトライアルのそれぞれのレースにおいて国を代表するナショナルジャージを着用することができる。そのうちの何人かは6月30日開催のツール・ド・フランスにおいて新チャンピオンジャージ姿を披露することになる。

ベルギー選手権を制したトム・ボーネン(オメガファーマ・クイックステップ)ベルギー選手権を制したトム・ボーネン(オメガファーマ・クイックステップ) (c)CorVosロード

ベルギー選手権はロンドンオリンピックに照準を合わせツール・ド・フランスを欠場するトム・ボーネン(オメガファーマ・クイックステップ)が、ラスト40kmで形成された逃げグループに入り、5人に絞られたゴールスプリントを制し優勝した。2位はクリストフ・ホダールト(アージェードゥーゼル)だった。ボーネンは2009年以来3年ぶり2度めのベルギーチャンピオン獲得だ。

オランダ選手権はニキ・テルプストラ(オメガファルマ・クイックステップ)がラスト40kmを独走し、2010年に続く2度めの優勝。集団の先頭を制した2位はラルス・ボーム(ラボバンク)だった。

ベルギーチャンピオン獲得に歓喜するトム・ボーネン(オメガファーマ・クイックステップ)ベルギーチャンピオン獲得に歓喜するトム・ボーネン(オメガファーマ・クイックステップ) (c)CorVos開催第100回目となったフランス選手権のゴールスプリントを制したのはナセル・ブアニ(FDJ・ビッグマット)。2位にもチームメイトのアルノー・デマールが入り、FDJのワン・ツーフィニッシュとなった。若干21歳、驚きの結果を残したブアニはFDJのツール・ド・フランス出場メンバーには選ばれていない。
このレース結果を受けてツール・ド・フランスメンバーを最終決定するユーロップカーはセバスティアン・テュルゴーの5位が最高位だった。

スペイン選手権はフランシスコ・ベントソ(モビスター)がコルド・フェルナンデス(ガーミン・バラクーダ)を下した。

スイス選手権はマルティン・コーラー(BMCレーシングチーム)が小集団スプリントを制した。2位はミハエル・アルバジーニ(オリカ・グリーンエッジ)、3位はファビアン・カンチェラーラ(レディオシャック・ニッサン)だった。

スロバキア選手権はピーター・サガン(リクイガス・キャノンデール)がピーター・ベリトス(オメガファーマ・クイックステップ)を下して勝利。ツール・ド・フランスに向けて順調な仕上がりを見せる。

ドイツ選手権はファビアン・ウェーグマン(ガーミン・バラクーダ)が少人数スプリントを制し、2007、2008年に次ぐ3度めのドイツチャンピオン獲得だ。

ルクセンブルグ選手権はローラン・ディディエ(レディオシャック・ニッサン)が逃げ切り、プロ初勝利、2005年の個人TT選手権U23制覇に続くナショナルタイトルを獲得。ベン・ガスタウアー(AG2R・ラモンディアル)が2位、フランク・シュレク(レディオシャック・ニッサン)は3位だった。

イギリス選手権はイアン・スタナード(チームスカイ)が3人の逃げから独走し、勝利。2位は途中までともに逃げたチームメイトのアレックス・ダウセットが入り、スカイのワン・ツーフィニッシュに。

デンマーク選手権を制したセバスティアン・ランダー(グラッド&マーストランド)デンマーク選手権を制したセバスティアン・ランダー(グラッド&マーストランド) (c)CorVosドイツ選手権を制したファビアン・ウェグマン(ガーミン・バラクーダ)ドイツ選手権を制したファビアン・ウェグマン(ガーミン・バラクーダ)


オランダ選手権で40kmの独走を決めて優勝したニキ・テルプストラ(オメガファーマ・クイックステップ)オランダ選手権で40kmの独走を決めて優勝したニキ・テルプストラ(オメガファーマ・クイックステップ) (c)CorVosニキ・テルプストラ(オメガファーマ・クイックステップ)がラルス・ボーム(ラボバンク)を下すニキ・テルプストラ(オメガファーマ・クイックステップ)がラルス・ボーム(ラボバンク)を下す (c)CorVos

各国ナショナル選手権 ロードレース優勝者

ベルギー
トム・ボーネン(オメガファーマ・クイックステップ)

オランダ
ニキ・テルプストラ(オメガファーマ・クイックステップ)

フランス
ナセル・ブアニ(FDJ・ビッグマット)

スペイン
フランシスコ・ベントソ(モビスター)

イタリア
フランコ・ペッリツォッティ(アンドローニ・ジョカトリ)

ドイツ
ファビアン・ウェグマン(ガーミン・バラクーダ)

ルクセンブルク
ローラン・ディディエ(レディオシャック・ニッサン)

ノルウエー
エドヴァルド・ボアソンハーゲン(チームスカイ)

イギリス
イアン・スタナード(チームスカイ)

ポーランド
ミカル・ゴラス(オメガファーマ・クイックステップ)

スロバキア
ペーター・サガン(リクイガス・キャノンデール)

カザフスタン
アッサン・バザイエフ(アスタナ)

スイス
マルティン・コーラー(BMCレーシングチーム)

クロアチア
ウラディミール・ミホリェビッチ(アックア・エ・サポーネ)

デンマーク
セバスティアン・ランダー(グルッド&マルストランド)

ウクライナ
アンドレー・グリブコ(アスタナ)

スロベニア
ボルト・ボジッチ(アスタナ)

チェコ
フランティセク・ラボン(オメガファーマ・クイックステップ)

モルドヴァ
アレクサンドル・プリウスチン(レオパード・トレック)

エストニア
タネル・カンゲルト(アスタナ)

ラトビア
アレクセイ・サラモンティス(コフィディス)

アイルランド
マット・ブランメイヤー(オメガファーマ・クイックステップ)

ロシア
エドゥアルト・ヴォルガノフ(カチューシャ)





ドイツのTT選手権を制したトニ・マルティン(オメガファーマ・クイックステップ)ドイツのTT選手権を制したトニ・マルティン(オメガファーマ・クイックステップ) (c)CorVos個人タイムトライアル

ドイツ選手権はトニ・マルティン(オメガファーマ・クイックステップ)が昨年に引き続いて連覇を達成。ツール・ド・フランスでのプロローグと個人タイムトライアルでのステージ優勝に向けて順調な仕上がりを見せる。
イタリア選手権はダリオ・カタルド(オメガファーマ・クイックステップ)がスペシャリストのアドリアーノ・マローリ(ランプレ・ISD)を2秒、マルコ・ピノッティ(BMCレーシングチーム)を35秒差で下して優勝。
デンマーク選手権個人タイムトライアルを制したヤコブ・フグルサング(レディオシャック・ニッサン)デンマーク選手権個人タイムトライアルを制したヤコブ・フグルサング(レディオシャック・ニッサン) (c)CorVosスペインはルイスレオン・サンチェス(ラボバンク)が2008,2010,2011年に続き4度目のタイトル獲得。
ノルウェーはレイダーボーリン・ボルゲルセン(ヨークル・メリダ)がエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(チームスカイ)に12秒差をつけて勝利。
ポーランド選手権はマチェイ・ボドナール(リクイガス・キャノンデール)がミカル・クヴィアトコウスキー(オメガファーマ・クイックステップ)を下した。
ロシアではデニス・メンショフ(カチューシャ)が初めてのタイトルを獲得している。
カナダ選手権を制したのはスヴェイン・タフト(オリカ・グリーンエッジ)。5年連続8回目の優勝となる。

各国ナショナル選手権 個人タイムトライアル優勝者 

スペイン
ルイスレオン・サンチェス(ラボバンク)

フランス
シルヴァン・シャヴァネル(オメガファーマ・クイックステップ)

ロシア
デニス・メンショフ(カチューシャ)

オランダ
リエーベ・ヴェストラ(ヴァカンソレイユDCM)

ドイツ
トニ・マルティン(オメガファーマ・クイックステップ)

アイルランド
ミカエル・ハッチンソン(インギアー・クイックヴィット)

イタリア
ダリオ・カタルド(オメガファーマ・クイックステップ)

ノルウエー
レイダーボーリン・ボルゲルセン(ヨークル・メリダ)

カナダ
スヴェイン・タフト(オリカ・グリーンエッジ)

デンマーク
ヤコブ・フグルサング(レディオシャック・ニッサン)

ポーランド
マチェイ・ボドナール(リクイガス・キャノンデール)

ウクライナ
アンドレー・グリブコ(アスタナ)

カザフスタン
デミトリ・グルージェフ(アスタナ)

チェコ
ヤン・バルタ(チームネットアップ)

※一部近日に既開催の結果を含みます。

photo:CorVos
text:Makoto.AYANO

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