1級山岳で争われたボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ第2ステージで、バーレーン・ヴィクトリアスがワンツーフィニッシュ。サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア)が勝利し、13位のマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)が総合首位を守った。



バレンシアオレンジ畑を駆け抜けるプロトン photo:CorVos

ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2025第2ステージ Volta a la Comunitat Valenciana

スペイン第3の都市バレンシアで開催中のプロシリーズ初戦、ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナは2日目を迎えた。ロードレース初戦であるこの日は、バレンシアの南に位置するラ・ヌシアから周辺の山岳地帯を巡る166km。終盤に2つの2級山岳を越え、最後は平均勾配9.6%の1級山岳ベニファトの頂上を目指す。

大会唯一の山頂フィニッシュで争われた戦いで注目されたのは、ジェイコ・アルウラーの新エースであるベン・オコーナー(オーストラリア)やジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)。前日のチームタイムトライアルで勝利し、総合リーダージャージを着るマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)が先頭でスタートは切った。

獲得標高差3,706mのレースで逃げを打ったのは、26歳にしてプロデビューしたカンタン・ベザ(フランス、ワグナー・バザンWB)を含む5名。最大4分のリードを得た逃げ集団だったが、レース後半に入るとUAEチームエミレーツXRGがメイン集団のペースを上げる。残り24kmで逃げグループを吸収したプロトンは、引き続きUAEがハイテンポでライバルたちにプレッシャーをかけた。

アタックを試みたトビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

そのため人数が徐々に絞られていき、残り17km地点からトビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ)がアタック。20秒差をつけた元TT世界王者に対し、アルメイダが自ら追いかける。しかし最終山岳の手前である残り6.5km地点でフォスに合流したのは、ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)とイバン・ロメオ(スペイン、モビスター)の2名だった。

1級山岳ベニファトに入るとフォスが先頭集団から遅れ、追走集団ではアルメイダとブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)が先頭で追いかける。そして急勾配区間の残り500mから、追走集団で脚を溜めていたサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)がアタック。ブイトラゴはアルメイダらを引き離し、単独先頭で踏み続けたビルバオに追いつく。

アルメイダの猛追を確認したブイトラゴは、ビルバオも抜き去り、ステージ優勝を飾った。そしてビルバオが9秒遅れの2位に入ったため、バーレーンはワンツーフィニッシュを達成した。

アタックを成功させ、今季初勝利を飾ったサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

「今シーズンを勝利でスタートできてとても嬉しい。僕個人はもちろん、チームとしても価値ある勝利だ。チーム全員が素晴らしい走りをしたおかげ。この結果は残りのシーズンに向けた自信になる」と喜んだブイトラゴ。今年は新加入のレニー・マルティネス(フランス)と共にツール・ド・フランスへの出場が内定している。

ヴァチェクは57秒遅れの13位でフィニッシュし、2秒差で辛うじて総合首位キープに成功。翌日も終盤に1級山岳を越える山岳ステージのため、ステージ優勝と共に総合争いが注目される。
ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2025第2ステージ結果
1位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) 4:07:54
2位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:09
3位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) +0:13
4位 ジェフェルソン・セペダ(エクアドル、モビスター) +0:21
5位 テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) +0:24
6位 イバン・ソーサ(コロンビア、エキポ・ケルンファルマ) +0:25
7位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) +0:34
8位 カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)
9位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:39
10位 イバン・ロメオ(スペイン、モビスター)
13位 マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) +0:57
個人総合成績
1位 マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) 4:48:10
2位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) +0:02
3位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:05
4位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:16
5位 テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) +0:19
6位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) +0:27
7位 カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) +0:28
8位 ジェフェルソン・セペダ(エクアドル、モビスター) +0:30
9位 イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) +0:48
10位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:54
その他の特別賞
ポイント賞 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)
山岳賞 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)
ヤングライダー賞 マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)
チーム総合成績 バーレーン・ヴィクトリアス
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos