6月1日〜3日にかけて行われる「第25回全日本マウンテンバイク選手権大会」。年に一度の日本一を狙って行われる選手にとっては最も大事なレースだ。主な日程と見どころ、有力選手たちの紹介をしよう。

今年も全日本マウンテンバイク選手権大会は、MTBの聖地富士見パノラマで行われる。XCOのオリンピック選考の関係で例年より一ヶ月早く開催され、2日にDHI、3日にXCOとなっており、国内外から選手が集結して日本一の座を争う。

八幡浜を制した山本幸平(Specialized Racing Team)八幡浜を制した山本幸平(Specialized Racing Team) (c)Akihiro.NAKAOXCOは山本幸平の走りに注目

弟・幸平に次いで八幡浜で2位となった山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)弟・幸平に次いで八幡浜で2位となった山本和弘(キャノンデールレーシングチーム) (c)Akihiro.NAKAO3日に行われるXCOは、前週にオリンピック出場をかけたオリンピック代表候補選考会 JシリーズXCO#2が八幡浜で開催され、男子エリートではスペシャライズド・ワールドチームに所属する山本幸平が優勝して、ロンドンオリンピックへ向けて盤石の体制になった。

ワールドカップでは常に30位前後を走り、世界を相手にする山本にとって、全日本5連覇は難しくないと言えるだろう。とはいえパンク等のトラブルがあればレースを失うこともまた事実。他の選手たちは山本幸平に大きく遅れないレース運びが重要になってくる。

さきの八幡浜では2位に実兄の山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)が入り、初の兄弟ワンツーを果たし、3位に小野寺健(TEAM SPECIALIZED)が入った。奇しくも、幼い頃からのMTB仲間とも言える3人道産子たちが表彰台を独占する快挙を成し遂げたのだ。
海外遠征を過ごしてレベルアップした山本和弘と、ベストの走り方を身につけつつある小野寺の走りにも注目したい。
小野寺健(TEAM SPECIALIZED)小野寺健(TEAM SPECIALIZED) (c)Akihiro.NAKAOまた、八幡浜のレースで序盤のレースを強力に牽引していた、普段は海外で走る平野星矢(ブリヂストン・アンカー)も注目選手の一人。彼自身が得意とする富士見パノラマのコースで、打倒山本幸平を常に考えている。

他にセルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝でコースレコードをマークして優勝した池田祐樹(TOPEAK・ERGON)にも注目だ。小野寺や片山梨絵のトレーニングコーチをつとめる池田は、普段アメリカを中心に海外で走るエンデューロ系MTBレーサーだ。しかし今年のクロスカントリーの強さに自らも目覚めている。

そして山本兄弟らが不在だったとはいえ、びわこ高島 XCO#1大会を制したの斉藤亮(MIYATA-MERIDA)も果敢に挑戦するはずだ。


斉藤亮(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)斉藤亮(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM) (c)Akihiro.NAKAOSDA王滝をレースレコードで制した池田祐樹(ERGON・TOPEAK)SDA王滝をレースレコードで制した池田祐樹(ERGON・TOPEAK) (c)Akihiko.Harimoto


八幡浜で圧倒的な走りを見せた片山梨絵(SPECIALIZED)八幡浜で圧倒的な走りを見せた片山梨絵(SPECIALIZED) (c)Akihiro.NAKAO女王・片山梨絵が目指す9連覇は果たして可能か?

女子は片山梨絵(SPECIALIZED)が全日本9連覇に向けて挑戦する。ロンドンへの出場枠は現在のところ無いものの自身の競技人生の積み重ねのためにも必ず勝利したいところだろう。

U23は中原義貴、ジュニアは沢田時に注目 13-16歳のユースが新設

U23は箱館山・八幡浜のリザルトでは中原義貴(Team MX/Storck)が優勢で、松尾純(国際自然環境アウトドア専門学校)が対抗となるだろう。
ジュニアは海外遠征でレベルアップした沢田時(ブリヂストン・アンカー)に注目が集まる。八幡浜ではパンクによる降格で、再びナショナルジャージを得るべく挽回するはず。対抗は横山航太(CLUB Grow)と前田公平(ENDLESS/ProRide)となる。また、
今年から13-16歳のユースが新設され、沢田・横山といったユースから活躍する選手も多いので、将来有望な選手を見つけるのをお勧めしたい。

DHI男子は乱戦模様 女子は末政実緒の13連覇に期待

JシリーズDHI第一戦DHI女子優勝の末政実緒(FUNFANCY/INTENSE)JシリーズDHI第一戦DHI女子優勝の末政実緒(FUNFANCY/INTENSE) photo:Akihiro.NAKAOJシリーズDHI第一戦DHI男子優勝の井手川直樹(Devinci/SUNSPI.com)JシリーズDHI第一戦DHI男子優勝の井手川直樹(Devinci/SUNSPI.com) photo:Akihiro.NAKAO


2日に行われるDHI。男子エリートは混戦が予想される。昨年は清水一輝(AKI FACTORY TEAM)が全日本に勝利。井本はじめ(Team Transition Racing)と今年からシニアエリートの九島勇気(玄武 Ninjya TV)がシリーズ戦優勝と、若手が目立つレースだった。
今季はびわこ高島 DHI#1 箱館山はベテラン井手川直樹(Devinci/SUNSPI.com)が勝利して、ここに青木卓也(TEAM GIANT)・黒沢大介(Team GT/FUST)が加わり、誰もが勝てる展開となっている。
富士見パノラマのMTBコースは常設コースなので、皆が普段から練習してコース状況を熟知している。つまり差が出にくいコースと言われているので、コンマ差のレースとなるはず。後は天候次第といえるだろう。

女子エリートは末政実緒(FUNFANCY/INTENSE)の13連覇なるか? 全日本が終わったらイギリスのワールドカップへ向かう末政を応援しよう。


全日本マウンテンバイク選手権2012富士見パノラマ大会 日程表

6月1日
14:45〜15:30 DHIタイムドセッション

6月2日
11:30 DHI男・女・ユース

11:50 DHI女子予選
12:20 DHI男子シニアエリート予選
13:10 DHI男子マスターズ
14:00 DHI男子ジュニア
14:40 DHI女子決勝
15:00 DHI男子シニアエリート決勝

6/3(日)XCO
9:15 XCO男女ユース
10:10 XCO男子ジュニア
10:15 XCO男子マスターズ
11:45 XCO男子U23
11:50 XCO女子
13:40 XCO男子シニアエリート


STRENGTH IN NUMBERS試写会

また、DHI終了後はマウンテンバイクを題材とした映画「STRENGTH IN NUMBERS(ストレングス・イン・ナンバース)」の試写会が行われる。
開催日時:2012年6月2日(土) 午後19時より
場所:富士見パノラマリゾート駐車場表彰台前
※雨天の場合:センターゲレンデ正面レストランオリオン
ゲスト:SAINTライダー、末政実緒・清水一輝・井出川直樹

text:Akihiro.NAKAO

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