昨年、アフリカ系黒人として史上初の区間優勝&マイヨヴェール獲得者となったビニヤム・ギルマイ(エリトリア)。そのエースを中心とする、アンテルマルシェ・ワンティのツール・ド・フランス出場メンバーが発表された。



昨年区間3勝し、マイヨヴェールを獲得したビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) photo:CorVos

ベルギー籍のワールドチームであるアンテルマルシェ・ワンティが6月26日、出場チームとしては3番目にツール・ド・フランスの出場メンバーを発表した。その8名は以下の通り。

ルイ・バレ(フランス)
フィト・ブラーツ(ベルギー)
ビニヤム・ギルマイ(エリトリア)
ユーゴ・パージュ(フランス)
ローレンス・レックス(ベルギー)
ヨナス・ルッチ(ドイツ)
ロエル・ファンシントマールテンスダイク(オランダ)
ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ)

中心となるのはもちろん、昨年大会で大活躍を見せたギルマイ。第3ステージでアフリカ系黒人としてツール史上初の区間優勝を飾ると、第8、12ステージでも勝利を重ね、ポイント賞トップに与えられるマイヨヴェールを獲得。今季は5度の2位と勝利こそないものの、多少の登りならこなせる脚質はグリーンジャージ獲得の筆頭候補だ。

ルイ・バレ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ) photo:CorVos

エースの歴史的快挙に貢献したパージュとレックスは今年もメンバー入り。特に23歳のパージュは混沌とした展開だったクリテリウム・デュ・ドーフィネ初日と、コペンハーゲン・スプリントでいずれも6位入賞と成長を示している。

集団スプリントでリードアウトトレインを組むのは、フィト・ブラーツ(ベルギー)とロエル・ファンシントマールテンスダイク(オランダ)の24歳コンビ。共にこれがツールデビューとなり、特にファンシントマールテンスダイクは今村駿介ら日本人も所属する下部チーム(現ワンティ・NIPPO・リユーズ)出身で、197cmの長身はプロトンの中でも目立つ存在だ。

ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ) photo:CorVos

そしてツィマーマンは2021年から5大会連続でメンバー入りを果たした。狙うは2023年大会の第10ステージで、惜しくも2位と涙をのんだ悲願の区間優勝。今村と島崎将男と共に出場したジロ・ダブルッツォ(UCI2.1)では、自身初となる総合優勝にも輝いたクライマーだ。

ワールドチーム昇格2年目の2022年はシーズン25勝と躍進したアンテルマルシェ。翌年もジャパンカップを含め20勝と勝ち星を重ね、昨年はツールで区間3勝&マイヨヴェール獲得と大活躍した。しかし今年は一転、ここまででわずか2勝、しかもどちらも1クラス(上から3番目)での勝利に留まるなど、絶対的エースを擁してツールでの巻き返しを狙う。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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