大舞台でプロ初勝利を飾ったダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)は「素晴らしいという言葉以外で、この気持ちは表せない」と喜んだ。向かい風の影響もあり、平穏のジロ7日目を終えたエヴェネプールやログリッチらのコメントを紹介します。



区間1位&マリアアッズーラ(山岳賞)ダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)

表彰台に立つダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ) photo:CorVos

まだ自分が成し遂げたことが理解できていない。こんな形でプロ初勝利を飾ることができるなんて、素晴らしい以外の言葉はない。この勝利はチームメイトかつ、現在(脳腫瘍と)戦っているアルトゥロ・グラヴァロスに捧げたい。

今日は勝利ではなく山岳ポイントを狙うべく逃げに乗り、最後は総合を争うロレンツォ・フォルトゥナートのアシストができればと考えていた。だが途中から勝利が近づいてきたので目標を切り替え、最後の勝負に向けて力を温存した。

チームに2年振りのジロ区間優勝をもたらしたダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ) photo:CorVos

最後の4〜5kmは僕にとって最高の展開となった。自分が勝つにはスプリントしかないと思い、アタックに食らいついた。心を落ち着かせながら登り、無線を通して伝えられる監督の言葉に集中した。補給を忘れて燃料切れを起こさないよう気をつけながらね。

兄であるマッティアと同じチームでこのジロを走ることができ、最高の気分だ。もちろんこの後のステージでは彼も僕と同じくアタックを仕掛けるだろう。また、ビッグネームの選手たちからマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を守ることは難しいだろう。でもベストを尽くすよ。

区間3位 シモーネ・ペティッリ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)

雪が残るグランサッソ・ディタリアに至った先頭の3名 photo:CorVos

最後のスプリントに向けて脚を残しておくべきだったが、先頭を引きすぎてしまったようだ。チームとしての目標であるステージ優勝まであと少しのところまで迫ったものの、惜しくも逃してしまった。だが僕たちは諦めず、最後まで挑み続ける。

マリアローザ アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)

この日もマリアローザを着て走るアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) photo:CorVos

最後の数kmしかペースの上がらない、僕にとってラッキーなステージとなった。おかげで明日もマリアローザを着ることができる。激しいアタック合戦を予想していたので、正直退屈すら感じていた。この結果が素直に嬉しい。

総合2位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

プロトンの先頭をとったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

6時間以上もサドルの上にいる、とても長い日だった。頂上付近の気温は低く、向かい風も吹いていたので誰も仕掛けることはなかった。(ボーナスタイムのない4位を争う)スプリントに意味はないのは知っていたが、トラブルを避けるべく先頭でフィニッシュしたかったんだ。この後は厳しくなるであろう明日のレースのために、身体をしっかりと休めたい。

総合5位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

状況的に何もできなかった。でも脚の状態は良く、来るステージに向けて良い兆候だ。強い風の中、大きな集団からアタックするのは賢い選択とは言えなかった。今日もまたチームメイトたちは良い走りで僕を守ってくれた。

総合6位 ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

強い向かい風の影響でアタックが生まれなかった。誰も先頭に出てペーシングすることを嫌い、みんな集団の中で楽に走ること選んだ。僕自身としては展開を作りたかったのだが、そんな状況ではなく手詰まりだった。雨によって身体が冷えたものの、山に入ると止んだ。雨はまるでイギリスを走っているような気分になるのでそんなに嫌ではないよ(笑)。

―この後のケーブルカーでの下山を楽しんでくれ。

そうするよ。でも、どうやらプロスキーヤー(ログリッチ)は慣れない乗り物に少し怖がっているようだね。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos