4月4日(木)のレースで落車し、鎖骨と肋骨を骨折したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)。容態は安定しているものの、新たに肺挫傷と気胸が明らかとなった。



落車により骨折に加え、肺挫傷と気胸を負ったヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク) photo:CorVos

ヴィスマ・リースアバイクは4月5日(金)、前日のイツリア・バスクカントリー第4ステージで落車したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)の容態を報告。「病院で検査を受けた結果、(骨折の他に)肺挫傷と気胸を負っていることが分かった。彼は安定した状態で一晩を過ごし、依然として入院している」と伝えた。

落車直後のヴィンゲゴーはコース外の側溝でうずくまり、その後はストレッチャーに乗せられ、酸素マスクをつけられながら救急車で搬送されていく姿が確認されていた。

また同じく落車し、総合首位のままレースを去ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)については、監督であるパチ・ヴィラ氏がコメント。「幸運にも検査の結果、プリモシュに深刻な問題(怪我)は見つからなかった。本人も”大丈夫だ”と言っており、擦過傷もすぐに治ることだろう。この後すぐに家に戻る予定だ」と、落車直後の報告通り骨折などがないことを伝えた。

落車により棄権したエヴェネプールとログリッチ。写真は3月のパリ〜ニース photo:CorVos

また鎖骨と肩甲骨を骨折したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)に関する追加情報はないものの、翌第5ステージでチームメイトであるミケル・ランダ(スペイン)が落車。その結果、右鎖骨に加え第5と6の肋骨骨折が判明し、チームは「合併症がない限り、手術ではなく保存療法を取ることに決まった」とリリースで発表している。

バスク第4ステージで落車によりレースの中断が告げられたメイン集団 photo:CorVos

落車が発生した残り36km地点のコース(コーナー)について、落車を免れたマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)はレース後「(落車のあった付近の)道がとても凸凹しており、コーナーに入るプロトンの速度が速すぎた」とコメントした。

更に同大会には出場していないものの、コースを良く知るバスク出身のミケル・ビスカラ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)は「この辺りの道は木の根がアスファルトの下に張っているのでとても凹凸があるんだ。それは目視できるが、気づかず通れば(バイクごと)跳ねてしまい、ハンドルをしっかりと握っていないと簡単に吹き飛ばされてしまう」と、落車の原因について自らの見解をSNSに綴った。

そしてプロ選手組合(CPA)の会長であるアダム・ハンセンも本件に関してSNSに投稿。「CPAは(落車によって)倒れている選手を映し続けるテレビ中継を支持しない。それは落車した選手たちとその家族に対するリスペクトに欠けることだから。選手から僕に対し”これをルールで禁止できないか”と問い合わせがあった。我々はその意見を支持する」と、今回の落車に対して違った視点から意見を述べている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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