シマノが新たに3つのフラッグシップシューズを一挙に発表。第4世代S-PHYREのテクノロジーを搭載した、XC/CX向けの"S-PHYRE XC903"、トラックやスプリンター向けの"S-PHYRE RC903PWR"、そしてシリーズ初となるトライアスロン向けの"S-PHYRE TR903"がラインアップに加わった。



新たにS-PHYREシリーズにトライアスロンモデルが登場した (c)シマノ

コンポーネントメーカーとして世界最大のシェアを誇るシマノは、その一方でシューズブランドとしても高い評価を得ている。特にフラッグシップとなる"S-PHYRE"シリーズは、独自の構造による高いフィット感と比類のないペダリング効率を両立し、マチュー・ファンデルプールらトップレーサーたちからも愛用される名作だ。

そんなS-PHYREシリーズのオフロードモデル、スプリンターモデルがフルモデルチェンジを果たし第4世代へ進化。更に、シリーズ初となるトライアスロンモデルも新登場し、一足先に第4世代へと進化していたロードモデル"RC903"と合わせ、隙の無いラインアップを完成させた。

S-PHYRE XC903

シマノ S-PHYRE XC903(ホワイト) (c)シマノ

MTBのクロスカントリーレースやシクロクロスなど、オフロードレースにフォーカスを当てたXC9が第4世代の"XC903"へとモデルチェンジ。より洗練されたプロ仕様の設計を与えられ、タフコンディションでも優れたパフォーマンスを発揮するレーシングシューズへ進化した。

前作より360°サラウンドラップアッパー構造やシームレスミッドソール構造、そして優れたグリップを有するULTREAD XCラバーアウトソールといった主要な設計を受け継ぎつつ、アッパー周りに大きく手を入れ、よりフィット感と快適性を向上させている。

優れたグリップを有するULTREAD XCラバーアウトソールを採用 (c)シマノ

アッパーにはメイン素材として薄く軽量性に優れるマイクロファイバーシンセティックレザーを採用。前作では爪先側の素材を変更していたが、今作では1枚のファブリックでシームレスな設計とされている。

一方、前作で親指側と小指側のアッパーが重なっていたエリアには柔軟性に富むメッシュを配置。更に、BOAワイヤーを通すパーツも従来の樹脂製からファブリック製へと変更されることで、強く締め付けた際にも足に食い込みづらく快適な履き心地を実現した。

シマノ S-PHYRE XC903(ブラック) (c)シマノ

また2つ配置されるBOA Li2ダイヤルの内、前側に配置されるダイヤルにはシールドが設けられている。オフロードレースで想定される、不意の衝撃によってダイヤルがリリースされることを防ぎ、レース中のトラブルを抑止する設計となっている。

サイズはスタンダード幅が36、37、38、39 ~ 47(ハーフサイズあり)、48、ワイド幅は38、39 ~ 47(ハーフサイズあり)、48という展開。カラーはホワイトとブラックの2色が用意される。価格は57,200円(税込)。

S-PHYRE RC903PWR

シマノ S-PHYRE RC903PWR (c)シマノ

前世代ではトラックレーサーやスプリンター向けの強化モデルとして用意されていたRC902Tもまた、第4世代に。トラックのイニシャル"T"をつけていた前作に対し、RC903PWRとモデル名を変更し、パワー系のライダー全般を対象とした一足として、新たに送り出されることに。

BOA Li2ダイヤル一つと、前足部のベルクロで構成されるクロージャーシステムは前作同様。BOAダイヤルはメタル仕様へと変更されており、より高級感のあるルックスとかっちりとした操作感に。

他の第4世代モデルでは樹脂製のワイヤー受けが廃止されているが、このRC903PWRではケーブルルーティングを変更することでフィット感を調整できるパワーブーストシューレースガイドが続投し、より強い締め込みを可能としている。

シマノ S-PHYRE RC903PWR (c)シマノ

マイクロファイバーシンセティックレザーを採用するアッパーは、より細かな通気孔がパンチングされ、通気性を向上させつつ優れた耐伸縮性によって、ペダリングパワーをしっかり受け止める。

更に、ロードモデルには無いシュータンがアッパーと一体化した形で実装されており、強大なパワーを発揮するスプリントなどでの安定感を高めてくれるという。

アウトソールとヒールカップには煌びやかなクリスタル加工が施される (c)シマノ

アウトソールとヒールカップのグラフィックもユニークな仕上げとなっており、煌びやかなクリスタル加工が施されることで、通常モデルとは一味違った存在感を放つ一足に仕立てられた。

サイズはスタンダード幅が36、37、38、39 ~ 47(ハーフサイズあり)、48、ワイド幅は38、39 ~ 47(ハーフサイズあり)、48という展開。カラーはホワイトのみで。価格は60,500円(税込)。

S-PHYRE TR903

シマノ S-PHYRE TR903 (c)シマノ

これまでS-PHYREシリーズとして展開されてこなかったトライアスロンシューズ"TR9"が、遂にシリーズの一員に仲間入り。前作に位置づけられるTR901から大幅に進化した一足として発表された。

トライアスロンならではのトランジション時の素早い着脱を可能としつつ、ペダリング時には最大限のフィットとパワー伝達を実現するレースシューズとして、様々なテクノロジーが採用されている。

足首側に幅広のT1クイックストラップ (c)シマノ

最も目を惹くのは、クロージャーシステムだろう。従来、大小2つのベルクロを採用していたのに対し、このTR903では足首側に幅広の"T1クイックストラップ"を配置、前足部はBOA Li2ダイヤルで締め込む設計となり、着脱のしやすさはそのままにフィット感を大きく改善した。

アッパーは防水シンセティックレザーに通気性を高める速乾メッシュパネルを組合せ、走行中に積極的に空気を取り入れる設計とされている。更に、ホローカーボンミッドソールが効果的に水分を排出することで、スイム後の足を効果的に乾かし、いち早くペダリングに集中できる状態を作りだしてくれる。

アウトソールの剛性レベルは10と抑えめな数値に (c)シマノ

更に、ソフトなパッド入りライナーを配置することで、裸足でも痛みを感じることなく快適なペダリングを可能に。トランジションタイムを削るためにソックスを着用しない選手も選びやすい一足となっている。

アウトソールの剛性レベルはロードモデルよりも控えめの"10"(最高は12)に設定されていることもポイントだ。加減速が少ないコースが多く、また続くランに足を残すことも必要なトライアスロンらしい設計だ。

スタンダード幅のみとなり、サイズは36、37 ~ 47(ハーフサイズあり)、48、49、50という展開。カラーはブルーのみで、価格は50,600円(税込)。



シマノS-PHYRE XC903
カラー:ホワイト、ブラック
サイズ(スタンダード): 36、37、38、39 ~ 47(ハーフサイズあり)、48
サイズ(ワイド):38、39 ~ 47(ハーフサイズあり)、48
価格:57,200円(税込)

シマノS-PHYRE RC903PWR
カラー:ホワイト
サイズ(スタンダード):36、37、38、39 ~ 47(ハーフサイズあり)、48
サイズ(ワイド):38、39 ~ 47(ハーフサイズあり)、48
価格:60,500円(税込)

シマノS-PHYRE TR903
カラー:ブルー
サイズ(スタンダード):36、37 ~ 47(ハーフサイズあり)、48、49、50
価格:50,600円(税込)

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