ジュラジャ・マレーシア第6ステージで福島晋一が第1ステージに続きステージ優勝を挙げた。トレンガヌはワン・ツー・スリーも達成した。中島康晴(愛三工業レーシング)は総合3位となった。

第6ステージで福島晋一がステージ2勝目を挙げる第6ステージで福島晋一がステージ2勝目を挙げる

メイン集団のゴールスプリントはトレンガヌのハリフ・サレーとモフド・ザムリ・サレーが2、3位にメイン集団のゴールスプリントはトレンガヌのハリフ・サレーとモフド・ザムリ・サレーが2、3位に 第6ステージで福島晋一がステージ2勝目 トレンガヌが1・2・3フィニッシュ第6ステージで福島晋一がステージ2勝目 トレンガヌが1・2・3フィニッシュ

福島晋一率いるトレンガヌと愛三工業レーシングが参戦しているUCIアジアツアー、ジュラジャ・マレーシアは6日間のステージレースだ。最終ステージとなる第6ステージはIPOH〜DATARAN MERDEKA で行われ、集団を抜けだした福島晋一がステージ優勝。続くメイン集団のゴールスプリントもトレンガヌのハリフ・サレーとモフド・ザムリ・サレーが続いてとり、トレンガヌは1・2・3フィニッシュとなった。

中島康晴(愛三工業レーシング)が総合3位に中島康晴(愛三工業レーシング)が総合3位に 最終ステージを終えて個人総合成績は中島康晴(愛三工業レーシング)が3位。福島が7位でレースを終えた。

福島晋一からのレポートを紹介する。

6日間は長いと思ったがついに最終日200kmだ。今日も快晴、ゆっくりと準備をしてスタートラインに立った。
今日の目標はリーダーチーム撃退。激しい展開になればいい。
スタート直後のアタック合戦では逃げにチームメイトを乗せるために走った。今日はリーダー自らアタックに反応している。チームメイトから少しは動けと怒られたのかもしれない。
単独で逃げを追う、ナカジーをリーダーが先頭で追う。その後ろにつかながら、全てが一緒になった後、
カウンターアタックをした30秒差で総合2位のジェイクロフォード(RTS)について行ったら7人の逃げに成功した。山岳賞ジャージの選手もいる、総合上位がドバッと逃げに乗った。おそらく集団ではリーダーチームが必死に追っている事だろう。

7人で30秒を保ってずっと逃げていると、ついに後ろが根負けして差が2分まで広がった。愛三の木守選手だけ回らず、残りの6人でハイペースを維持する、総合逆転の鉄則は序盤に有力選手と飛び出すことだ。
今回は見事にはまったができれば、ナカジーとニュージーランドの選手にも来てほしかった。
まあそう、うまくいくものではない。残り50kmを切って、集団がじわじわとタイム差を詰めてきた。
こっちも合わせてペースをあげて3分差を保っていたが、ついに2分を切った。
向かい風区間で、他の選手に一人ずつ引くスタイルから、ローテーションを回す方に切り替えようと提案した。
風が強い時は、そっちの方がペースをあげられる。しかし、難点は逃げている選手できつい選手はローテーションを回すと死んでしまうことだ。まあ、捕まってはもともこうもない。
若い選手たちはローテーションに慣れていない選手も多く。ペースをあげすぎたり、間をあけたり。
必死にまとめながら走ったが、そのうちに最後の山岳賞が現れた。

そんなにきつくないとの情報を得ていたが、ローテーションで消耗してきた選手にはきつく。ジェイのペースについていけたのは自分だけだった。結局、自分がほかの選手をつぶしてしまった事になるかもしれない。
残り18km、差は1分30秒。今日は自分もかなり引いていたので、ステージ優勝は考えていなかった。しかし、この差では総合3分遅れの自分は上がっても1つぐらい。
かわりに30秒稼げは総合優勝できるジェイは引かなくてはならない訳で、急にステージ優勝が見えてきた。
それを察してか、ジェイは「俺はステージを狙わない(だから協力してくれ)」と言ってきた。そこからは2人全開で走った。
ただ、自分もジェイの進歩を見ていた。彼は第2ステージでナカジーにスプリントで勝っている。
昔のジェイよりは平地の力が上がっている。残り1kmからはジェイに引いてもらおう。
そうきめて、走ったが向かい風の中ジェイも相当きつそうだ。自分はそんな中、最後の脚はちゃんと残しておいた。

残り1km。振り向くと集団がすごい勢いで来ている。まるでランカウィで最後に捕まった時と同じ光景だ。
残り500m、ジェイのペースでは捕まると判断して、アタックした。ジェイはついてこない。
いつものランカウィの最終ステージの懐かしいゴール。
ここを何周回ったかわからない。
しかし、ゴールまでの距離は随分遠く感じた。ガッツポーズをしながらゴールすると後ろからママがザムリと抜きながら「ワンツースリー!」と叫んだ。
一瞬、俺が勝つよりもマレーシア人であるママが勝った方が良かったなと思ったが、彼らはそんな事は微塵も見せず、こころから喜んでくれた。

6ステージ中、5ステージをとった事になる。
今、考えればリーダージャージを失ったおかげでチームは総合優勝以上のUCIポイントを獲得できたことになる。
災い転じて福となす。この勢いをツアーオブジャパンまで持続させなくては!
まずは減量かな?

(福島晋一)


text:Makoto.AYANO
photo:jelajahmalaysia.com.my

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