とどまることを知らないピレリの新モデル攻勢。今回は新たにグラベルレーシングタイヤの"Cinturato Gravel RC-X"がラインアップに加わった。よりサポート力の高いケーシング構造を採用し、過酷な環境においてもライダーを支えるエクスペディションモデルだ。



ピレリが新たに発表したグラベルレーシングタイヤ Cinturato Gravel RC-X (c)カワシマサイクルサプライ

近年加速度的に人気を高めるグラベルレース。アンバウンドグラベルやグラインデューロといった火付け役のイベントの参加権はプレミアチケットと化し、そして昨年には世界選手権が開催されるまでに。一つのジャンルとして確固たる地位を築いたグラベルカテゴリーだが、その隆盛に合わせるように機材も日進月歩の進化を果たしている。

その中でも最も進化速度の速いプロダクトがタイヤだろう。グラベルというジャンル自体が包含する多様性は他のどのカテゴリーよりも幅広い。舗装路から、ハードパックな砂利道、ドロドロのマッドコンディション。コースによってはMTB顔負けのシングルトラックまで登場し、グラベルタイヤがカバーするべき範囲というのはどんどんと拡大している。

よりハードな路面のグラベルレースに向けた開発されたエクスペディションモデルだ (c)カワシマサイクルサプライ

そんな状況の中、ピレリが昨年末にリリースしたのが"Cinturato Gravel RC"。MTBレースで実績のあるScorpion XC RCをベースとしたトレッドパターンを採用することで転がり抵抗の低減と高いコーナーグリップを両立したピュアレーシングタイヤとして、グラベルレースを制するために開発されたハイエンドモデルだ。

既に高い評価を得ていたCinturato Gravel RCだったが、ピレリは更にその強化モデルとして"Cinturato Gravel RC-X"を発表。この新作が目指したのは、よりラフな路面で行われるグラベルレースでの高い信頼性と優れたパフォーマンスだ。そのために、ピレリは新たなケーシングストラクチャーとなる"TechWALL GRAVEL X"を開発した。

新たに開発されたTechWALL GRAVEL X。従来トレッド下のみであったオーバーラップ領域(ケーシングが3層になるエリア)がタイヤ全周まで拡大した。 (c)カワシマサイクルサプライ

このTechWALL GRAVEL"X"とスタンダードモデルに採用されるTechWALL GRAVELの違いは、ケーシングの層数にある。スタンダードモデルのケーシングが3重にかさなるのがトレッド直下のみであるのに対し、この強化モデルではタイヤ全周に渡って3層の60TPIケーシングが支える構造となっている。加えて、通常モデル同様にビードからビードに渡って配置された高強度ナイロンの強化レイヤーが配置されており、ピレリのグラベルタイヤラインアップの中でも最高のサイドウォール剛性とプロテクションを実現した。

新ケーシング構造以外の部分については、スタンダードモデルと共通設計とされている。トレッドパターンも同一とされるほか、オンロードとオフロードどちらでも低い転がり抵抗を発揮しつつ、ウェットグリップと優れた耐久性を兼ね備えた"SpeedGRIP"コンパウンドを採用するのも共通だ。

Scorpion XC RCをベースとしたトレッドパターンが高性能を実現する (c)カワシマサイクルサプライ

強化されたケーシング構造によって、ガレた岩場などでも最大限のサポート性能を発揮するようになった"Cinturato Gravel RC-X"。軽量に仕上げられた"RC"と、タフさに比重を置く"RC-X"が揃い、ピレリのグラベル向けレーシングタイヤのラインアップは更に盤石なものとなった。カラーは、クラシックとオールブラックの2色が用意され、現在は40mm幅(560g)のモデルから国内展開が始まっている。価格は11,900円(税込)

ピレリ Cinturato Gravel RC-X(クラシック) (c)カワシマサイクルサプライ
ピレリ Cinturato Gravel RC-X(ブラック) (c)カワシマサイクルサプライ





ピレリ CINTURATO GRAVEL RC-X
カラー:ブラック、クラシック
サイズ:700x40C
重量:560g
ケーシング:60tpi
ストラクチャー:TechWALL GRAVEL X
コンパウンド:SPEEDGRIP COMPOUND
価格:11,900円(税込)