マレーシアで開催されているジュラジャ・マレーシア(UCIアジアツアー)第1ステージで、逃げグループに乗った福島晋一がステージ優勝を果たし、リーダージャージを獲得した。本人によるロングレポートとともにお伝えする。

マレー半島西部を走るジュラジャ・マレーシアマレー半島西部を走るジュラジャ・マレーシア www.jelajahmalaysia.com.myジュラジャ・マレーシアは、マレー半島西海岸を走る全6ステージの平坦基調のステージレース。日本からは愛三工業レーシングチームと、地元チームであるトレンガヌから福島晋一が出場している。

5月8日に行われた第1ステージはマレーシアの首都クアラルンプールを出発し、カンプールへと至る161.5km。レースは序盤の山岳ポイント手前で福島、鈴木謙一、盛一大、中島康晴(愛三工業レーシングチーム)を含む23名が抜け出しに成功した。

大人数の逃げ集団はメイン集団とのタイム差を広げると、終盤に逃げグループの中から福島晋一を含む5名が抜け出しに成功。最後は福島晋一が5名によるスプリントを制し、ステージ優勝を飾ると共にリーダージャージに袖を通した。愛三工業レーシング勢では盛一大がステージ8位に入っている。


優勝した福島晋一によるレポート

福島晋一(トレンガヌ)が5名のスプリントを制す福島晋一(トレンガヌ)が5名のスプリントを制す www.jelajahmalaysia.com.my全日本選手権を終えて、失意のうちに日本を後にした。前回のレポートで、自分の順番が来るのを待つと書いたがその順番は意外と早くやってきた。

盛一大(愛三工業レーシングチーム)はステージ8位、総合9位に盛一大(愛三工業レーシングチーム)はステージ8位、総合9位に www.jelajahmalaysia.com.myランカウィは9回走っている自分だが、今回参加するUCI第2カテゴリーのレース、ジュラジャ・マレーシアは初出走。しかし、運営はランカウィに似ていてアジアの中ではかなりいい方だ。

レース前日はマンゴーを4つ食べた。近くの市場で1キロ、3リンギッドで売っていたのだ。まるで、上野のアメ横みたいに大声を張り上げて売っていたから、迷わず買った。少し青いのに、ビニールに入れておいていただけで数時間後には蜜が出てきてべとべと!約100円で4つ買えた。

ゴール後シャワーで身体を冷やすゴール後シャワーで身体を冷やす www.jelajahmalaysia.com.myさて、チームトレンガヌは6人の選手に9人のスタッフ体制。なんとスタッフの面倒をみる為のスタッフがいる。レースは最初の35km地点の山岳を除けば平坦。その登りの手前で15人ほどで抜け出しに成功。

主要なチームは揃っている。トレンガヌからは自分とソフィ。愛三のケンケン(鈴木謙一)がきつそうにしているから、「ケンケンだってきついんだ。きついのは俺だけじゃない」と思って我慢していたら、ケンケンが頂上直前でちぎれた。

もう少しで越えられたのに助けてやればよかったかな。これで愛三に追われるな…と考えていると、ケンケンが帰ってきたので一安心。複数載せているチームが少ないので、トレンガヌにはいい展開だと持っていたら追撃が追いついてきて、その中にチームメイトはなし。逆に愛三は盛(一大)とナカジー(中島康晴)が来たので、一気に3人に。形勢逆転。

ステージ優勝を上げた福島晋一(トレンガヌ)ステージ優勝を上げた福島晋一(トレンガヌ) www.jelajahmalaysia.com.my気温はどんどん上がる。フィリピンや去年のタイランドの経験から、後半に備えて足を温存しながら走る。後続とは8分。残り80km。逃げ切りは濃厚だが、なぜか皆よく(ローテーションを)回る。

単独で乗っているチャンピオンシステムのアディックなどにはアタックがかからないでこのままスプリントになればいい展開であるが、複数載せているチームを逃げで前に揃えれば、この集団からさらに抜け出して逃げ切ることも可能だ。

こういう大逃げはその日のうちについた差を後で取り返すのは大変だ。中間スプリントも狙って行ったが獲得できなかった。このレースはマレーシアのオリンピック選考も絡んでいる。

チャンピオンシステムのアディック(オスマン)が中間スプリントで順調に秒差を稼いでいる。チームメイトのソフィは後半脚が攣り動けないので、残り30kmで愛三がアタックし始めた時には自分が動かなくてはならなかった。後半、皆きつそうだ。

リーダージャージを獲得した福島晋一(トレンガヌ)リーダージャージを獲得した福島晋一(トレンガヌ) www.jelajahmalaysia.com.my残り10kmを切るころだったか、マークしていたスレンチーム(イラン)の選手がアタックしたので迷わずについて行った。そうしたら、ツールドボルネオを総合優勝したニュージーランドの選手が追いついてきて4人の逃げになった。その二人が積極的に行くが自分はあまり引けない状態。

残り1kmで後続からRTSに入ったばかりの(アンドレイ)ミズロフ選手が追いついてきた。このミズロフ選手は、引退してアスタナのコーチになるかアスタナチームをやめるかをヴィノクロフから迫られて、暫く失業中であったが晴れてRTS(旧ジャイアント)に加入したばかりだ。彼もレース好きな選手だ。

その5人でスプリントになり、スレンの選手が残り300mで左からかけた時、自分も同時に右側から踏みながら、あえてスレンの選手の陰に入り、同時にスレンの選手の後ろにいたニュージーランド人を抑えながら、残り200mからスレンの選手をまくっていくとあっさりと決着がついて、久しぶりのガッツポーズ。

今年初優勝は全日本の次のレースでした。やはり、優勝は気持ちのいいものだ。さて、明日は200km。どうなるでしょう?多分、明日は今日よりは調子は良くなるので失敗しないように集中していこうと思う。


text&edit:So.Isobe
photo:Jelajah Malaysia

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