トレック・セガフレードがパリ〜ルーべで新型DOMANEを実戦投入した。詳細は明らかにされていないものの、その完成度から発表はまもなくだと思われる。写真をもとに紹介していきたい。



新型DOMANEを駆るエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)。エアロ化を推し進めたフレーム形状が見て取れる新型DOMANEを駆るエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)。エアロ化を推し進めたフレーム形状が見て取れる photo:CorVos
エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)が33kmに及ぶ独走勝利を挙げ、さらにルシンダ・ブラント(オランダ)が3位に入るなど、パリ〜ルーベ・ファムを制圧したトレック・セガフレード。そのチーム力と共に、選手たちが駆る見慣れない形のバイクにも大きな注目が注がれた。

チームが投入したのは、今年3月頃にUCIの機材承認リストに登場して話題となったトレックの新型DOMANE(ドマーネ)。IsoSpeedを引っさげた初代(2012年)、そのIsoSpeedをフロントにも搭載し世を驚かせた第2世代(2016年)、空力と更なる快適性を求めた第3世代(2019年)に続く第4世代モデルとなり、その証拠にフレーム各部には「MK.Ⅳ」をデザインした黄色いロゴが誇らしげに貼られていた。

新型DOMANEを駆り独走するエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)新型DOMANEを駆り独走するエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
まだトレックは新モデルについて口を閉ざしているものの、大きな変化はヘッドチューブやダウンチューブ、トップチューブ周辺が劇的なエアロ化を遂げたこと。見る限りフロントIsoSpeedが撤廃され、リアIsospeedは調整式を止め、さらにトレックハイエンドモデルの象徴とも言えたシートマストは一般的な差し込み式に置き換えられている。

数多くのギミック撤廃が意味するのは軽量化の追求だ。さらにパリ〜ルーべに求められるエアロ性能と、DOMANEの存在価値である快適性とのバランスを、より現代レーサー的に仕上げた開発意図が見て取れる。なお実戦投入されたバイクにはRace Shop Limitedを意味するRSLロゴがあり、これは標準モデルよりも低いジオメトリーを採用した選手供給用と思われる(過去モデルにも同様の仕様が存在した)。

ステム下のルーティングにも小変化ステム下のルーティングにも小変化 photo:CorVos
パリ〜ルーベで実戦投入された新型DOMANEパリ〜ルーベで実戦投入された新型DOMANE photo:CorVos
また、ヘッドチューブ周辺のルーティングにも変化が生じた。先代モデルはステム下を這わせたケーブルがフォークコラム後ろから内装する機構だったが、新型ではコラム前側から内装されるよう微変化が起きた。なおパリ〜ルーべには専用の一体型ハンドルは投入されておらず、登場するか否かは不明。

フロントシングルスピードを採用したコンポーネントにも注目が集まった。スピード変化の少ないパリ〜ルーべだけに、スラムのRED eTAP AXSにRED 1クランクセット(ロンゴボルギーニのチェーンリングは48T)を組み合わせ、ディレイラーハンガーにはチェーン落ちを防ぐキャッチャーを取り付けていた。

ホイールはAeolus RSL 37Vで、黄色いマーキングを施したピレリのP Zero Raceチューブレスタイヤが組み合わせられていた。

text:So Isobe

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