合意間近と言われていたユンボ・ヴィスマとスーダル・クイックステップの合併が、破談になったと複数の現地メディアが報じた。10月6日(金)にユンボの選手やスタッフに対してその旨伝えられたのだという。



チームメイトになる可能性が一転、立ち消えとなったエヴェネプールとヴィンゲゴー photo:CorVos

ベルギーやオランダのメディアが、ユンボ・ヴィスマとスーダル・クイックステップによる合併の消滅を報じたのは10月6日(金)のこと。ユンボ・ヴィスマが、所属する選手やスタッフに対しその旨を伝えたのだという。これが事実であれば、UCI(国際自転車競技連合)も巻き込んだ騒動に決着がついたことになる。

そもそも今回の合併はユンボ社(スーパーマーケットチェーン)に代わるタイトルスポンサー探しに奔走するユンボ・ヴィスマが、スーダル・クイックステップを保有するチェコ人投資家ズデネク・バカラ氏に話を持ちかけたことから始まったと言われている。しかし、両者は最終局面で合意に至らなかったようだ。

またユンボ・ヴィスマには合併と平行して、アメリカのネット通販会社アマゾンがスポンサードする話が浮上。しかし、オランダのADによるとその話も立ち消えとなり、代わりにチームのバイクスポンサーであるサーヴェロやキャノンデールを傘下とするポン・ホールディングスが、2024年に約1.2千万ユーロ(約19億円)のスポンサードを行うのだという。

最後までチーム存続に尽力したパトリック・ルフェーブルGM photo:Makoto AYANO

引き続き移籍問題に注目が集まるレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

一方のスーダル・クイックステップは、2027年までスポンサー契約を行うスーダル社やクイックステップ社、そしてスペシャライズドの体制は変わらず。合併の破談が報道される直前までは、パトリック・ルフェーブルGMがワールドチームの権利を使い溢れた選手で新しいチームを作ると語っていたが、その必要もなくなりそうだ。

また、本日開催のイル・ロンバルディアに出場するレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は、合併問題が取り沙汰されてから初めてインタビューに答え「僕らは報道以上のことは何も知らない」とコメント。2026年までチームとの契約を残しながらも今回の騒動以前からイネオス・グレナディアーズへの移籍が噂されている件も含め、「今は全て力を最後の大きなシーズン目標であるイル・ロンバルディアに向けたい」と語っている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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