2025年5月8日から11日にかけて、25回目を迎えた「ツール・ド・熊野2025」が開幕する。プレイベントとして開催された「和歌山城クリテリウム」でドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)が幸先良く勝利を挙げている。

和歌山城の西の丸広場で行われたチームプレゼンテーション photo:Satoru Kato
和歌山県と三重県を舞台に開催されるUCIアジアツアー2クラスのステージレース、ツール・ド・熊野の記念すべき25回大会がスタート。昨年大会で3日間3ステージ制が復活し、今年は開催期間が1日延長されたことで全4ステージ構成に。さらにプレイベントとして「和歌山城クリテリウム」が新規追加され、合計5日間という過去最大規模での開催となった。
2025年大会で新しく追加されたのが和歌山県印南町の「かえる橋」を起点とした第1ステージの「印南かえる橋周回コース(17.9km × 7周 = 125.3km)」。基本的にはスプリンター向けステージだが、周回コースの中盤に3級山岳が設定されているためアタッカーが抜け出すチャンスもある。2日目は昨年大会の初日に初設定されたスプリンター向けの「古座川清流周回コース」。
総合優勝に大きく影響するのは3日目の「熊野山岳コース」で、7.2 kmの周回を4周=合計107.7 km。2023年まで勝負所となっていた札立峠は今年も登場しないものの、2級山岳に設定された名物の丸山千枚田を通り、短く急勾配の3級山岳頂上にフィニッシュが置かれる難関ステージだ。最後は熊野灘を眺める太地半島周回コースで決着が決まる。
昨年は第1ステージで2位に入った岡篤志(当時JCLチーム右京)が2日目の熊野山岳コースでステージ4位&首位浮上に成功してそのまま総合優勝。今年も僅差の総合争いになると目されている。

チームプレゼンテーションに登壇した新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) photo:Satoru Kato

スタート前のパレードに出ていくソリューションテック・ヴィーニファンティーニの面々 photo:Satoru Kato
今年は12の国内チームと7の海外チーム、合計19チームが参戦中だ。海外勢は新城幸也が率いるソリューションテック・ヴィーニファンティーニが唯一にして最高峰のUCIプロチームとして参戦するほか、トレンガヌやHKSI、セントジョージなどお馴染みのチームに加え、今村駿介と島崎将男擁するワンティ・NIPPO・リユーズも参戦を果たしている。
ディフェンディングチャンピオンの岡は今年移籍した宇都宮ブリッツェンを率いて凱旋。イタリア連戦を経て今季の国内レース初戦となるJCLチーム右京は全日本王者の小林海や小石祐馬を擁している。ホストチームのキナンレーシングは悲願である大会制覇を目指して山本元喜や新加入レイン・タラマエ(エストニア)らをメンバー入りさせている。Jプロツアーで連勝中のエリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島)も注目の存在だ。

和歌山県と三重県を舞台に開催されるUCIアジアツアー2クラスのステージレース、ツール・ド・熊野の記念すべき25回大会がスタート。昨年大会で3日間3ステージ制が復活し、今年は開催期間が1日延長されたことで全4ステージ構成に。さらにプレイベントとして「和歌山城クリテリウム」が新規追加され、合計5日間という過去最大規模での開催となった。
2025年大会で新しく追加されたのが和歌山県印南町の「かえる橋」を起点とした第1ステージの「印南かえる橋周回コース(17.9km × 7周 = 125.3km)」。基本的にはスプリンター向けステージだが、周回コースの中盤に3級山岳が設定されているためアタッカーが抜け出すチャンスもある。2日目は昨年大会の初日に初設定されたスプリンター向けの「古座川清流周回コース」。
総合優勝に大きく影響するのは3日目の「熊野山岳コース」で、7.2 kmの周回を4周=合計107.7 km。2023年まで勝負所となっていた札立峠は今年も登場しないものの、2級山岳に設定された名物の丸山千枚田を通り、短く急勾配の3級山岳頂上にフィニッシュが置かれる難関ステージだ。最後は熊野灘を眺める太地半島周回コースで決着が決まる。
昨年は第1ステージで2位に入った岡篤志(当時JCLチーム右京)が2日目の熊野山岳コースでステージ4位&首位浮上に成功してそのまま総合優勝。今年も僅差の総合争いになると目されている。


今年は12の国内チームと7の海外チーム、合計19チームが参戦中だ。海外勢は新城幸也が率いるソリューションテック・ヴィーニファンティーニが唯一にして最高峰のUCIプロチームとして参戦するほか、トレンガヌやHKSI、セントジョージなどお馴染みのチームに加え、今村駿介と島崎将男擁するワンティ・NIPPO・リユーズも参戦を果たしている。
ディフェンディングチャンピオンの岡は今年移籍した宇都宮ブリッツェンを率いて凱旋。イタリア連戦を経て今季の国内レース初戦となるJCLチーム右京は全日本王者の小林海や小石祐馬を擁している。ホストチームのキナンレーシングは悲願である大会制覇を目指して山本元喜や新加入レイン・タラマエ(エストニア)らをメンバー入りさせている。Jプロツアーで連勝中のエリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島)も注目の存在だ。
ツール・ド・熊野2025 ステージリスト
5月6日(火) | プレイベント | 和歌山城クリテリウム | 1.5km×20周=30km |
5月8日(木) | 第1ステージ | 印南かえる橋周回コース(新設) | 17.9kmx7周=125.3km |
5月9日(金) | 第2ステージ | 古座川清流周回コース | 41.5km+42.6kmx2周=126.7km |
5月10日(土) | 第3ステージ | 熊野山岳コース | 18.5km+17.2km×4周+20.4km=107.7km |
5月11日(日) | 第4ステージ | 太地半島周回コース | 9.8km+10.5km×9周=104.3km |
初開催の和歌山城クリテ:ラヨビッチがトップチームの意地を見せつける

和歌山城前のスタートラインに選手が揃った。先頭に並ぶのはホストチームのキナンレーシングだ photo:Satoru Kato
ゴールデンウィーク最終日となる5月6日(火)に開催されたのがプレイベント「和歌山城クリテリウム」だ。180度ターンを2箇所含む全長約1.5kmというコンパクトな周回コースを20周する合計30kmの短距離スピードレースで、その名の通り1585年(天正13年)に豊臣秀長によって築城された和歌山城を横目に「けやき大通り」を往復する。
1日中雨だった予報から一転、薄曇りの下で14時にレーススタート。距離30km、時間にして40分の短距離レースゆえに、最初から最後までアタッカーと集団スプリントに持ち込みたいチームの主導権争いが続くこととなる。

ホームチームのキナンレーシングチームが序盤から積極的に動く photo:Satoru Kato

往復コースの両端で集団が伸縮を繰り返す photo:Satoru Kato 
和歌山城下でのハイスピードバトルが繰り広げられた photo:Satoru Kato
混沌の集団先頭を固めたのはソリューションテック・ヴィーニファンティーニだった。弱虫ペダル特別ペイントのヘルメットを着用した新城幸也も加わり、新城と共にバーレーンから移籍したドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア)のためにペースメイク。一方でトレンガヌやJCLチーム右京の小石祐馬、キナンの宇賀隆貴らが積極的にアタックを仕掛け続けた。
9周目には全日本王者の小林海を含む落車が発生したものの、多勢に影響はなくレースは続行。結果的に逃げは生まれず、レース終盤に入るとオレンジジャージのヴィクトワール広島がコントロールする時間が続いたが、残り3周回で飲み込まれる。残り1周回で前に出たブリヂストンのスプリントトレインも主導権を握ることができず、どのチームもスプリンター単騎となりながら最終コーナーをクリアした。

最終周回 チームブリヂストンサイクリングが集団最前列を陣取る photo:Satoru Kato

ドゥシャン・ラヨヴィッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ、スロバキア)が優勝 photo:Satoru Kato
180度コーナーへのブレーキング競争で先頭に立ったシュルツが、Jプロツアー連勝中のスプリント力でロングスパート。しかしそのスリップストリームに入ったラヨヴィッチがフィニッシュライン手前で追い抜いて先着。元ワールドツアー選手として、今大会唯一のUCIプロチームとしての矜持をアピールした。

ステージ1-2-3表彰式 photo:Satoru Kato

周回賞を受賞した3選手 photo:Satoru Kato
ツール・ド・熊野は1日空けて、5月8日(木)に第1ステージを開催。足慣らしを終えた選手たちの戦いに期待したい。

ゴールデンウィーク最終日となる5月6日(火)に開催されたのがプレイベント「和歌山城クリテリウム」だ。180度ターンを2箇所含む全長約1.5kmというコンパクトな周回コースを20周する合計30kmの短距離スピードレースで、その名の通り1585年(天正13年)に豊臣秀長によって築城された和歌山城を横目に「けやき大通り」を往復する。
1日中雨だった予報から一転、薄曇りの下で14時にレーススタート。距離30km、時間にして40分の短距離レースゆえに、最初から最後までアタッカーと集団スプリントに持ち込みたいチームの主導権争いが続くこととなる。



混沌の集団先頭を固めたのはソリューションテック・ヴィーニファンティーニだった。弱虫ペダル特別ペイントのヘルメットを着用した新城幸也も加わり、新城と共にバーレーンから移籍したドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア)のためにペースメイク。一方でトレンガヌやJCLチーム右京の小石祐馬、キナンの宇賀隆貴らが積極的にアタックを仕掛け続けた。
9周目には全日本王者の小林海を含む落車が発生したものの、多勢に影響はなくレースは続行。結果的に逃げは生まれず、レース終盤に入るとオレンジジャージのヴィクトワール広島がコントロールする時間が続いたが、残り3周回で飲み込まれる。残り1周回で前に出たブリヂストンのスプリントトレインも主導権を握ることができず、どのチームもスプリンター単騎となりながら最終コーナーをクリアした。


180度コーナーへのブレーキング競争で先頭に立ったシュルツが、Jプロツアー連勝中のスプリント力でロングスパート。しかしそのスリップストリームに入ったラヨヴィッチがフィニッシュライン手前で追い抜いて先着。元ワールドツアー選手として、今大会唯一のUCIプロチームとしての矜持をアピールした。


ツール・ド・熊野は1日空けて、5月8日(木)に第1ステージを開催。足慣らしを終えた選手たちの戦いに期待したい。
ツール・ド・熊野2025 和歌山城クリテリウム結果
1位 | ドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) | 40:03 |
2位 | エリオット・シュルツ(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | |
3位 | ネイト・ハッデン(オーストラリア、セントジョージ・コンチネンタルサイクリングチーム) | |
4位 | 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) | |
5位 | チュー・ツン・ワイ(香港、HKSIプロサイクリングチーム) | |
6位 | 岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング) | |
7位 | 橋本英也(キナンレーシングチーム) | |
8位 | 中村圭佑(ヴィクトワール広島) | |
9位 | ジョルジェ・デュリッチ(セルビア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) | |
10位 | ジョアン・ロランド(イタリア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) |
text:So Isobe
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