黒人選手として初のグランツール区間優勝に輝いたビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が、ジロからのリタイアを発表。表彰式でのシャンパン抜栓時にコルクが目を直撃したことが原因としている。



勢いよく飛び出したコルクが目に直撃したビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ勢いよく飛び出したコルクが目に直撃したビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ photo:CorVos
「表彰式での出来事により、ビニヤム・ギルマイの左目前房に出血があることが判明した。出血箇所の拡大や眼圧の上昇を抑えるため、運動を控えなくてはない。怪我の完治を最優先に考え、我々はギルマイと共に第11ステージの不出走を決断した」。ビニヤム・ギルマイ(エリトリア)が所属するアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオのチームドクターであるピート・ダニールス氏は、5月18日の早朝(現地時間)にプレスリリースを通してそう発表した。

5月17日に総距離196kmの丘陵ステージで行われた第105回ジロ・デ・イタリア第10ステージ。第2週目の初日として行われたレースは集団スプリントに持ち込まれ、ギルマイがマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)を下し、黒人選手として初のグランツール区間優勝に輝いた。

しかしギルマイは表彰セレモニーで手渡されたシャンパンの抜栓に手こずると、勢いよく飛んだコルクが左眼に直撃。ギルマイはすぐさまレースに帯同する医療スタッフの処置を受け、その後病院で検査と治療を受けた。

歓喜の瞬間から5時間後、アンテルマルシェはツイッターにギルマイがワイングラス片手にチームメイトと勝利を祝っている写真を投稿。ギルマイの左目に眼帯などが付けられていないことから、翌日の出走への影響は少ないという憶測もされていた。

ギルマイはリタイアについて「不運にも出走を取り止めることにした。理由は目の回復に時間が必要だから。僕を応援してくれる全ての人たちに感謝を伝えたい。僕は大丈夫。また近いうちに会おう」とコメント。今後のレーススケジュールは怪我の回復具合によるものの、大きな変更がなければギルマイはブリュッセル・サイクリングクラシック(6月5日)とロンド・ファン・リンブルフ(6月6日)を連戦し、その後ツール・ド・ポローニュ(7月30日)への出場を予定している。


サウスイースタン・ルイジアナ大学のレット・アレイン准教授が2015年に米WIREDに寄稿した記事によると、シャンパンからコルクが放たれるスピードは毎秒12.2m、時速にすると約44km/hに達するのだという。今回ギルマイに手渡されたアストリアのスパークリングワインは3,000ml(通常サイズは750ml)。より大きいボトルの方がコルクのスピードは上るというアレイン氏の計算によれば、ギルマイの左目にはそれ以上の速度でコルクが直撃したことになる。

text:Sotaro.Arakawa

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