全日本選手権ロード2日目の午前に開催されたマスターズレースは、各年代別の日本一を決める大会として開催。30代は木村裕己、 40代松木健治、50代波片鉄平、60代奈良正一、女子は仲村陽子がそれぞれ優勝。各年代に新チャンピオンが誕生した。

マスターズ30~39 + 40~49 スタート photo:Makoto AYANO
マスターズレースは昨年と同じ形態で開催された。男子はMM30~39とMM40~49が同時出走で、MM50~59と60~が同時出走となる2世代混走レースの2ウェーブが3分間隔でスタート。女子はWMの1レースだが男子と同時出走となるためコース上で混走の生じるレースとなった。
MM30~39は木村裕己(Roppongi Express)が優勝

マスターズ30代&40代の先頭を牽くのは昨年の30代覇者皿谷宏人(エキップティラン) photo:Makoto AYANO
マスターズと呼ぶにはまだ若い30代・MM30~39レースと、脂の乗りきった40代・MM40~49の混走レースは全日本選手権ロードと同じコースを7周回する56kmで争われた。2世代が混じり合った集団は1周目が13分52秒というエリートレースさながらのハイペースで進んだ。

30代・40代混走の先頭集団を牽く木村裕己(Roppongi Express) photo:Makoto AYANO
登りのたびに人数を絞り込んでいく走りで周回を重ね、最後は小集団によるスプリントに。これを制したのは木村裕己(Roppongi Express)だった。2位に佐々木遼(PHANTOM湘南)、3位に昨年覇者の皿谷宏人(エキップティラン)が入った。

マスターズ30~39を制した木村裕己(Roppongi Express) photo:Makoto AYANO
北海道の消防士である木村は、今まで今までニセコクラシックで2位(2024年)などの上位経験はあるが、大きな優勝タイトルは初めての獲得だ。

マスターズ30~39 1位木村裕己(Roppongi Express)、2位佐々木遼(PHANTOM湘南)、3位皿谷宏人(エキップティラン) photo:Makoto AYANO
木村裕己(Roppongi Express)のコメント
北海道から来た自分には気候が暑過ぎて苦しみました。強い佐々木君と皿谷さんの動きを警戒していました。なかでも佐々木君が僕よりも登りで強いので攻撃を仕掛けてくると思っていました。そこで絶対に離されないように、彼からは遅れないように意識して走っていました。短い上りが得意で、今まで絞った小集団でのスプリントで上位に入っているので自分の得意なパターンに持ち込むことができました。今年はニセコとあわせてこのレースに調子を合わせてきたので、嬉しいです。
MM40~49は松木健治(VC VELOCE)が優勝

MM30~39とMM40~49の混走の先頭集団 photo:Makoto AYANO
30代とともに進んだMM40~49レース。混走の先頭集団には優勝候補の高岡亮寛(Roppongi Express)や松木健治(VC VELOCE)の姿が。6周目にその先頭集団から高岡がアタックし、独走でホームストレートを越えて登りへと向かう。しかし松木らが猛追して捕まえると高岡は脱落してしまう。

マスターズ40歳代を制した松木健治(VC VELOCE) photo:Makoto AYANO
絞り込まれた小集団スプリントは30代の木村裕己が制したが、4位フィニッシュした松木健治が40代のチャンピオンに。続いて5位フィニッシュの小林亮(soleil de est)が2位に。3位は8位フィニッシュの大森慶太(BREZZA KAMIHAGI)だった。

マスターズ40~49 1位松木健治(VC VELOCE) 、2位小林亮(soleil de est)、3位大森慶太(BREZZA KAMIHAGI) photo:Makoto AYANO
松木健治(VC VELOCE)のコメント

マスターズ40歳代を制した松木健治(VC VELOCE) photo:Makoto AYANO 決定的なアタックがないまま我慢比べが続きましたね。6周目に高岡さんがひとり逃げると30代の選手が誰も先頭を牽かなくなって、40代の僕らが牽くしかなくなって。それで上りで必死に踏んで高岡さんに追いついてレースを振り出しに戻し、少し逃げて3人で回したけど捕まって。これはスプリントするしかないか、となりました。
30代と混走でのスプリントは不利だと思っていたけど、うまくまとめることができました。キツイレースでしたが、うまく走れました。このレースに勝つために半年間かけて仕上げてきたので、ニセコと2連勝で感無量で涙が出ます。半年前はオーバートレーニングで倒れていたんですが、今年は順調にうまくいっています。
MM50~59は波片鉄平(CR3W)が勝利

マスターズ50~59 + 60~のスタート photo:Makoto AYANO
30代&40代から3分後にスタートする50代のMM50~59と60代のMM60〜が混走するレースは4周回・32kmで争われた。

マスターズ50~59の集団先頭を牽くのは西谷雅史(チームオーベスト) photo:Makoto AYANO
先頭集団は50代の選手が占め、2年前の50代覇者・西谷雅史(チームオーベスト)が登りのたびにペースを上げてレースを厳しくする。前年覇者・山本敦(SBC Vertex Racing Team)は落車の影響でコースアウトし、側溝に落ちてポジションを大きく下げて追走を強いられることに。

マスターズ50~59の先頭集団を牽く西谷雅史(チームオーベスト) photo:Makoto AYANO
先頭集団は周回のたびに人数を減らし、最終的には西谷、波片鉄平(CR3W)、山本裕昭(BONDS静岡サイクルRT)の3人の争いに。

MM50~59は波片鉄平(CR3W)が勝利 photo:Makoto AYANO
ホームストレートの登りラスト150mでスプリントを仕掛けた波片鉄平が大きな差をもって勝利。2位に山本裕昭、3位に西谷雅史の順でフィニッシュ。

山本裕昭(BONDS静岡サイクルRT)が3位に 
レースを厳しくした西谷雅史(チームオーベスト)が3位に

マスターズ50~59表彰 1位波片鉄平(CR3W)、2位山本裕昭(BONDS静岡サイクルRT)、3位西谷雅史(チームオーベスト) photo:Makoto AYANO
波片鉄平(CR3W)のコメント
上りは西谷さんがペースをカチ上げるので我慢、上りが終わったら山本さんが被せてくるのでそれも我慢。途中の記憶が無いです(笑)。自分にはスプリントしかなく、小集団のスプリントでなら勝てる脚質なので、上りはとにかく何もせず我慢。そしてラスト150mからスプリントしました。日本CSCは世界一苦手なコースですが、一年計画でここに体調を合わせてきました。登りを強化できたわけではないですが、1キロ痩せて臨みましたよ。
60代は奈良正一(天狗党)が勝利

50代マスターズの集団に食らいつくMM60〜の奈良正一(天狗党) photo:Makoto AYANO

トップの奈良正一を追う奈良浩(イナーメ信濃山形レガルスィ)と酒居良和(エキップティラン) photo:Makoto AYANO
前回までの4連覇のレジェンド・三浦恭資(Tri-X JAPAN)が不参加となった60代のレース。
50代レースとあわせた全体の7位フィニッシュの奈良正一(天狗党)が優勝。4秒差の2位に奈良浩(イナーメ信濃山形レガルスィ)、3位に酒居良和(エキップティラン)。MTBを含めて自転車競技キャリアは40年以上という奈良正一が念願のタイトルを手に入れた。

MM60〜優勝の奈良正一(天狗党) photo:Makoto AYANO

2位に奈良浩(イナーメ信濃山形レガルスィ)、3位に酒居良和(エキップティラン) photo:Makoto AYANO
奈良正一(天狗党)のコメント
「奈良&奈良対決になりましたが、兄弟ではありません。4月のチャレンジロードで奈良浩さんには1分差で負けているんです。それから2ヶ月あったので鍛え直して今日を迎えました。
最初から速い人が4人居るなと思ったんです。2周目まで彼らが居たけど、そのあと離れたらしくて、バイク審判からの「後方と35秒」という情報を信じて逃げていました。これは行けるかも? とガッツポーズの用意をしようと後ろを振り返ったら奈良浩さんが迫って来ていたので、驚いて踏み直して、辛うじて逃げ切りました。力では奈良浩さんがはるかに上ですからね。今日はたまたまの勝利ですよ(笑)。

60代1位奈良正一(天狗党)、2位奈良浩(イナーメ信濃山形レガルスィ)、3位酒居良和(エキップティラン) photo:Makoto AYANO
女子マスターズ 優勝は仲村陽子(FIETS)

女子マスターズ先頭を走る仲村陽子(FIETS) photo:Makoto AYANO
男子マスターズ50~59 + 60~との混走になった女子マスターズには7人が出走。仲村陽子(FIETS)が終始先頭を走り、2位山本百合恵(シクロアジョシ)に2分54秒差をつけて逃げ切った。仲村は昨年のレースでは雨のレースでパンクしてレースを途中リタイア。リベンジ達成だ。

女子マスターズ優勝は仲村陽子(FIETS) photo:Makoto AYANO

女子マスターズ 2位を走る山本百合恵(シクロアジョシ) 
女子マスターズ 3位を走る米田和美(MOPS)

女子マスターズ 1位仲村陽子(FIETS)、2位山本百合恵(シクロアジョシ)、3位米田和美(MOPS) photo:Makoto AYANO
仲村陽子(FIETS)のコメント
1周目からトップに立てて、後ろからの追い上げを気にしながらの走りでしたが、とにかく落車&トラブルないように安全に走ろうとも思っていました。ここまで練習もうまくできていたし、先週のニセコも優勝できて言う事無しで、自分に100点をあげたいと思います。

マスターズレースは昨年と同じ形態で開催された。男子はMM30~39とMM40~49が同時出走で、MM50~59と60~が同時出走となる2世代混走レースの2ウェーブが3分間隔でスタート。女子はWMの1レースだが男子と同時出走となるためコース上で混走の生じるレースとなった。
MM30~39は木村裕己(Roppongi Express)が優勝

マスターズと呼ぶにはまだ若い30代・MM30~39レースと、脂の乗りきった40代・MM40~49の混走レースは全日本選手権ロードと同じコースを7周回する56kmで争われた。2世代が混じり合った集団は1周目が13分52秒というエリートレースさながらのハイペースで進んだ。

登りのたびに人数を絞り込んでいく走りで周回を重ね、最後は小集団によるスプリントに。これを制したのは木村裕己(Roppongi Express)だった。2位に佐々木遼(PHANTOM湘南)、3位に昨年覇者の皿谷宏人(エキップティラン)が入った。

北海道の消防士である木村は、今まで今までニセコクラシックで2位(2024年)などの上位経験はあるが、大きな優勝タイトルは初めての獲得だ。

木村裕己(Roppongi Express)のコメント
北海道から来た自分には気候が暑過ぎて苦しみました。強い佐々木君と皿谷さんの動きを警戒していました。なかでも佐々木君が僕よりも登りで強いので攻撃を仕掛けてくると思っていました。そこで絶対に離されないように、彼からは遅れないように意識して走っていました。短い上りが得意で、今まで絞った小集団でのスプリントで上位に入っているので自分の得意なパターンに持ち込むことができました。今年はニセコとあわせてこのレースに調子を合わせてきたので、嬉しいです。
MM40~49は松木健治(VC VELOCE)が優勝

30代とともに進んだMM40~49レース。混走の先頭集団には優勝候補の高岡亮寛(Roppongi Express)や松木健治(VC VELOCE)の姿が。6周目にその先頭集団から高岡がアタックし、独走でホームストレートを越えて登りへと向かう。しかし松木らが猛追して捕まえると高岡は脱落してしまう。

絞り込まれた小集団スプリントは30代の木村裕己が制したが、4位フィニッシュした松木健治が40代のチャンピオンに。続いて5位フィニッシュの小林亮(soleil de est)が2位に。3位は8位フィニッシュの大森慶太(BREZZA KAMIHAGI)だった。

松木健治(VC VELOCE)のコメント

30代と混走でのスプリントは不利だと思っていたけど、うまくまとめることができました。キツイレースでしたが、うまく走れました。このレースに勝つために半年間かけて仕上げてきたので、ニセコと2連勝で感無量で涙が出ます。半年前はオーバートレーニングで倒れていたんですが、今年は順調にうまくいっています。
MM50~59は波片鉄平(CR3W)が勝利

30代&40代から3分後にスタートする50代のMM50~59と60代のMM60〜が混走するレースは4周回・32kmで争われた。

先頭集団は50代の選手が占め、2年前の50代覇者・西谷雅史(チームオーベスト)が登りのたびにペースを上げてレースを厳しくする。前年覇者・山本敦(SBC Vertex Racing Team)は落車の影響でコースアウトし、側溝に落ちてポジションを大きく下げて追走を強いられることに。

先頭集団は周回のたびに人数を減らし、最終的には西谷、波片鉄平(CR3W)、山本裕昭(BONDS静岡サイクルRT)の3人の争いに。

ホームストレートの登りラスト150mでスプリントを仕掛けた波片鉄平が大きな差をもって勝利。2位に山本裕昭、3位に西谷雅史の順でフィニッシュ。



波片鉄平(CR3W)のコメント
上りは西谷さんがペースをカチ上げるので我慢、上りが終わったら山本さんが被せてくるのでそれも我慢。途中の記憶が無いです(笑)。自分にはスプリントしかなく、小集団のスプリントでなら勝てる脚質なので、上りはとにかく何もせず我慢。そしてラスト150mからスプリントしました。日本CSCは世界一苦手なコースですが、一年計画でここに体調を合わせてきました。登りを強化できたわけではないですが、1キロ痩せて臨みましたよ。
60代は奈良正一(天狗党)が勝利


前回までの4連覇のレジェンド・三浦恭資(Tri-X JAPAN)が不参加となった60代のレース。
50代レースとあわせた全体の7位フィニッシュの奈良正一(天狗党)が優勝。4秒差の2位に奈良浩(イナーメ信濃山形レガルスィ)、3位に酒居良和(エキップティラン)。MTBを含めて自転車競技キャリアは40年以上という奈良正一が念願のタイトルを手に入れた。


奈良正一(天狗党)のコメント
「奈良&奈良対決になりましたが、兄弟ではありません。4月のチャレンジロードで奈良浩さんには1分差で負けているんです。それから2ヶ月あったので鍛え直して今日を迎えました。
最初から速い人が4人居るなと思ったんです。2周目まで彼らが居たけど、そのあと離れたらしくて、バイク審判からの「後方と35秒」という情報を信じて逃げていました。これは行けるかも? とガッツポーズの用意をしようと後ろを振り返ったら奈良浩さんが迫って来ていたので、驚いて踏み直して、辛うじて逃げ切りました。力では奈良浩さんがはるかに上ですからね。今日はたまたまの勝利ですよ(笑)。

女子マスターズ 優勝は仲村陽子(FIETS)

男子マスターズ50~59 + 60~との混走になった女子マスターズには7人が出走。仲村陽子(FIETS)が終始先頭を走り、2位山本百合恵(シクロアジョシ)に2分54秒差をつけて逃げ切った。仲村は昨年のレースでは雨のレースでパンクしてレースを途中リタイア。リベンジ達成だ。




仲村陽子(FIETS)のコメント
1周目からトップに立てて、後ろからの追い上げを気にしながらの走りでしたが、とにかく落車&トラブルないように安全に走ろうとも思っていました。ここまで練習もうまくできていたし、先週のニセコも優勝できて言う事無しで、自分に100点をあげたいと思います。
全日本選手権ロードレース2025マスターズ 年代別各レース結果
マスターズ30~39 + 40~49 | ||
1位 | 木村裕己(Roppongi Express) | 1:39:46 |
2位 | 佐々木遼(PHANTOM湘南) | |
3位 | 皿谷宏人(エキップティラン) | |
4位 | 松木健治(VC VELOCE) | |
5位 | 小林亮(soleil de est) | |
6位 | 塩澤魁 | +00:04 |
7位 | 糸川典往 (soleil de est) | +00:04 |
8位 | 大森慶太(BREZZA KAMIHAGI) | +00:12 |
9位 | 坊重輝(Team hsj) | +00:18 |
10位 | 吉田貴祐人(SDL) | +00:21 |
マスターズ50~59 + 60~ | ||
1位 | 波片鉄平(CR3W) | 58:46 |
2位 | 山本裕昭(BONDS静岡サイクルRT) | +00:03 |
3位 | 西谷雅史(チームオーベスト) | +00:07 |
4位 | 白鳥興寛(AACRレーシングチーム) | +00:30 |
5位 | 小林孝臣(ミルキーウェイ和歌山) | +01:10 |
6位 | 戸塚裕一(COWGUNMA) | +01:51 |
7位 | 奈良正一(天狗党) | +02:46 |
8位 | 奈良浩(イナーメ信濃山形レガルスィ) | +02:50 |
9位 | 酒居良和(エキップティラン) | +02:50 |
10位 | 山本敦(SBC Vertex Racing Team) | +03:00 |
女子マスターズ | ||
1位 | 仲村陽子(FIETS) | 1:08:13 |
2位 | 山本百合恵(シクロアジョシ) | +02:54 |
3位 | 米田和美(MOPS) | +03:46 |
text&photo:Makoto AYANO
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