5日間に及ぶツール・ド・台湾が閉幕し、最終日の集団スプリントで岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が2位に入った。総合ではベンジャミ・プラデス(スペイン、JCL TEAM UKYO)が3位入賞を果たしている。初日、2日目のレースレポートはこちらから。
チームプレゼンテーションでポーズをとるキナンレーシングチーム photo:Tour de Taiwan 台湾の首都である台北市をスタートし、5日間をかけて南の高雄市を目指すツール・ド・台湾(UCI2.1)。アジアでも主要のステージレースである大会には日本からは愛三工業レーシングチームとJCL TEAM UKYO、キナンレーシングチーム、ヴィクトワール広島の4チームが出場した。
第3ステージ
リーダージャージを着用して第3ステージを迎えたレイモンド・クレダー(オランダ、JCL TEAM UKYO) photo:Tour de Taiwan レイモンド・クレダー(オランダ、JCL TEAM UKYO)が総合首位で迎えた第3ステージは、新竹市から山岳地帯を通って新竹市に至る154.5km。コース中盤に1級山岳が登場するものの、それ以外は平坦基調のため集団スプリントが予想された。
MTB選手でもあるカミロ・ゴメス(コロンビア、トリニティレーシング)の飛び出しをきっかけに成立した逃げは4名。メイン集団はリーダーチームであるJCL TEAM UKYOがコントロールし、残り50km地点で早くも逃げを吸収する。その後ライアン・カバナ(オーストラリア、キナンレーシングチーム)や小石祐馬(JCL TEAM UKYO)の入った先頭集団が形成された。
第3ステージを制したティジル・デデッカー(ベルギー、ロット・デスティニー) photo:Tour de Taiwan しかしこの逃げも長くは続かず、残り19km地点でプロトンは三度ひと塊となる。アスタナ・カザフスタン・デベロップメントチームやグリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネが集団前方に人数を集めながら集団スプリントへ。草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)のアシストから岡本隼が飛び出したものの、圧倒的なスピードを披露したティジル・デデッカー(ベルギー、ロット・デスティニー)が勝利した。
第4ステージ
大会4日目のチームプレゼンテーションに臨んだヴィクトワール広島 photo:Tour de Taiwan プロトンの牽引を担当したJCL TEAM UKYO photo:Tour de Taiwan 大会4日目は総合優勝の行方を決定づけるクイーンステージ。南投県を巡るステージは165.5kmで、フィニッシュ地点は2級山岳(距離18.9km/平均3.1%)を登って細かなアップダウンを越えた先にある。10名による逃げグループが成立したこの日も、リーダーチームのJCL TEAM UKYOがバルディアーニCSFなどの協力を得ながらプロトンの牽引を担当した。
第4ステージでスプリント勝利を挙げたイエロン・メイヤース (オランダ、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム) photo:Tour de Taiwan ベンジャミ・プラデス(スペイン、JCL TEAM UKYO)が区間3位に入った一方で、メイン集団からクレダーが遅れたことにより、ボーナスタイム-10秒を加算したメイヤースが総合首位浮上を叶えた。
第5ステージ
この日2つの中間スプリントをトップ通過したライアン・カバナ(オーストラリア、キナンレーシングチーム) photo:Tour de Taiwan 大会最終日は台湾第3の都市である高雄市を巡る146.4kmのステージ。レース中盤に現れる2級山岳を越えてからは、なだらかな下りがフィニッシュまで続いていくスプリントステージとなった。序盤からアタックと吸収を繰り返しながら、山本大喜(JCL TEAM UKYO)やカバナを含む9名の逃げグループが形成された。
最終第5ステージのスプリントバトルを制したエンリーコ・ザノンチェッロ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ) photo:Tour de Taiwan バルディアーニCSFのトレインを先頭に最終ストレートに突入し、残り250mから早くも初日を制したマロヤ・プスビカースが先頭に立つ。しかしエースであるロイ・イーフティング(オランダ)が集団に埋もれ、加速したエンリーコ・ザノンチェッロ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)が迫る岡本を抑えて勝利した。