逃げたブラックバーンが蜂に刺されるトラブルも発生したロイズ・ツアー・オブ・ブリテン・ウィメン初日。SDワークス・プロタイムによる圧巻のコントロールからロレーナ・ウィーベス(オランダ)がスプリント勝利を決めた。



フィンレー・ターリングへの黙祷を捧げる選手たち photo:CorVos

2014年にウィメンズ・ツアーとして産声を上げ、資金問題で中止となった年などを挟みながら、一昨年の改名を経て、今年で11回目を迎えたのがロイズ・ツアー・オブ・ブリテン・ウィメン。全5日間の行程には本格的な山岳は設定されていないため、スプリンターやパンチャーに有利なステージが続く、イギリスで唯一のUCI女子ワールドツアーという格式高いレースだ。

イングランド北西部からウェールズを通り、最後にイングランド中部へ移る大会の初日は、コッカーマスを巡る158.9km。後半に2つの2級山岳が登場するものの、レースは集団スプリントで決着した。

スタート前にはイギリスナショナルチームの選手たちが集団先頭に並び、8月14日に死去したフィンレー・ターリング(イギリス、NSNディベロップメントチーム)への黙祷が捧げられ、拍手が送られた。そして静かな立ち上がりとなったレースは、中盤に入りようやくアラベラ・ブラックバーン(イギリス、ハンズリングアルバ・デベロップメントロードチーム)とオードリー・ドゥケースマーケル(ベルギー、ピクニック・ポストNL)による2名の逃げが決まる。しかしブラックバーンは蜂に刺され、完走を果たしたものの逃げから遅れてしまった。

単独逃げとなったオードリー・ドゥケースマーケル(ベルギー、ピクニック・ポストNL) photo:CorVos

逃げを捉え、ひと塊となったプロトン photo:Tour of Britain

単独先頭となったドゥケースマーケルは1つ目の2級山岳を先頭通過し、2つ目の山岳を前に失速。プロトンから飛び出したシュテフィ・ヘベリン(スイス、SDワークス・プロタイム)らにトップ通過は奪われたものの、3位通過で辛うじて山岳賞ジャージを手に入れる。その後、プロトンはひと塊に戻り、ボーナスタイムが与えられる中間スプリントではミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が先頭を取り、最大3秒を得た。

途中で雨が降っては止み、散発的になアタックをSDワークス・プロタイムが抑え込み、勝負は集団スプリントへ。元世界王者で2024年の総合優勝者であるロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)とブレーデウォルツによるリードアウトからロレーナ・ウィーベス(オランダ)がスプリントを開始し、キアラ・コンソンニ(イタリア、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)らを寄せつけず、そのまま先頭で悠々とフィニッシュした。

スプリント勝利したロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos

「残り500mほどの最終コーナーに向けて、ロッテとミーシャが完璧な位置まで連れていってくれた。そこからミーシャが高いスピードを維持してくれて、残り200mでスプリントを開始することができた。本当に完璧なリードアウトだった」と、ウィーベスはレースを振り返り、「ツアー・オブ・ブリテンをこういう形でスタートできたのは本当に嬉しい」と喜んだ。
ツアー・オブ・ブリテン・ウィメン2026第1ステージ結果
1位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) 4:03:09
2位 キアラ・コンソンニ(イタリア、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)
3位 ジョシー・ネルソン(イギリス、ピクニック・ポストNL)
4位 クインティ・トン(オランダ、リブ・アルウラー・ジェイコ)
5位 キャロライン・アンデション(スウェーデン、リブ・アルウラー・ジェイコ)
6位 レティツィア・ボルゲージ(イタリア、AGインシュランス・スーダル)
7位 カーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ)
8位 リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)
9位 ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)
10位 フルール・モース(ベルギー、リドル・トレック)
個人総合成績
1位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) 4:02:59
2位 キアラ・コンソンニ(イタリア、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) +0:04
3位 カーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ) +0:05
4位 ジョシー・ネルソン(イギリス、ピクニック・ポストNL) +0:06
5位 ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) +0:07
6位 キンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル) +0:08
7位 クインティ・トン(オランダ、リブ・アルウラー・ジェイコ) +0:10
8位 キャロライン・アンデション(スウェーデン、リブ・アルウラー・ジェイコ)
9位 レティツィア・ボルゲージ(イタリア、AGインシュランス・スーダル)
10位 リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)
その他の特別賞
ポイント賞 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)
山岳賞 オードリー・ドゥケースマーケル(ベルギー、ピクニック・ポストNL)
ヤングライダー賞 フルール・モース(ベルギー、リドル・トレック)
チーム総合成績 SDワークス・プロタイム
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour of Britain, CorVos