ピレネー最終日の第9ステージで首位に立って以来、マイヨジョーヌをキープし続けるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)のバイクを取り上げる。総合優勝大本命の走りを支えるビアンキのOLTRE XR4にフォーカスを当てる。



プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が駆るビアンキ OLTRE XR4プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が駆るビアンキ OLTRE XR4
ここ数年常勝軍団としてツールを支配し続けてきたイネオスに代わり、今年のプロトンを牛耳るユンボ・ヴィスマ。ワウト・ファンアールト(ベルギー)やトム・デュムラン(オランダ)といったスター選手らのアシストを受け、シャンゼリゼでポディウムの頂に立つべく走り続けるのがエースであるログリッチだ。

第9ステージでマイヨジョーヌを着用して以来、安定感のある走りでジャージを守り続けるログリッチ。ディフェンディングチャンピオンであるベルナルを15ステージの超級山岳グランコロンビエールで突き放し、総合争いを同郷のポガチャルとの一騎打ちに持ち込んだ。

ブラックカラーの山岳ステージで使われるOLTRE XR4。平坦ステージではスペアバイクとしてWH-R9100-C60が組み合わされていた。ブラックカラーの山岳ステージで使われるOLTRE XR4。平坦ステージではスペアバイクとしてWH-R9100-C60が組み合わされていた。
前輪にコリマ32mm"WS+"、後輪にデュラエースC40を組み合わせる前輪にコリマ32mm"WS+"、後輪にデュラエースC40を組み合わせる
優勝候補最右翼とされるログリッチが愛用するのが、老舗イタリアンブランド・ビアンキのエアロロード、OLTRE XR4だ。振動除去素材カウンターヴェイルを採用し、エアロロードながらエンデュランスバイク並みの快適性を得た万能モデルとして、ユンボ・ヴィスマの選手らが厚い信頼を寄せるバイクだ。

今ツールで話題になったのが、これまでのチームバイクを反転させたようなブラックベースにチェレステカラーのビアンキロゴが入ったバイク。山岳ステージでの使用率が高いことから察するに重量を抑えるために用意されているようだ。明るいカラーに塗装するためには下地にホワイト塗装を施す必要があるため、黒系のペイントのほうが軽量に仕上がる。チェレステのロゴはデカールだ。

マイヨジョーヌカラーのヘルメットやソックス、バーテープを装着する。この日は前後ともWH-R9100-C40を使用マイヨジョーヌカラーのヘルメットやソックス、バーテープを装着する。この日は前後ともWH-R9100-C40を使用
ユンボ・ヴィスマが使うコリマのホイール。32mm"WS+"と思われるユンボ・ヴィスマが使うコリマのホイール。32mm"WS+"と思われる photo:Makoto.AYANOフィジークのプロトタイプと思われる新型サドルフィジークのプロトタイプと思われる新型サドル


メインコンポーネントには、プロトン最多の使用率を誇るシマノのR9150系デュラエースDI2。パワーメーターも昨年よりパイオニアからシマノ純正のFC-R9100-Pにスイッチ。シマノサポートチームでもあるユンボ・ヴィスマは、コンポーネントだけでなくS-PHYRE RC-9(シューズ)やレイザーのGENESIS(ヘルメット)などアパレル類もシマノ系列で揃えている。

興味深いのがホイールの選択だ。シマノ デュラエースWH-9100-C40とC60をコースプロフィールによって使い分けつつ、勝負所となる山岳ステージではロゴを隠したコリマの32mm"WS+"と思われるホイールを使用。チームメイトは前後輪ともにコリマを使用するメンバーもいる中、ログリッチは前輪をコリマ、後輪をC40とする組み合わせを好んでいるようだ。

ハンドル周りはFSAのステム一体型モデル"METRON 5D"としているほか、サドルもフィジークのプロトタイプと思わしき超薄型モデルを使用。サドルに関しては、ブラックベースの山岳用バイクではプロトモデルを使用しているが、チェレステベースのバイクにはANTARESが組み付けられている。快適性と軽量性を天秤にかけてコースに応じたセッティングを行っているのだろう。

text:Naoki.Yasuoka