EFプロサイクリングは、2021年ワールドチーム「EFエデュケーションNIPPO」の直下型育成チーム「EFエデュケーション・NIPPOディベロップメントチーム」を新設することを、日本時間の12月4日に発表した。同時に、石上優大、岡篤志、織田聖、門田祐輔、津田悠義ら日本人選手5名が所属することも明らかにした。



新たに発足する「EFエデュケーション・NIPPOディベロップメントチーム」は、アメリカ登録のUCIコンチネンタルチームとなる。EFプロサイクリングの育成チームとしては、スイスを拠点とするUCIコンチネンタルチーム「NIPPO・プロヴァンス・PTSコンチ」があったが、同チームのマネージャーであるマルチェロ・アルバジーニ氏が、EFプロサイクリングのジョナサン・ヴォーターズCEOにワールドチーム直下型のディベロップメントチーム設立を打診して実現したものだという。

2021年はフランスを拠点に活動した門田祐輔(写真は2020年Jプロツアー)2021年はフランスを拠点に活動した門田祐輔(写真は2020年Jプロツアー) photo:Satoru Kato2019年ジュニア全日本チャンピオンの津田悠義2019年ジュニア全日本チャンピオンの津田悠義 photo:Makoto.AYANO

12月3日時点で7つの国から15名の選手が登録され、そのうち5名を日本人選手が占める。NIPPO・プロヴァンス・PTSコンチに所属していた石上優大、岡篤志、織田聖ら3名に加え、フランスのアマチュアチーム「VCラポム・マルセイユ」に所属していた門田祐輔と、「AG2RシトロエンU23チーム」に所属していた津田悠義が新たに加わる。

ヴォーターズCEOは「チームが自転車競技の盛んでない国の選手の育成に力を入れていることも重要です。これは選手が注目される絶好の機会であり、これまで見過ごされてきた才能を見出すことができるのです」と、述べている。

また、チームのマネージャー兼監督となるアルバジーニ氏は「このチームは非常に国際的なチームです。我々は、世界中から才能ある人材を集め、彼らをプロのシステムに組み入れたいのです。誰もがお互いに学び合える国際的なチームになるでしょう。プロのアスリートになるために、すべてのアスリートが経験する世界の違いを理解してもらうことが重要です」と、説明する。

所属選手はワールドチームからレース出場の可能性も

このチームの最大の注目点は、ディベロップメントチームの選手がワールドチームでレースに出場できるUCIの制度を活用できることだろう。世界のトップレベルを経験する機会を若手選手に与えることで、「より高いレベル、よりプロフェッショナルな環境でレースをして、世界のトップカテゴリーがどのようなものかを学ぶことができます」と、アルバジーニ氏は言う。

もちろん、そのチャンスは日本人選手にもあるので、来シーズンはその姿を見られるかもしれない。そして、中根英登に続くワールドチームの日本人選手誕生につながることを期待したい。


text:Satoru Kato