アンカーが6年ぶりにローンチしたフラッグシップロード"RP9"。これまで明らかにされていなかった完成車のスペックが発表され、新型DURA-ACEとULTEGRAを搭載した販売パッケージとなることがアナウンスされた。トラックバイクのTS9、TE9と合わせて紹介しよう。



アンカー RP9(レーシングカラー)※写真はプロトタイプアンカー RP9(レーシングカラー)※写真はプロトタイプ (c)アンカー
世界選手権で頂点を獲得したトラックバイクの開発で得たノウハウ、技術をもとに生み出されたアンカーの新型フラッグシップロードのRP9。エアロロード級の空力性能、多くの知見を持つ剛性バランス、レースバイクに必要な軽量性を高次元でバランスさせた一台として、数多くのサイクリストから注目を集めるモデルだ。

RP9はディスクブレーキ、電動変速、エアロという今のロードレーサーに求められる基本スペックを網羅。アンカーの基幹技術であるPROFORMATを駆使したトラックバイクの開発データをロードバイクに置き換え、開発を進めることでRS9s対比で大幅に空力性能の改善を実現したという。

アンカー RP9(レーシングブラック)※写真はプロトタイプアンカー RP9(レーシングブラック)※写真はプロトタイプ (c)アンカー
剛性面でもトラックバイクの開発で培ったノウハウが活きた。スプリントやアタックでの反応性を追求すると同時に、プロ選手からのフィードバックを反映することで、実際に乗った時のフィーリングのバランスが取れた剛性を実現した。

剛性やエアロとトレード・オフの関係にある軽量性は、TORAY T1100という高強度カーボンの採用によって実現した。このカーボンを使用することで薄い積層でも高い強度を確保することでき、重量を削減できるという。プロトタイプでの計測はフレーム単体900g。フォーク+小物を足した状態で1360gだ。

シクロワイアードでは計3ページに渡る特集記事を展開しているため、詳細とインプレッションはそちらを御覧いただきたい。

日本で開発された、勝つためのロードバイクがRP9日本で開発された、勝つためのロードバイクがRP9 photo:Nobuhiko Tanabe
そんなRP9だが、デビュー時の情報ではフレームセットの販売内容のみで、完成車の案内がされていなかった。そして、ついにRP9の完成車2車種の情報が明らかとなった。1つは新型DURA-ACEで、もう1つは新型ULTEGRAだ。発表されたばかりの電動セミワイヤレス変速コンポーネントを搭載したレーシングバイクが9月下旬より発売開始される。

価格はDURA-ACE完成車が1,210,000円(税込)、ULTEGRA完成車が660,000円(税込)に設定されている。フラッグシップに相応しいDURA-ACE完成車に対し、ULTEGRA仕様は非常にバリューの高い完成車に仕立てられている。カラーはレーシングブラックとレーシングカラー(アップチャージ16万5千円・税込)だ。完成車スペックやジオメトリーなどは販売ページに掲載中のため、そちらを確認してもらいたい。

アンカー RP9 DURA-ACE完成車
ディレイラー:SHIMANO DURA-ACE R9250 Di2
クランクセット:SHIMANO DURA-ACE FC-R9200 52-36T
スプロケット:SHIMANO DURA-ACE CS-R9200 11-30 12S
ブレーキキャリパー:SHIMANO DURA-ACE BR-R9200
ブレーキレバー:SHIMANO DURA-ACE ST-R9270 Di2
ハンドルバー:EASTON EC70 AERO
ステム:ANCHOR AERO
サドル:FIZIK VENTO ARGO R1
ホイール:DT SWISS ARC1100 DICUT 50
価格:1,210,000円(税込)

アンカー RP9 ULTEGRA完成車
ディレイラー:SHIMANO ULTEGRA R8150 Di2
クランクセット:SHIMANO ULTEGRA FC-R8100 52-36T
スプロケット:SHIMANO ULTEGRA CS-R8100 11-30T 12S
ブレーキキャリパー:SHIMANO ULTEGRA BR-R8100
ブレーキレバー:SHIMANO ULTEGRA R8170 Di2
ハンドルバー: ANCHOR-NITTO
ステム:ANCHOR AERO
サドル:SELLE ITALIA X1 BLACK
ホイール:DT SWISS P1800 SPLINE DB 23
価格:660,000円(税込)



アンカー TS9(レーシングカラー)アンカー TS9(レーシングカラー) (c)アンカー
アンカー TE9(レーシングカラー)アンカー TE9(レーシングカラー) (c)アンカー
フラッグシップロードRP9に大きな影響を与えることとなった、アンカーのトラックバイクTS9とTE9も9月下旬に発売される。アンカーのトラックバイクは、東京2020オリンピックの実戦に投入されたのは記憶に新しいはずだ。

短距離競技向けのTS9はJCFと共同開発が進められ、脇本雄太や新田祐大、小林優香らのスプリントとケイリン競技のパフォーマンスを支えたバイクだ。中距離向けのTE9はオムニアムの橋本英也、そして銀メダルを獲得した梶原悠未の活躍に貢献。その性能の高さを世界最高峰の舞台で示した。

販売はフレームセットで、カラーはレーシングブラックとレーシングカラー(アップチャージ16万5千円・税込)で展開される。レーシングカラーは五輪の舞台を走ったデザインを踏襲したもので、「夜明けの侍」というコンセプトのもと描かれたもの。ブリヂストンサイクルの上尾工場にてペイントが施される特別なカラーだ。

RP9にはアンカーのトラックバイク、PRZとPRP開発で培った技術が落とし込まれているRP9にはアンカーのトラックバイク、PRZとPRP開発で培った技術が落とし込まれている photo:Nobuhiko Tanabe
アンカー TS9
サイズ:S、M、L、LL
フレームセット重量:1,980g(Mサイズ/シートマストセット除く)
カラー:レーシングブラック、レーシングカラー(アップチャージ16万5千円・税込)
価格:715,000円(税込)

アンカー TE9
サイズ:S、M、L、LL
フレームセット重量:1,900g(Mサイズ/シートポストセット除く)
カラー:レーシングブラック、レーシングカラー(アップチャージ16万5千円・税込)
価格:715,000円(税込)