「キャリア最大の勝利は夢のよう」とオレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン)は語り、悔し涙を流したアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)は「信じられない」とマリアローザ獲得を喜んだ。ジロ4日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



区間1位 オレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン)

一度遅れながらもレックネスンに食らいつき、勝利したオレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン) photo:CorVos

今年最大の目標がこのジロ・デ・イタリアだった。だからこの3週間の戦いのため、たくさんのトレーニングを積んできた。今日は逃げ切りに向いているステージであることは明らかで、だからこそステージ優勝と総合上位を狙う僕たちのチームにとって重要な日だった。とても厳しいレースでフィニッシュまでは苦しかったが、結果的に僕にとって完璧な日となった。本当に嬉しいよ。

彼(レックネスン)よりも僕の方がスプリントでは優れていると思っていた。だから最後まで協力して僕は勝利を、彼はマリアローザを獲得した。だからみんなハッピーだと思う。

これが自身ワールドツアー初勝利となったオレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン) photo:RCS Sport

キャリア最大の勝利を手に入れた夢のような日。長時間に渡って逃げに乗るために争い、それが実を結んだ。最後の登坂で離されてしまったが、追いつけばスプリント力で上回る僕に勝機があると思っていた。

今日は皆、逃げ集団に入ることが即ちステージ優勝争いだと分かっていた。だから何よりも逃げに乗ることが重要だった。総合でも3位に浮上したものの、総合優勝を目指すなんてことはない。

区間2位&マリアローザ アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)

ステージ優勝を逃し、悔し涙を流すアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) photo:RCS Sport

このジロではステージ優勝を狙いに来た。それは今日の目標でもあったが、途中でピンク(マリアローザ)も可能であることに気がづいた。それでも僕は勝利しか見ていなかった。ステージ優勝を目指せば、自動的にピンクもついてくると思っていたからね。両方を狙いに行ったのだが…。でも、マリアローザを獲得することができて嬉しいよ。

―マリアローザを着用する2人目のノルウェー選手となったことについて、どう思う?

特別な思いだよ。ここ数日間、皆に「なんてマリアローザは美しいのだろう」と言っていたぐらい。最低でも明日1日は、マリアローザを着て走ることができる。なんて信じられないし、本当に嬉しいよ。

マリアローザを獲得したアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) photo:CorVos

最後は力を尽くしてアタックを仕掛けた。パレパントルが追いつかれた時に、既に僕の脚は痛みでいっぱいだった。その後はひたすらフィニッシュを目指し、全力で踏み込んだ。マリアローザもレース前に掲げた目標の一つだった。しかし自転車競技はそんなに簡単なものではない。だからこそ、ジャージを獲得できたことが信じられないんだよ。

区間3位 トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)

トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) photo:CorVos

逃げに乗ることができた僕らの目標は、ステージ優勝と、チャンスがあればアマヌエル(ゲブレイグザビエル)でマリアアッズーラ(山岳賞)を狙うことだった。そして運が良ければ、僕自身がマリアローザを着用できればと思っていた。

最終山岳でアタックし、総合で僕よりタイムの良いレックネスンを引き離そうと試みた。しかしパレパントルらの反応を見て、彼らのほうが脚があることがわかった。だからアマヌエルの勝利に目標を絞ったものの、2人には敵わなかった。優勝は逃したがステージ3位も悪い結果じゃない。それに僕らは良く戦ったし、全力を尽くした。ただ単純に前の2人が強かっただけだ。

ログリッチのアシストに徹したクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)

逃げに乗ればステージ優勝とマリアローザが狙えると、多くのアタックが繰り返されるジロ特有の難しいステージとなった。それと同時に美しいステージだった。皆が疲れるレースで、最終盤は僕とセップ(クス)がプリモシュ(ログリッチ)のアシストにつき、一緒にフィニッシュした。プリモシュの調子は良かったものの、今日の目標はタイムを失わずレースを終えること。来る戦いに向け、僕らの準備が万端だと示すことができた。

総合2位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

マリアローザを手放したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

マリアローザを失ったことに悲しみはない。なぜなら明日はアルカンシエルを着用するのだからね。それに首位と僅か20〜30秒差しか離れていないので、良い状況にあるということができる。今日は厳しいステージで、前半は特に平均時速が高く、混沌とした展開だった。そんな中でもチームは素晴らしい走りを見せ、レースを通して気持ちよく走ることができた。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos