8月6日(土)の男子ジュニアロードレースを完走した渡辺一気は「力を出し切りました」と語り、藤村一磨は「落車という最悪な展開となってしまった」と悔しさを口にした。日本から出場した2人のコメントを紹介します。



渡辺一気(北海道科学大学高等学校):48位

下りでの走りが光った渡辺一気 photo:Kei Tsuji

全然違うところで走っていたので(藤村選手が)落車したことはずっと知りませんでした。時間にしてスタートから45-50分間は集団内で走れていましたが、コーナーが連続する三周目の前半に位置を下げてしまったところで中切れが起こり、詰めることができずに脱落してしまいました。

力があったら中切れも埋めることができていたと思うし、力不足という結果になりました。脱落してからは大きな追走集団の中で走っていたんですが、徐々に前の集団とのタイム差が広がっていくにつれて「しっかりこの集団でフィニッシュする」ということが目標になりました。

48位で完走を果たした渡辺一気 photo:Kei Tsuji

何回か海外のレースを走って、大柄な選手と一緒に走ることも多かったんですが、集団内の位置取りは体の大きさに関係なくできていたと思います。幼少期からマウンテンバイクに乗っていたのでバイクコントロールや下りには自信がありましたし、実際に周りの選手にコーナリングで劣っているとは思いませんでしたが、勾配のある登りが多く、一発一発のパンチ力が劣っていると感じました。

下りで前に出て、登りでポジションを落としながらの繰り返し。得意な下りの力を確認できたのは良かったものの(インターバルのかかる)登りの力を改善しないといけないと思いました。

獲得標高の数字を見る意味がないと思うほど、数字ではわからない辛いコース。出し切りました。

藤村一磨(都城工業高校):DNF

モントローズ通りを登る藤村一磨 photo:Kei Tsuji

一周目の後半に落車して、リアディレイラーが壊れてしまったのでチームカーのスペアバイクでレースに復帰しました。落車した時点で集団に復帰しやすいコースじゃないことと、先頭でペースが上がりきっている状態だったので(厳しいレースになった)。追い上げているうちに前から落ちてきた選手たちに合流したものの、追いかける雰囲気はありませんでした。とにかくトラブルで自転車を交換している選手が多かったです。

落車が起こる場所で走っているのも実力のうちだとは思いますが、落車していない展開で自分を試したかったです。集団の前から20-25番目で走っていて、3人ほど前の選手がフェンスに突っ込んで落車。そこに突っ込む形になりました。「トラブルがあったらレースが終わる」と思っていた中で、一周目から落車するという最悪な展開になってしまい、自分の力も試すことができなかった。

序盤で落車に見舞われた藤村一磨 photo:Kei Tsuji

ジュニアの最後の世界選手権で、自分のために結果を残したいと思っていました。1ヶ月前からフランスのレースを走らせてもらって、去年よりもずっと良い成績を残せていましたし、良い準備ができていました。

集団の後ろにいれば中切れを埋めたり足を使うコースなので、20-30番目よりも前、先頭で走るぐらいの気持ちでした。世界選手権で自分の力を試すのが楽しみだったんですけど、良くない結果になってしまった。

次は韓国でのネーションズカップ。そしてU23に上がってからヨーロッパでどう戦うかがこれからの目標です。

text&photo:Kei Tsuji
edit:Sotaro.Arakawa