「ツールで勝つことがいかに難しいかを示している」。逃げ切りで大会3勝目を挙げたファンデルプールは、苦しんだ1週目と暑さへの適応を振り返った。一方、ポガチャルは連日の酷暑を受け、7、8月のレース開催に疑問を呈した。



ステージ優勝 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)

4名の勝負を制したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:A.S.O.

レース直後インタビュー

とても厳しい1日となった。今大会の序盤はチームにとってうまくいかなかった。そんな状況でも冷静さを保ち、自分たちは良いチームで、いずれ流れは変わると皆で信じ続けていた。それが今日なのか、2週目、あるいは3週目なのかは分からなかった。それでも、勝利を挙げて最初の休息日を迎えられるのは嬉しい。

暑さには、最初の数日間よりも適応できている。序盤は本当に苦しみ、比較的楽なステージでも十分に回復できなかった。だが、ここ数日は状態が上向き、今日はついに攻める脚があった。

逃げ切るためにかなり脚を使っていたので、最後のスプリントには自信がなかった。コースは厳しく、1日を通して向かい風が吹く、逃げに不利な条件だった。そんな中で勝てて良かった。

喜びを爆発させるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:A.S.O.

フィニッシュ直後のインタビューに応じるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:A.S.O.

─ファンデルプール祭りはこれからも続いていくのか?

1日限りとなるかもしれないが、少なくとも楽しい祭りだったよ。

表彰式後記者会見

このようなステージでは、逃げに乗るのが難しい。最初の1時間は絶好調だったわけではないが、徐々に調子が上がっていった。暑さの影響もそこまで受けず、自信も少しずつ湧いてきた。ただ、プロトンとのタイム差がなかなか広がらず、厳しいステージだった。

僕は狙うステージを事前に決めるのではなく、1日ごとに集中し、コースと自分の身体の状態を見ながら勝利を狙うタイプだ。例えばピーダスンのような強敵がいるステージでは、事前に狙っていても脚がなければ勝てない。チャンスだと思ったら、掴みに行くだけだ。

区間3勝目を飾ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:A.S.O.

─厳しい結果に終わった第1週でも、モチベーションを保ち、勝利を狙いに行けたのはなぜだろうか。

パニックに陥らないようにしたからだろう。僕らは良いチームで、夕食の席も楽しい雰囲気だ。ツールでは、自分たちで変えられることは多くない。だから辛抱強く、状況が好転するのを待つしかない。それが今日だった。2週目以降は、ヤスペル(フィリプセン)とともに再び勝利を狙いたい。

これでようやくツール通算3勝目だ。ツールで勝つことがいかに難しいかを示している。だからこそ、この勝利は特別なんだ。僕らはモニュメントやツールのスプリントステージで多くの勝利を挙げているため、ツールの区間優勝も簡単に手にできると思われがちだ。だが、決して簡単ではない。だからこそ、自分たちを信じて勝利を狙いに行くんだ。

─祖父であるレイモン・プリドールの生まれ故郷であるクルーズ県に近いため、勝利を狙いに行ったのか。

いや、それが理由ではない。ただ、ツールではいつも彼のことを思っている。

ステージ3位 トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)

変速トラブルを抱えたままフィニッシュに向かうトーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング) photo:A.S.O.

スタート直後から信じられないほど厳しい展開だった。僕らは逃げに乗ることを狙い、チーム全員がそのために力を尽くした。クインテン(ヘルマンス)、シャビエル(アスパレン)、クリス(ハーパー)は素晴らしい走りをしてくれたし、チームとして思い描いていた通りのレースができた。

(終盤のメカトラで)一瞬、自分のレースはもう終わったと思った。でも何とかバイクを再び走らせ、フィニッシュまで戦い続けることができた。

マイヨジョーヌ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)とイサーク・デルトロ(メキシコ)がTTバイクでクールダウン photo:A.S.O.

正直、当初は逃げを捕まえに行くつもりはなかった。ティム・ウェレンスが僕らにとってちょうどいいペースで牽引していたところ、最も厳しい山岳に入ると、他のチームがペースを上げた。すると選手たちが僕らに「勝負に行く気はあるのか」と聞いてきたんだ。そこで無線でチームカーに確認し、僕らも集団牽引を始めた。ただ、リドル・トレックをはじめ複数のチームがペースを作っていたので、僕らは深くは加わらず、残り50kmは脚を温存していた。

危なげなく第1週を走りきったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

─これだけ連日暑い状況が続けば、ツールの開催時期を前倒しすることも考える必要があるのではないか。どう思うか。

僕個人が答えるにはあまりに大きなテーマだ。ただ、もし僕に決定権があるなら、喜んでレースカレンダー全体を変え、7月と8月にはレースを走らないようにする。

ほかに考えられるのは、スタート時刻を午前10時にすることだ。ただ、それではフィニッシュが1日の中で最も暑い時間帯になるので意味がない。では、午前8時か9時にスタートすればいいのだろうか。そうなると、僕らは午前5時ごろに起きなければならない。ただ現時点では、僕らのチームの暑さ対策はうまく機能している。

text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O., CorVos

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