BMCが新型のグラベルバイク"KAIUS"を発表。同社のピュアロードレーサーであるSLR01のエッセンスを受け継ぎながら、グラベルレースを勝ち抜くために必要な要素を網羅した最新世代のグラベルレーサーだ。



急拡大を見せるグラベルというカテゴリ― BMCも新たにグラベルレーサーを送り出す急拡大を見せるグラベルというカテゴリ― BMCも新たにグラベルレーサーを送り出す (c)bmc-switzerland.com
昨今急拡大を見せるグラベルというカテゴリ―。当初はバイクパッキングと組合せたアドベンチャーライド、というイメージが強かったのも今は昔。新たな自転車の楽しみ方が出来れば、新たな競技が生まれるのは世の理であり、アンバウンドグラベルやジェロボームといったエピックなグラベルレースが世界中で人気を博している。

新しい葡萄酒は新しい革袋に入れよ、という聖句がある。これまでに存在しなかったグラベルレースという競技が生まれたのであれば、そのシチュエーションに適した機材が必要になるのは自明。グラベルレースを十全に戦うために必要なのは、エンデュランスロードでも、シクロクロスバイクでも、アドベンチャーツアラーでもなく、専用に開発されたグラベルレーシングバイクだ。

BMCが満を持して送り出すグラベルレーサー KAIUS01BMCが満を持して送り出すグラベルレーサー KAIUS01 (c)bmc-switzerland.com
この需要に対して、BMCが出した回答が今回発表された"KAIUS"だ。BMCは現在、既に10mmトラベルのリアサスペンションを内蔵した"URS"というグラベルバイクをラインアップしている。しかし、こちらはオフロードライドを"Unrestricted"に、つまり制限されずにエンジョイするために開発されたバイクであった。

つまり、BMCのバイクラインアップの中でぽっかりと空いていた、グラベルを高速で駆け抜けるためのレーシングバイクというニッチを埋めるのがこのバイクということ。KAIUSが掲げるコンセプトは"Unbound Speed"、何物にも縛られない速さ。BMCのマーケティングディレクターであるデイヴィッド・ヘイン曰く「灼熱のスペインの砂漠であろうと、地平線のないアメリカの砂利道であろうと」、最速で駆け抜けるための1台だ。

グラベルを最速で駆け抜けるために開発されたKAIUS01グラベルを最速で駆け抜けるために開発されたKAIUS01 (c)bmc-switzerland.com
BMCが新たなレーシングバイクを設計するにあたって、ベースとしたのが同社のピュアロードレーサーであるSLR01。登りでの効率性、長時間のレースで疲労を最小限に抑える快適性、そして高速走行を可能とするエアロダイナミクス……、グラベルレースに要求される性能はロードレースと非常に近いものがあり、BMCのレーシングテクノロジーの結晶であり、その性能が既に多くの勝利によって証明されているSLR01のDNAをKAIUSが受け継ぐのは自然な流れといえるだろう。

一方で、グラベルレース特有の条件となるのが、荒れたルーズな路面状況だ。この条件に対応するため、BMCは新たにカーボンレイアップを開発。グラベルレーサーとして必要な堅牢性を確保するため、飛び石などにさらされるダウンチューブの下側等にはプロテクション機能を持たせている。

BMCのSLR01のDNAを色濃く受け継いだレーシングバイクだBMCのSLR01のDNAを色濃く受け継いだレーシングバイクだ (c)bmc-switzerland.com
このように追加の部材が必要となる一方で、スーパーハイモジュラスカーボンの比率を高めることで剛性の向上と軽量化を図り、重量増加を最小限に抑えることに成功したという。フレーム単体で910g、フォークが400g、シートポストが160g、コックピットが315g、モジュール全体で1,785gという重量はグラベルバイクとしては出色だろう。実際、SLR01とKAIUSを同じグレードの完成車で比較した場合、わずかな重量増加にとどめられているというのだから驚きだ。

レーシングバイクとして重要なパワー伝達効率についても、SLR01譲りの設計が効果を発揮する。プレスフィットBBと左右非対称チェーンステーによって横方向の剛性とパワートランスファーを最適化し、踏み込んだ力を余すところなく速度へとつなげてくれるという。

空力を向上させるAEROCOREボトルケージを採用。シートチューブはタイヤクリアランスの確保、そして縦方向への柔軟性向上を企図してカットアウトされている空力を向上させるAEROCOREボトルケージを採用。シートチューブはタイヤクリアランスの確保、そして縦方向への柔軟性向上を企図してカットアウトされている (c)bmc-switzerland.com
もちろんグラベルバイクとして必要十分な快適性をも確保しているという。URSに採用されたMTTサスペンションシステムこそ搭載されないが、BMCの誇るTCCテクノロジーをグラベル向けにチューニングすることで、軽量でありながら高い快適性とトラクションを誇るフレームとして設計されている。

垂直方向へ積極的にしなるような設計とされたシートステー、そしてタイヤクリアランスを広げつつたわみ量を増やすことを意図しホイールに沿ってカットアウトされたシートチューブ、そしてACEテクノロジーが導きだした軽く、快適かつエアロなD型断面のシートポスト。これらの要素が荒れた路面を積極的にいなすことでトラクションを向上させると同時にライダーへのダメージを軽減し、長丁場のレースにおいても最後までハードにプッシュし続けることを可能とする。

ミニマルなデザインのD型断面シートポストミニマルなデザインのD型断面シートポスト (c)bmc-switzerland.com
長方形断面のコラムを採用するISCシステム。モデル名が刻まれた部位がトップチューブバッグ用のマウント台座となる長方形断面のコラムを採用するISCシステム。モデル名が刻まれた部位がトップチューブバッグ用のマウント台座となる (c)bmc-switzerland.com
フロントフォークも適度な柔軟性を与えられつつ、高弾性カーボンの採用とワイドスタンスな設計によって高い剛性、そしてシャープなハンドリングを獲得。テクニカルなグラベルダウンヒルをものともしないスタビリティを実現しているという。タイヤクリアランスも44mmを確保しており、グラベルレーサーとして必要十分なスペックを確保している。

ジオメトリーもグラベルレースに最適化されており、ヘッドアングルは72度(54サイズ)とやや寝かされつつもURSほどではない、安定感と俊敏性を両立した設定に。一方、BBドロップは80mmとかなり深めの設定。低重心でスタビリティを高める狙いがあるのだろう。トレイル値は51サイズ以下が66㎜、54サイズ以上は68㎜。更にリーチを長めにとることで、ショートステムを使えるようにする意図を持ったジオメトリーとのことで、レーシングバイクらしい機敏なハンドリングが期待できそうだ。

ケーブルフル内装を採用し、クリーンに仕上がるコックピット。空力効果も向上するケーブルフル内装を採用し、クリーンに仕上がるコックピット。空力効果も向上する (c)bmc-switzerland.com
大きくフレアしたICS Carbon Aeroハンドル大きくフレアしたICS Carbon Aeroハンドル (c)bmc-switzerland.com
最新のレーシングバイクとして欠かせないエアロダイナミクスについても抜かりはない。空気が最初に当たるため、空力面において最重要となるバイク前方部に関しては、BMCが誇るフル内装コックピットであるICSシステムを採用し、無駄なドラッグの発生を最小限にとどめている。

新たにKAIUSのため開発された一体型ハンドル「ICS Carbon Aero Cockpit」は、12.5度のフレア形状によってブラケット部を狭く、ドロップ部を広く設計することで、巡航時のエアロ性能とダウンヒル時のコントロール性を両立した革新的なデザインとなっている。なお、このハンドルは最上位モデルのKAIUS01 ONEのみの採用となり、日本で展開されるKAIUS 01 THREEにはハンドル別体型のケーブルフル内装対応モデルであるICS2ステムがアセンブルされる。ICS Carbon Aero Cockpitは、オプションパーツとして、別途販売が予定されているとのことだ。

闇夜のグラベルもものともしない走破性、安定性を有した一台闇夜のグラベルもものともしない走破性、安定性を有した一台 (c)bmc-switzerland.com
更にSLR01にも採用されたAEROCOREボトルケージの採用や、各所にカムテールデザインのチュービングを用いることで、グラベルバイクながら最新のオールラウンドロードレーサーに匹敵する空力性能を実現した。

一方で、拡張性に優れていることもKAIUSの特徴だ。ボルトオントップチューブマウントが用意され、グラベルレースに必要な携行品を持ち運ぶストレージも装着可能なうえ、27.2mmの丸形シートポストにも対応しているため、ドロッパーシートポストの使用も可能。フロント変速はシングルにもダブルにも対応する。また、先日発表されたばかりのサスペンション内蔵ケーブルフル内装ステムである"ICS MTT"にも対応しており、コースコンディションに合わせたセッティングの幅も確保されている。

BMC Kaius 01 THREEBMC Kaius 01 THREE (c)bmc-switzerland.com
グラベルレースを制するため、BMCのレーシングテクノロジーを結集して開発されたKAIUS01は、国内においては RIVAL eTap AXSにCRD-400カーボンホイールを組み合わせた"KAIUS 01 THREE"の一車種での展開となる。タイヤはピレリのCinturato Gravel Hの40㎜幅となり、手に入れてすぐグラベルレースに対応できるパッケージだ。用意されるサイズは47,51、54の3種類。価格は1,012,000円(税込)。




BMC KAIUS01 THREE
サイズ:47,51,54
フレーム: KAIUS01 Premium Carbon with Aerocore Design
フォーク: KAIUS01 Premium Carbon
コンポーネント:スラム RIVAL eTap AXS
ハンドル:BMC RAB02-1
ステム:ICS2
ホイール:CRD-400カーボンホイール
タイヤ:ピレリ Cinturato Gravel H 40㎜
カラー:サフラン&ブラック
価格:1,012,000円(税込)
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