ジロ・ディ・ロンバルディアを最後に、2010年度のUCI(国際自転車競技連合)ワールドカレンダー全日程を終了した。個人ランキング首位に輝いたのはホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)。チーム別ではサクソバンクが、国別ではスペインが年間ランキング首位に輝いている。

ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝を飾ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝を飾ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Unipublic今年もスペイン人選手が個人ランキングの上位に名を連ねる結果となった。年間王者に輝いたのは、シーズンを通して安定した成績を残したロドリゲス。2005年のUCIプロツアー発足以来、初のランキング首位に輝いた。

ロドリゲスの首位の秘訣はグランツールとワンデークラシックでバランス良く成績を残し、ポイントを重ねたこと。ロドリゲスは3月のパリ〜ニースで総合7位に入ると、ボルタ・ア・カタルーニャで総合優勝。ブエルタ・アル・パイスバスコでステージ優勝&総合4位。フレーシュ・ワロンヌで2位に入り、初出場のツール・ド・フランスではステージ優勝を飾るとともに総合8位に入った。

ツール・ド・フランス総合優勝アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)が2位ツール・ド・フランス総合優勝アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)が2位 photo:Cor Vos更にクラシカ・サンセバスティアンで5位。9月のブエルタ・ア・エスパーニャでもステージ優勝を飾り、自身最高の総合4位に入った。

昨年の年間ランキング王者アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)はツール・ド・フランスでのステージ優勝&総合優勝で大きくポイントを稼いだが、早々にシーズンを切り上げたことでポイントを伸ばせず。最終的にロドリゲスがコンタドールを69ポイント上回った。

最終戦ジロ・ディ・ロンバルディアを制したフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が3位最終戦ジロ・ディ・ロンバルディアを制したフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が3位 photo:Riccardo Scanferlaランキング3位に入ったのは、最終戦ジロ・ディ・ロンバルディアを制したフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)。グランツールで総合上位に入るような選手ではないが、その反面ワンデークラシックを中心にポイントを量産した。ジルベールはミラノ〜サンレモ9位、ヘント〜ウェベルヘム3位、ロンド・ファン・フラーンデレン3位、アムステル・ゴールドレース優勝、フレーシュ・ワロンヌ6位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ3位、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ2勝という成績を残している。

日本人としては唯一新城幸也(Bboxブイグテレコム)がランクイン。ユキヤはジロ・デ・イタリア第5ステージ3位という成績により4ポイントを獲得して218位に。

ジロ・デ・イタリアでステージ3位に入った新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)ジロ・デ・イタリアでステージ3位に入った新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) photo:Kei Tsuji国別ランキングではスペインが2年連続ワールドランキング首位に輝いた。旧体制のプロツアーランキングから数えて5年連続の首位(初年度の2005年のみイタリアが首位)。

最後の最後まで僅差の闘いが繰り広げられたのが、チーム内のポイント上位5名の合計ポイントで争われるチームランキング。最終戦ジロ・ディ・ロンバルディアを前に、トップは986ポイントのアスタナ。2位にリクイガスが946ポイント、3位にサクソバンクが945ポイントで続く展開。

アスタナはロンバルディアでポイント獲得圏内であるトップ10に選手を送り込めずにポイント獲得ならず。対してランキング2位のリクイガスはヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)を5位に送り込んで50ポイントを獲得した。しかし、サクソバンクのヤコブ・フグルサング(デンマーク)がニーバリとの一騎打ちスプリントを制して4位に。ランキング3位のサクソバンクが60ポイントを獲得した。

最終的にリクイガスを9ポイント上回ったサクソバンクがランキング首位に輝いた。ジルベールの独走勝利の裏で繰り広げられた4位争いのスプリントバトルが、チームランキングの勝敗を決する結果となった。

プロツアーチームが上位に名を並べる中、プロコンチネンタルチームのBMCレーシングチームがランキング10位に。また、ジロ・ディ・ロンバルディアでミケーレ・スカルポーニ(イタリア)を2位に送り込んだアンドローニ・ジョカトリがランキング17位。ワールドランキングトップ17チームは自動的にツール・ド・フランスの出場権を獲得するというルールにより、同チームの2011年ツール初出場が有力視されている。

2010年度UCIワールドランキング最終結果
個人ランキング
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)       551pts
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)       482pts
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) 437pts
4位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)   403pts
5位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 390pts
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)     390pts
7位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)        369pts
8位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ)  307pts
9位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ) 306pts
10位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)      301pts
218位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)           4pts

国別ランキング
1位 スペイン    1908pts
2位 イタリア    1201pts
3位 ベルギー    982pts
4位 オーストラリア 850pts
5位 アメリカ    763pts
6位 オランダ    643pts
7位 ドイツ     547pts
8位 ルクセンブルク 488pts
9位 ロシア     453pts
10位 ノルウェー   441pts
33位 日本      4pts

チームランキング
1位 サクソバンク        1005pts
2位 リクイガス         996pts
3位 アスタナ          986pts
4位 ラボバンク         906pts
5位 カチューシャ        900pts
6位 チームHTC・コロンビア   855pts
7位 ガーミン・トランジションズ 839pts
8位 オメガファーマ・ロット   774pts
9位 ケースデパーニュ      701pts
10位 BMCレーシングチーム    661pts

text:Kei Tsuji
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