初開催となったコペンハーゲン・スプリント(UCIワールドツアー)は、集団スプリントをヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が制す。女子はロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が先着し、初代王者に輝いた。

デンマークのスター選手であるマッズ・ピーダスン(リドル・トレック) photo:Copenhagen Sprint
今年からUCIワールドツアーに加わったのが、数多くの名選手を輩出するデンマークで開催されたコペンハーゲン・スプリントだ。本大会は2022年ツール・ド・フランスの開幕地となったデンマークの首都コペンハーゲンを舞台とし、そのレガシーとして誕生した経緯がある。コースは「スプリント」と称する通り平坦路で、ロスキレからコペンハーゲンまでは235.6kmと比較的距離が長いことも特徴となっている。
初代優勝者を狙い出場したのは、共にオランダ選手権を6日後に控えるスプリンターのオラフ・コーイ(ヴィスマ・リースアバイク)とディラン・フルーネウェーヘン(ジェイコ・アルウラー)。また母国デンマーク出身選手としては、マッズ・ピーダスン(リドル・トレック)とトビアスルンド・アンドレースン(ピクニック・ポストNL)がツール・ド・フランスの前哨戦として臨んだ。

イェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)ら5名が逃げた photo:Copenhagen Sprint

コペンハーゲンの市街地に突入した選手たち photo:Copenhagen Sprint
逃げを形成したのはイェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)やデンマーク・ナショナルチームの2名をあわせた5名。タイム差は最大3分半から拡がることはなく、メイン集団はヴィスマ・リースアバイクやジェイコ・アルウラーが牽引。またツール・ド・スイスを途中リタイアし、中一日で強行出場したヨルディ・メーウス(ベルギー)を擁するレッドブル・ボーラ・ハンスグローエもペースコントロールに加わった。
同日に気温30度のなか行われた、全日本選手権の男子エリートロードレースほどではないにせよ、厳しい暑さのため選手たちは水を被って体温上昇を抑える。プロトンからは先日閉幕したジロ・デ・イタリアでステージ優勝したダーン・ホーレ(オランダ、リドル・トレック)ら3名が逃げ集団に合流。それを見送った後続では、残り10km地点で大規模落車が発生し、コーイが勝負から脱落した。
この分断によってプロトンは50名程度に絞られ、フラムルージュ(残り1km)を切り、ようやく逃げを吸収。ウノエックス・モビリティが先頭でトレインを組んだものの、エーススプリンターであるソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー)のスピードが伸びない。混戦の中から一度はフルーネウェーヘンが先頭に立つも、その背後からスプリントを開始したメーウスがフィニッシュ手前で追い抜き、勝利した。

スプリント勝利したヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:Copenhagen Sprint

初代王者となったヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:Copenhagen Sprint
「6日間のタフだったスイスでのレースを経て、多少の疲れがありながらも、脚には力が残っていた。混沌とした最終盤だったが、集団前方で最終コーナーを抜けることができた」と、2日前のツール・ド・スイス第6ステージに続き、ワールドツアー3勝目を掴んだメーウスはそう勝利を振り返った。
女子はウィーベスが圧巻勝利

女子レースを制したロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos
男子レースの前日、6月21日に行われた女子レースは、ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)やエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)、シャーロッテ・コール(オランダ、ピクニック・ポストNL)といった、世界トップスプリンターが競演した。終盤に落車が発生するなか、SDワークス・プロタイムのリードアウトからウィーベスが圧巻のスプリントを披露。ライバルたちに並ぶことすら許さず、初代王者に輝いた。

今年からUCIワールドツアーに加わったのが、数多くの名選手を輩出するデンマークで開催されたコペンハーゲン・スプリントだ。本大会は2022年ツール・ド・フランスの開幕地となったデンマークの首都コペンハーゲンを舞台とし、そのレガシーとして誕生した経緯がある。コースは「スプリント」と称する通り平坦路で、ロスキレからコペンハーゲンまでは235.6kmと比較的距離が長いことも特徴となっている。
初代優勝者を狙い出場したのは、共にオランダ選手権を6日後に控えるスプリンターのオラフ・コーイ(ヴィスマ・リースアバイク)とディラン・フルーネウェーヘン(ジェイコ・アルウラー)。また母国デンマーク出身選手としては、マッズ・ピーダスン(リドル・トレック)とトビアスルンド・アンドレースン(ピクニック・ポストNL)がツール・ド・フランスの前哨戦として臨んだ。


逃げを形成したのはイェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)やデンマーク・ナショナルチームの2名をあわせた5名。タイム差は最大3分半から拡がることはなく、メイン集団はヴィスマ・リースアバイクやジェイコ・アルウラーが牽引。またツール・ド・スイスを途中リタイアし、中一日で強行出場したヨルディ・メーウス(ベルギー)を擁するレッドブル・ボーラ・ハンスグローエもペースコントロールに加わった。
同日に気温30度のなか行われた、全日本選手権の男子エリートロードレースほどではないにせよ、厳しい暑さのため選手たちは水を被って体温上昇を抑える。プロトンからは先日閉幕したジロ・デ・イタリアでステージ優勝したダーン・ホーレ(オランダ、リドル・トレック)ら3名が逃げ集団に合流。それを見送った後続では、残り10km地点で大規模落車が発生し、コーイが勝負から脱落した。
この分断によってプロトンは50名程度に絞られ、フラムルージュ(残り1km)を切り、ようやく逃げを吸収。ウノエックス・モビリティが先頭でトレインを組んだものの、エーススプリンターであるソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー)のスピードが伸びない。混戦の中から一度はフルーネウェーヘンが先頭に立つも、その背後からスプリントを開始したメーウスがフィニッシュ手前で追い抜き、勝利した。


「6日間のタフだったスイスでのレースを経て、多少の疲れがありながらも、脚には力が残っていた。混沌とした最終盤だったが、集団前方で最終コーナーを抜けることができた」と、2日前のツール・ド・スイス第6ステージに続き、ワールドツアー3勝目を掴んだメーウスはそう勝利を振り返った。
女子はウィーベスが圧巻勝利

男子レースの前日、6月21日に行われた女子レースは、ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)やエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)、シャーロッテ・コール(オランダ、ピクニック・ポストNL)といった、世界トップスプリンターが競演した。終盤に落車が発生するなか、SDワークス・プロタイムのリードアウトからウィーベスが圧巻のスプリントを披露。ライバルたちに並ぶことすら許さず、初代王者に輝いた。
コペンハーゲン・スプリント2025結果
1位 | ヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 5:01:15 |
2位 | アレクシ・ルナール(フランス、コフィディス) | |
3位 | エミリアン・ジャニエール(フランス、トタルエネルジー) | |
4位 | アルノー・デマール(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | |
5位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、ピクニック・ポストNL) | |
6位 | ユーゴ・パージュ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
7位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | |
8位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | スタニスワフ・アニオコウスキ(ポーランド、コフィディス) | |
10位 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) |
コペンハーゲン・スプリント女子2025結果
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 3:32:30 |
2位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) | |
3位 | キアラ・コンソンニ(イタリア、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | |
4位 | シャーロッテ・コール(オランダ、ピクニック・ポストNL) | |
5位 | ニンケ・フェインホーフェン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | リリー・ウィリアムズ(アメリカ、ヒューマンパワードヘルス) | |
7位 | スザンヌ・アンデルセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
8位 | アマリー・ディデリクセン(デンマーク、コフィディス・ウィメン) | |
9位 | ミレーヌ・デズート(オランダ、セラティジット・プロサイクリング) | +0:03 |
10位 | ソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、UAEチームADQ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Copenhagen Sprint
photo:Copenhagen Sprint
Amazon.co.jp